【百折不撓】とのことわざ 失敗は決して “負け” ではない

弛まない努力により希望が出現する(基底部に「希望」の文字 大連市2019年5月)

 

すべてが順風満帆の人生なんてあるはずがありません。勝っているときにどうするか、失敗した時にどう立ち向かうか。それによって、その後の、本当の勝ち負けが決する。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

勝つ 而して驕らず、敗れる 而して怨まず

  • 中国語:胜而不骄,败而不怨   [ shèng ér bù jiāo, bài ér bù yuàn ]
  • 出典:战国商鞅(商君书·战法)
  • 意味:勝利を収めても驕ることなく、負けても恨み言は言わない。

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塹(ざん)を喫し、智長ず

  • 中国語:吃一堑,长一智   [ chī yī qiàn zhǎng yī zhì ]
  • 日本語表記:喫一塹、長一智
  • 出典:明·王阳明(与薛尚谦书)
  • 意味:一度挫折をすると、それが一つの教訓となり智慧となる。つまり、一度失敗すると、それだけ利口になる。失敗は成功のもと。人は誰でも失敗する。失敗から何を学ぶかが大事。「塹」とは挫折、失敗の意。

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百折すれど撓(たわま)ず(百折不撓)

  • 中国語:百折不挠   [ bǎi zhé bù náo ]
  • 出典:漢·蔡邕(太尉桥玄碑)
  • 意味:何度折り曲げても折れないとの意。転じて、何度挫折してもくじけない,不撓不屈であるとの意。七転び八起き。

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自らに勝つ者は強し

  • 中国語:自胜者强    [ zì shèng zhě qiáng ]
  • 原文:胜人者有力,自胜者强(人に勝つ者は力あり、自らに勝つ者は強し)
  • 出典:老子
  • 意味:人に勝つ者は力が有るにすぎない、自分に勝つ者こそ強者である、との意。真の強さは、力任せに相手を倒して勝つことではなく、自らに勝つことである。難敵は自分自身である。

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記事:【百折不撓】とのことわざ 失敗は決して “負け” ではない

挫折は教訓

 王陽明が残したは「塹を喫し、智 長ず」との言葉。言わば、失敗は成功の元。

 このことわざのお手本のひとつが、肯德基(ケンタッキーフライドチキン)の創業者であるカーネル・サンダース氏。十歳で農場を手伝い、その後もペンキ塗り、車掌、軍隊、販売員など職を転々。また、三度にわたって大事故に遭い、離婚も経験したそうです。さらに起業した会社は相次ぎ破綻するなど、遂に65歳で無一文になったのだそうでう。

 氏のすごいところは“失敗は新たな挑戦への機会”と考える、極めてプラス思考の強い人であったところです。

 無一文になったサンダース氏は65歳で再起を図り、斬新なフランチャイズ・ビジネスモデルを考案。手製のフライドチキンで再びビジネスに挑み、車で寝泊まりしながら営業を続け、フランチャイズ契約店を次第に拡大しました。

 その情熱によって、その後、120以上の国・地域で店舗を展開する大チェーンとなりました。

 

舌を巻く精神力

 また、かつては世界ランキング一位にもなったゴルフの宮里藍さん。知らない人はいない実力者ですが、2006年からアメリカツアーに参戦した後、3年間は勝利することができませんでした。一時はゴルフをやめたいと思ったこともあったそうですが、前向きな挑戦を続け、ついに2009年にアメリカツアー初優勝を飾ることができました。

 名だたる成功者の方々の「百折不撓」の強い精神力には舌を巻きます。正に「積極思考の力」そのものです。

 どんな苦難があっても決して諦めない、挑戦者スピリットが成功に結びつくことを肝に銘じたい。

 

失敗は負けではない

 人生、すべてが順風満帆であるはずがありません。だからこそ、「勝つ 而して驕らず」が欠かせません。しかし、失敗したとしても「敗れる 而して怨まず」である。

 一時期に勝ったとしても、そこで満足してその後の努力を怠れば、成長が止まります。そして、やがては敗北する。つまり、一時の勝利が将来の敗北の原因となり得るということです。

失敗をしたときは、実はその後の勝利と敗北の分かれ道に立っているのです。そこで決して腐らずに努力を続けることは、勝利への道を再び歩むことになります。もう駄目だとあきらめたり腐ったりすると、本当の敗北の道に入ってしまう。

 失敗した時はまだ負けていないのである。

 

最も手ごわいのが

 多くの名勝負師が語っているのは、最も手ごわい相手は自分自身である、ということです。人はどうしても自分に甘くなり、このあたりでいいじゃないか、と妥協してしまう癖があるというのです。

 老子は、「自らに勝つ者は強し」と言っています。人に勝つ者は力が有るから勝てるにすぎない。自分に勝つ者こそが本当の強者であると。

 失敗して立ち止まったなら、もう一度、自分でスタートラインを引けばいい。そして、再び歩みを進める。

 人生は何度転んでもそれ以上に起きればいい。“生涯挑戦”の心をもって行きたいものです。 負けても卑屈にならず、そして、弛まずに向上の努力を続けるところに、次の勝機が訪れると確信したいものです。

 

※積極思考の力

ノーマン・ヴィンセント・ピール(中国名:诺曼·文森特·皮尔)著『積極思考の力』(1952年)※同著は2009年9月に中国でも発売されています。

どんなことであっても前向きに考えればそれは実現し、人生はうまくいく、という考え方。努めて物事の良い面を見て、ポジティブな姿勢を保ち、思考そのものを変えることで現実を変えることを目指す思考法。

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