【安家落戸】 熱い思い出が溢れる第二の故郷 中国・大連を街歩き

森茂大厦(大連・中山路 2019年5月)

 

図らずも長きにわたって住み続けた大連。現地への赴任を命じられたサラリーマンとはいえ、現地駐在を通して地理や言葉、習慣にも慣れ、そうなると単に「勤務地」では無くなりました。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

安家落戸

  • 中国語:安家落户   [ ān jiā luò hù ]
  • 出典:郑成功
  • 意味:故郷を離れ、家を構えて定住すること。住み着く。

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一技の長

  • 中国語:一技之长   [ yī jì zhī cháng ]
  • 出典:李汝珍(镜花缘)
  • 意味:技能や特技を持つこと。一芸に秀でる。

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錯綜複雑

  • 中国語:错综复杂   [ cuò zōng fù zá ]
  • 出典:周易(系辞上)
  • 意味:複雑に入り組んでいること。

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不知不覚

  • 中国語:不知不觉   [ bù zhī bù jué ]
  • 出典:两教辨
  • 意味:知らず知らずのうちに、いつの間にか、との意。

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羊質(ようしつ)にして虎皮(こひ)す

  • 中国語:羊质虎皮   [ yáng zhì hǔ pí ]
  • 出典:素書
  • 意味:実際は羊であるが、虎の皮をかぶっている。外見は立派だが、それに伴う実質がないことの例え。

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記事:【安家落戸】 熱い思い出が溢れる第二の故郷 中国・大連を街歩き

最高のロケーション

 大連市の中心部、中山路に面して立地する「森茂大厦(大連森ビル)」。

 この24階建てのテナントビルには、一流どころの日系企業や地方自治体の現地事務所など、そうそうたる顔ぶれが入居していました。

 実は、それには訳があったのです。

 当時は大連でも経済発展が急拡大を始めた頃。次々とビルが建設されていました。しかし、ローカルのビルは、外観は素晴らしいのですが内部の防火ドアや非常階段などまことにお粗末。「羊質虎皮」と言わざるを得ない状況でありました。

 それに比し、この森ビルは重厚感のある外観に加え、設備も充実していて、更に管理がとても良く安定感が抜群のしっかりしたビルであったことが入居企業に支持された所以であったと言えます。足元を固めて中国事業の展開を目指す企業にとっては申し分のないロケーションだと言えます。

 このビルに本拠を置いていた現地会社に、2000年から約12年半の間、奮闘を続けました。

 仕事がうまくいかずに苦しかったことや、中国人スタッフとともに知恵を絞り出して苦境を乗り越えたことなど、数えきれない思い出がぎっしりと詰まっています。

 

ついに開通した地下鉄

 ひと昔前までの中国ではよく見かけられた、押し寄せるような自転車通勤の波。しかし、大連では自転車そのものが少なかったようです。それは、大連の街には坂道がけっこう多いことが一因ではと思われます。その代わりに、公共バス路線が張り巡らされていて充実していました。

 ところが、経済成長の著しい社会に在ってマイカーが激増、朝夕のラッシュ時の交通渋滞は日に日にひどくなってきていました。

中山広場駅のホームドア
(2015年9月)

 そこで登場したのが地下鉄。駐在を終え帰国後、2015年に訪れた時には立派に出来上がっていました。改札に至るまでに、まるで空港のようなX線荷物検査がありびっくりしますが、テロ防止等を考えるとさもありなん。

 改札を通り長いエスカレータでホームに降りると、ホームドアが完備されていてちょっと驚き。

 この地下鉄、庶民にとってはバスより運賃が高い、と開通当初は敬遠されがちであったようですが、「不知不覚」、いつの間にか通勤の足としても使われているそうです。

 

一芸に秀でる

真っすぐ延びる大連・中山路(2019年5月)

 大連随一の商業街である青泥洼橋界隈を走る中山路。近くには中山広場や友好広場も。このあたりの中央分離帯や歩道にはいつも花が植えられ、その手入れの良さにも驚きます。他のメイン道路も同様に花壇が整備されていて和みます。

 裏通りはさておき、目立つ場所を綺麗にするのは感心。「一技の長」だと言えば、少々上から目線かな…

 

 中山路を挟んで青泥洼橋の商業街の向かい側にあるのが勝利広場という名の地下商店街。巨大地下商店街で無数の各種小売店舗、飲食店などが集まっています。

 98年に完成したこのエリヤ。地下4階まであって歩いていても上がったり下がったり、地上と結ぶ出入り口も多く、まことに「錯綜複雑」。迷子になっても仕方のない複雑さです。

大連市勝利広場巨大地下街の入口(2015年9月)

 多様なものが売られていて結構楽しい場所で、毎週のように見物に出かけたものです。ただ、慣れない頃は、見物帰りに買い物をしようと思っても、その店を一旦離れてしまうとそこに戻れなくなったことも。

 それでも、いつの間にかどこにどの店があるのか精通したことが地元中国人に自慢(?)できるほどになりました。これが、自身にとっては「一枝之長」ということであります(笑)。

 

大連に根を

 関西空港や成田空港等から空路2~3時間。意外と近い大連。大連の街を歩くとどことなく日本的な雰囲気を感じます。その昔、満州時代には8万人以上の日本人が大連に居住していたそうです。

 そんな日本と深いゆかりのある大連に、図らずも12年半もの長きにわたって駐在をしました。単身赴任とはいえ「安家落戸」、根を張って生活をした大連は正に第二の故郷です。

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