【水を飲むに源を思う】 人として忘れてはならない感謝の心

大連・中山広場(2019年5月)

 

中国超初心者が無謀(?)にも独りで北京へ出張。はてさてどうなることやら…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

㷀㷀孑立(けいけいけつりつ)

  • 中国語:茕茕孑立   [ qióng qióng jié lì ]
  • 出典:李密(陈情表)
  • 意味:一人ぼっちで頼る人も無いこと。孤独で身寄りが無い事。

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五顔六色(ごがんろくしょく)

  • 中国語:五颜六色   [ wǔ yán liù sè ]
  • 出典:李汝珍(镜花缘)
  • 意味:色とりどり。カラフルであること。

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忐忑不安(たんとくふあん)

  • 中国語:忐忑不安   [ tǎn tè bù ān ]
  • 出典:吴趼人(糊涂世界)
  • 意味:心中不安で気が気でないこと。

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独り行くこと踽踽(くく)たり [ 独行踽踽 ]

  • 中国語:独行踽踽   [ dú xíng jǔ jǔ ]
  • 出典:詩経(唐风·杕杜)
  • 意味:一人ぼっちで道を行くさま。「踽」はひとりで行くこと。

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水を飲むに源を思う(飲水思源)

  • 中国語:饮水思源   [ yǐn shuǐ sī yuan ]
  • 出典:庾信(徵调曲)
  • 意味:水を飲むときにはその水がどこから来たのか考えよ。根本を忘れてはならないとの意。

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山を抜き世を蓋(おお)う [ 抜山蓋世 ]

  • 中国語:拔山盖世   [ bá shān gài shì ]
  • 出典:史記(项羽本纪)
  • 意味:山を引き抜くほどの強い力と、世をおおいつくすほどの気力。強大な力と圧倒するほどの気力にあふれて、勇壮である様子。

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記事:【水を飲むに源を思う】 人として忘れてはならない感謝の心

ドキドキの北京行

 1998年6月に上海に赴任。その後、半年もたたない頃に北京へ日帰り出張。言葉はほとんど分からない、しかも「独行踽踽」。とにかく、迎えの車が来ているはずの北京国際空港までたどり着かねば…

 ということで、当時の虹橋空港から飛び立ったのです。

 

北京空港で右往左往

 北京では予定通り所用を終え、再び北京国際空港で上海への戻りの便にチェックイン。緊張はしたが、思いのほか順調に事が運んだことに、少しばかり気を良くした。

 が、それもつかの間、一瞬にして「忐忑不安」に襲われることに。

 どういうことか、搭乗便名や搭乗口を表示している電光掲示板に、手にした搭乗券に印字されている便名が無い!

 出発ロビーにいた係員に、どうすればよいのか下手な中国語で尋ねましたが、搭乗チケットに書かれている搭乗口へ行けばよいと、何とも素っ気ない返事。

 当時の北京国際空港は、小さなターミナルひとつだけ。円形に搭乗口が配置され、到着便の乗客もそこから出てくるので、乗り降りが双方向です。ターミナル入り口付近に黒板があり、臨時の変更などがチョークで書かれていました。

 言われるままに搭乗口へ急ぎました。そこにも搭乗便の表示はありませんし、アナウンスはされていますが何を言っているのか聞き取れません。

 仕方なく待合室で隣に座っている人の搭乗券を横目で覗き見て、同じ搭乗便であることを確認する始末。やっとの思いで搭乗することができました。

 

変貌する

 名前の割には貧相な空港でしたが、その翌年には大規模改装がなされ第二ターミナルも増設。たいへん立派な北京首都国際空港に変貌、更に2004年には第三ターミナルが完成し、以前とは隔世の感がある巨大な空港になりました。

 出張で訪れるたびに「山を抜き世を蓋う」の如きダイナミックな変化に圧倒されます。

 しかしそこも限界に達したということで、2019年9月には北京大興国際空港が完成、開港したそうです。サッカー場100個分の大きさとのことですから超巨大空港です。

 

たまげた変化

 ところで、1998年当時の北京の街を歩いても、発展している空気感はあまり感じられませんでした。街全体も何となく埃っぽく、空港から市街地へ向かう道路の両側に植えられている街路樹も、緑というよりグレー。

 街を行く若い女性の服装もグレーや黒で華やかさはありません。一方、当時の大連はというと、女性の服装は「五顔六色」で、ファッション分野では北京よりはるかに進んでいたのです。

 ところが、その後、2年ぶり北京へ行ってたまげました。女性の服装が大連よりもカラフルでおしゃれだったのです。僅かの期間であるにもかかわらず、この変貌ぶりには心底驚きました。現地に入り自分の目で見て、そこの空気を吸わないと分からないものです。

 

ひと苦労

 ある時、遊びにやってきた家族を連れて、万里の長城の観光に出かけました。万里の長城は言わずと知れた世界遺産。その中でも最も有名なのが「八達嶺長城」と言われる場所です。中国人はもちろん、世界中から観光客が押し寄せます。

 意気込んで行ったのはよかったのですが、チケット売り場の窓口には長蛇の列。しかも、お世辞にもお行儀が良いとは言えない乱れた列。そこをかき分けて前に進まねばなりません。

 初中国の家族を引き連れての観光は「茕茕孑立」、入場券を買うことすらひと苦労なのです。

 

忘れてはならないこと

 普段の煩わしいことは、会社のスタッフがやってくれていましたが、家族との旅行はまったくのプライベートですから、自分でやるほかはありません。

 ホテルを出発しバスに乗り目的地について切符を買う。すべて自分でやることの大変さ。スタッフのありがたさが身に沁みました。

 どんなことでもそれが当たり前のことではなく、「水を飲むに源を思う」との言葉の通り、根っこにあるものを忘れてはなりません。

 現地会社の総経理(社長)として感謝の気持ちを忘れるようなことがあっては、成功はおぼつかないということでありしょう。

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