【戈を枕にして旦を待つ】 師走だ元旦だと浮かれてはいられない

大連・中山広場の夜景(2017年5月)

 

師走やお正月は子供も大人も楽しみが満載。旧暦で動く中国では、春節がそれに相当します。では、通常の12月はというと、正に「通常の一ヶ月」。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

克己奉公

  • 中国語:克己奉公   [ kè jǐ fèng gōng ]
  • 出典:後漢書(祭遵传)
  • 意味:私心を我慢、抑制し、公のために尽くすこと。

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心猿意馬

  • 中国語:心猿意马   [ xīn yuán yì mǎ ]
  • 出典:汉代道典(参同契)
  • 意味:煩悩や情欲、妄念のために、心が混乱して落ち着かないことの例え。気もそぞろで、物事に専念できないさま。

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深思熟慮

  • 中国語:深思熟虑   [ shēn sī shú lǜ ]
  • 出典:楚辞·(渔父)
  • 意味:繰り返し深く掘り下げ丹念に考えること。

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万象更新

  • 中国語:万象更新   [ wàn xiàng gēng xīn ]
  • 出典:紅楼夢
  • 意味:あらゆる事物が新しく変わること。

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戈を枕にして旦(あした)を待つ

  • 中国語:枕戈待旦   [ zhěn gē dài dàn ]
  • 出典:晋書(刘琨传)
  • 意味:兵器である戈を枕にして眠りながら明日を待つ。戦の準備を怠らないことの意。

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記事:【戈を枕にして旦を待つ】 師走だ元旦だと浮かれてはいられない

日本とは異なる様相

 中国の庶民にとってもっとも大事な行事である春節。普段、離れて生活していても、この時ばかりは家族が一同に会し、息災に過ごしていることを喜び合う。

 歳もひとつ重ねることになり、春節を境に「万象更新」され、ここをもって心機一転、正に新たな気持で新年に入るのです。

 そんな伝統深き春節とは比べるべくもないが、新暦で運用される会社では一月一日が新しい会計年度の始まりです。

 日本では何かと気忙しい12月ですが、中国ではいつもの月と何も変わりません。それでも、最近の12月31日大晦日には、若者たちが街に出て新年のカウントダウンをやっているようです。

 

気もそぞろの人

 12月はどの企業でも月末の年度決算に向けて最後の追い込みの時期でもあります。社員達はいつもと変わらない雰囲気の中で淡々と仕事をしています。街のスーパーなどでも「年末」の雰囲気は感じられません。

 そんな中で、「心猿意馬」な日本人も。

 彼ら、お正月を日本で過ごそうとする日本人は、年の暮れが近づくとそわそわとしています。日本でのお正月を満喫するには国指定の三連休だけでは足りないので、有給休暇つなげた年末年始休暇をとるのです。結局中国人社員よりは長い休暇となります。う~ん…

 ただ、忙しくしている中で、仕事が終わり自室に戻ると少しばかり趣が異なります。テレビをつけると日本チャンネルでは、年末にちなんだ番組が放送されているので、その時だけは「年の瀬」をかろうじて感じることができます。

 また大晦日の恒例、紅白歌合戦はとにかく一年が終わったことを実感できる、ホッとするひと時を与えてくれます。

 

辛いこともある

 いつもと変わらない仕事をしている現地社員からは、日本人は休暇を取っていいご身分だ、もうすぐの春節にはまた一週間の休暇が取れるのに、と内心で思っているに違いありません。タガが緩んでるとしか見えないとすれば、以降の仕事に、ひいては業績に影響することは避けられません。

 慎重を欠いた些細な行動が、それまで築き上げてきた信頼を失ってしまうことになるのです。

 人の上に立つリーダーとして、わずか三日ほどの休暇によって信頼を損なうことのないような、自らを律する行動が求められます。

 中国現地会社の総経理(社長)として仕事をしている日本人としては、お正月だと浮かれていてはいられないのです。元旦休みの一時帰国は我慢すべきなのです。

 克己奉公」と言えば少々堅苦しいですが、優先しなければならないのは自らの職務です。

 ということで、赴任期間中はいつも中国現地で越年となってしまう。で、元旦の三連休と言っても街はいつもと変わらず喧騒があふれています。

 ただ、元旦に地元の日本料理店に行ってみると、特別メニューの「お雑煮」が用意されていたりして、何か嬉しくなります。白みそだ、御澄ましだと贅沢は言えませんが、外国でお雑煮が食べられることに温かみを感じたものです。

 

12月は大事なのだ

 日本では師走だ、ボーナスだ、休みだと浮かれている12月ですが、中国現地会社の総経理は、当年度の決算見通しを踏まえて新年度の予算を作成し、日本の株主総会に相当する「董事会」の準備など、12月は結構忙しいのです。

 ところでこの「予算」の作成がけっこう厄介。「頑張って売ろう!」とか「たくさんやろう!」といった漠然とした表現をするときは中国人社員も威勢がいいのですが、目標を数値化することはとても苦手。

 しかし目標も計画なく出来高だけ見ていたのでは、いくら中国と言っても会社経営など成り立つわけがありません。適正で健全な経営のためには予算や施策など周到な準備が欠かせません。

 結局、総経理自らが、必死になって予算書を作成することに。「戈を枕にして旦を待つ」と、戦いの指揮官として、新しい一年の戦いの準備が大切であると、銘じつつ…

 

腕の見せ所

 但し、出来上がった予算などの数値目標を社員達にそのまま示しても、消化されるとはとても思えませんので、目標に向かって挑戦するさまざまな具体的施策の工夫が不可欠です。そこが総経理の腕の見せ所。中国の12月は、「深思熟慮」の多忙な時期なのです。お気楽駐在員を除いては…

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