【花は半開を看、酒は微酔に飲む】 五分咲きを楽しむことは人の傲慢を防ぐ
中国・大連の冬は長い。そして遅い春の訪れとともに花の季節がやってきます。桜やアカシヤなどが、美しい大連の街に映える…
成功のヒント 中国ことわざ・格言
温文爾雅
- 中国語:温文尔雅 [ wēn wén ěr yǎ ]
- 出典:蒲松龄(聊斋志异·陈锡九)
- 意味:立ち居振る舞いが穏やかで上品であること。「爾雅」とは角が取れて正しいこと
競相開放
- 中国語:竞相开放 [ jìng xiāng kāi fàng ]
- 意味:相競って花が咲くこと。
春風得意
- 中国語:春风得意 [ chūn fēng dé yì ]
- 出典:孟郊(登科后)
- 意味:得意満面なさま。
装潢門面
- 中国語:装潢门面 [ zhuāng huáng mén miàn ]
- 出典:东堂老
- 意味:外見や体裁を飾り付けること。
花は半開を看、酒は微酔に飲む
- 中国語:花看半开,酒饮微醉 [ huā kàn bàn kāi, jiǔ yǐn wēi zuì ]
- 出典:菜根譚
- 意味:花を見るなら五分咲きのころがよい。酒を飲むならほろ酔い加減のあたりでやめておく。傲慢になったりしないようにほどほどがよいとのと例え。
記事:【花は半開を看、酒は微酔に飲む】 五分咲きを楽しむことは人の傲慢を防ぐ
大連の花
中国・東北部にある大連。長い冬が終わると、4月下旬ごろには桜の見ごろを迎えます。大連郊外の旅順にある「龍王塘」では見事な桜が楽しめます。また「二〇三桜園」という地元でも有名な桜の名所では、中国では珍しい桜祭りも開催されます。
そして、5月下旬には、大連市内ではアカシアの花が満開となります。
大連で花と言えばもちろんアカシア。実は本当の名は「ニセアカシア」。和名は「ハリエンジュ(針槐)」、中国では「槐花」。花言葉は「慕情」、「親睦」、「優雅」等だそうです。
白いアカシアの花は正に「温文爾雅」、目立たないのですが、気を付けて見ると大連市内のそこかしこでさりげなく咲いている上品な花なのです。
中でも、毎年この時期に開催される「大連国際徒歩大会」のコースの途上にある「滨海路」沿いには多くのアカシアがあり、満開の中をウオーキングする清々しさは忘れられません。
また、アカシアの花には食用としても用いられ、日本料理店で出されるとほっこりします。止血などの薬用の効能もあるそうです。
咲き誇る花
大連市街地の中心部にある労働公園。東京ドーム20個分の面積を誇り、とにかくデカい、立派な公園です。1899年、帝政ロシア時代に竣工した120年の歴史が刻まれた公園です。
園内のあちらこちらで、早朝から太極拳やダンスなどを楽しむ市民の憩いの場となっています。園内の周回道路ではジョギングやウオーキングなども楽しむこともできます。
この労働公園の一角に、意外かもしれませんが、藤棚があります。5月ごろの開花シーズンには、「競相開放」、まことに見ごたえのある風景を楽しむことができます。
ややもすると、「不治」につながるとか、「成り下がる」とか言われたりする藤の花ですが、、そんなことは気にせず、この景色を楽しみたいものです。
街角の花
大連の市街地を歩くと、大通りのセンターライン部分に花壇を置いたり、歩道に置いたプランターに四季折々の花を咲かせたり、ときれいな街作りがされています。勿論、手入れも行き届いています。
以前は、表通りや目立つ場所だけは綺麗にする、「装潢門面」がとても上手であったとの印象がありましたが、いつの間にかそんなことはなくなったようです。経済発展が進み、世界第二位の経済大国となり、心にも余裕が生まれたのか、中国では有数のこなれた街である大連の「春風得意」というところでしょうか。
半開の趣
そんな大連の街で満開になったアカシアを見上げていると、「花は半開を看、酒は微酔に飲む」という言葉を思い起こしました。
満開もよいが、一方で半開の趣をも感じたいものです。
何事も、満たしてしまっては、人はつい傲慢になりかねない。物事はほどほどをもって良しとしたいもの。中国での仕事には酒は大きなファクターであるが、清楚なアカシアに倣って微酔がよいのだ。