【幸災楽禍】 過度の優越感は如何なものか 持ちたい自他共の精神

メコン名物・エレファントフィッシュ(2008年10月ホーチミン)

 

旅行先の宿舎。早朝、窓越しにゴーっという地響きのような音が。一体何事? 窓を開けると眼下の道路には…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

呆れること木鶏の若し(呆若木鶏)

  • 中国語:呆若木鸡    [ dāi ruò mù jī ]
  • 出典:庄子(达生)
  • 意味:まるで木で作ったニワトリのように、茫然と立ちすくむこと。

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河清く海晏らか(河清海晏)

  • 中国語:河清海晏   [ hé qīng hǎi yàn ]
  • 出典:郑锡(日中有王字赋)
  • 意味:河(黄河のこと)の水は清く大海も波静かである、との意。天下泰平であるさまの例え。

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光風霽月(こうふうせいげつ)

  • 中国語:光风霁月   [ guāng fēng jì yuè ]
  • 出典:宣和遗事
  • 意味:さわやかな風と冴えわたった月。心が澄んで、何のわだかまりもなく、爽快であることの例え。太平で明朗な政治情勢の例え。

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不屈不撓

  • 中国語:不屈不挠   [ bù qū bù náo ]
  • 出典:漢書(叙传下)
  • 意味:どんな困難にも負けないこと。不撓不屈。

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災いを幸いとし禍を楽しむ(幸災楽禍)

  • 中国語:幸灾乐祸   [ xìng zāi lè huò ]
  • 出典:左傳(僖公十四年)
  • 意味:他人の災難を喜び、他人の不幸を願うということ。他人の不幸は蜜の味。

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記事:【幸災楽禍】 過度の優越感は如何なものか 持ちたい自他共の精神

地響きの原因

 ここはベトナムのホーチミン市。2008年10月、友人が現地に赴任していたので、観光に出かけ、彼の宿舎に泊めてもらったのですが、ベランダから眺めた眼下の様子に状況は呑み込めました。

 「地響き」の原因は、おびただしい数のバイクが交差点の信号が青に変わると同時に、一斉に走り出す時の排気音でした。

ホーチミン市街地の早朝(2008年10月)

 それにしても、見たことのないバイクの数に「呆若木鶏」、暫し見取れてしまいました。街に出ると、目の前で波のように押し寄せるバイクの多さには圧倒されました。こんな光景は中国にもありません。

 

激戦の地

 1962年2月、アメリカ合衆国はサイゴン(現在のホーチミン)に援助軍司令部を設置、軍事介入を行いベトナム戦争が始まりました。1974年に終結するまで13年間にわたる悲惨な戦いでありました。

メコン川クルーズ(2008年10月)

 メコン川のマングローブの林を手漕ぎボートで進むクルーズは、南ベトナムのゲリラ部隊であるベトコンが繰り広げた「不屈不撓」の激戦を彷彿とさせます。

 悲惨な戦争を勝ち越え1976年4月には南北ベトナムが統一、さらに1976年7月2日、ベトナム社会主義共和国が誕生しました。

 その後、1979年にはカンボジア問題から中国とベトナムが対立し中越戦争に到りましたがわずか1カ月程で終わり、1991年両国の国交正常化が実現しました。

 

これ美味い

 多くの曲折を経てようやく訪れた「河清海晏」の世の中。戦いの舞台であったメコンにあるレストランで味わった「エレファントフィッシュ(象耳魚)」はなかなかの美味。メコン川に生息する「象の耳の様に大きな魚」をウロコごと唐揚げされた料理です。名物料理というだけあって、味は見た目以上。

 これが食べられるメコンのレストランも、味わいの豊かな雰囲気を呈しており、平和な社会のありがたさが実感できるというものです。

メコンのレストラン(2008年10月)

 

ドイモイ

 ドイモイと言われる改革政策が始まったのが1986年。その後20年余り経過したころにホーチミンを訪れたことになります。街は活気に満ち溢れていました。

 それに、ホーチミンの街は意外なほど清潔で、長く続いたフランス統治の名残か、道端の商店ではフランスパンが売られ、小綺麗なレストランもたくさんあるおしゃれな街です。

 ベトナムのドイモイに先んじる事8年、1978年から改革開放政策が始まった中国に負けない前向きな躍動感を感じました。

 そして、中国にとっては中越戦争に敗れてから30年、とはいえ「光風霽月」とはなっていなかったでありましょうが、ホーチミンでは驚くほど多くの中国人が観光を楽しんでいました。当時の中国では市場経済が一気に加速され、経済発展は目覚ましく、まさに右肩上がりの真っ最中であったのです。

 

ゲスな考えは

 経済的には大きく発展し、優越感に浸るには十分すぎるほどの差をつけた状況になっていた。すると、人は誰しも「災いを幸いとし禍を楽しむ」との不謹慎ともいえる思いが心の中に擡げるのかもしれません。

 しかし、大事なことは過度の優越感を抱くことではなく、むしろ他を思い遣る気持ち、自分も他人も共にとの思いと行動ではないでしょうか。自分さえよければといった独りよがりの発展はいずれ挫折が待っています。

 ホーチミンは古くからベトナムの経済的中心地で、フランス統治時代には「東洋のパリ」と呼ばれたそうです。今もその影響が残る街並みが素敵です。800万を大きく超える人口を有するホーチミン市はベトナム経済を牽引する大都会です。ものすごい数のバイクを眺めながら、さまざまなことが感じられました。

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