漢書には【前車の覆るは、後車の戒め】と 何とかしたいバトンパスのロス
「前車の覆るは、後車の戒め」とは漢書にある言葉。先人の失敗は後人の教訓としなければならないとの意であるが、同時に、成功した先人からはそのやり方をまねるがよい、とも解される。総経理(社長)が交代するたびにリスタートするのではなく、会社としてのレガシーは引継ぎたいもの。
【呉越同舟】 できちゃった婚のような日中合弁 どうして破綻を回避する?
「呉越同舟」とは孫子の言葉。仲が悪い者同士であっても、同じ困難に遭遇した時には互いに協力するとの意。できちゃった婚のような日中合弁であっても、協力して事業を進めたいのだが。お気楽・日本本社とわがまま・中国側パートナーの間に挟まれた総経理の重責。
中国ことわざ【酒入れば舌出ず】 春節は自重するのがよい 男の三欲にも…
「酒入れば舌出ず」とは、酒を飲むと人はおしゃべりになり、おしゃべりが過ぎると失言が伴い身を滅ぼすことにもなる。酒以外に、おんな、金を合わせて三欲に溺れないように足元を管理し、常に自分を磨くこと。中国で活躍しようと考える総経理にはやるべきことはたくさん。
【善く将たる者は愛と威とのみ】と韓非子 メリハリの動機付けが成功への道
韓非子は「愛」と「威厳」の両方が備わって、初めて強いリーダーシップが発揮されるという。一方だけでは心服は得られない。生身の人間である以上、気持ちよく仕事をしてもらうい、業績も向上させるには両方が不可欠。総経理(社長)が目指すべきは、会社も社員もハッピー。
【人主の逆鱗に嬰る】 本社を上手に無視するのが良い もうひとつは…
「人主の逆鱗に嬰る」とは韓非子の言葉。逆鱗に触れないでいられるならば成功に近い、と。日本本社に生殺与奪を握られているからと言って、本社の言いなりでは成功しない。眼前の中国現場を睨み、覚悟を以て取り組むことが求められる。その時、決して触れてはならないのが逆鱗だ。
【直言不諱】 中国で 曖昧・どっちつかずな態度では信用されない
「直言不諱」とは、歯に衣着せぬ物言いをすること。中国では、曖昧でどっちつかずの態度でいると、いずれ信用されなくなってしまう。婉曲な言い方を好む日本人も、中国では遠慮せずにはっきりと言う方が意思が伝わりやすい。
論語には【一を聞いて十を知る】とあるが 一一言わなければ通じないぞ
「聞一知十」とは、物事の一端を聞いただけで、全体を理解すること、という意味の論語にある言葉。しかし、文化も習慣も異なる中国で、現地の社員達に対してそれを求めるのは、簡単ではありません。むしろ「聞一知十」には期待せず、他の方法を講じた方がよい。
【一年の計は春に在り】中国・春節の縁起担ぎ 爆竹を鳴らしたり…
「一年の計は春にあり」、昔の中国では、一年の農作業の計画は、春の内にしましょうという意味でした。現代では、重要なことは早く計画し、おろそかにしないで進めるように、との意です。春節に縁起担ぎを楽しむのも結構なことだが、総経理(社長)たるものは、今後の計画を十分に考えるべきでありましょう。
【捲土重来】 失敗しても腐らなければピンチがチャンスに 人生に負けは無い
「捲土重来」とは、一度は失敗した者が、すさまじい勢いで再び勢いを盛り返すことの例え。一度折れた心を立て直すのは簡単ではありませんが、決して腐らず希望をもってコツコツ積み上げていけば、必ずチャンスがやってくる。人生に負けなどないのです。冬は必ず春となる。
老子は【不争の徳】と お隣さんなのに価値観が大きく異なるが…
「不争の徳」とは老子の言葉。争わないことこそが徳であり、徳のある人はむやみに人と争はない、と。相手の価値観の違いを指摘し争っても、何も解決しないし利益も無い。むしろ、違いを受け入れ、乗り越える努力を惜しまないことこそが求められる。