【人を治めて治まらずんば其の智に反れ】組織がうまく機能しない原因は自分にある

大連・中山広場に面した大連賓館(2016年10月)

世の中には「濡れ手で粟」を得るような美味い話は無いと心得るべし。まして、人(社員)の持てる力を最大限に引き出し、もって会社の業績を上げようとするのならなおさら。そこで、総経理(社長)にとって必要なキモは…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

事半功倍(じはんこうばい)

  • 中国語:事半功倍   [ shì bàn gōng bèi ]
  • 出典:孟子(公孙丑上)
  • 意味:労力は半分で効果は倍であること。少ない労力で大きな効果を得る、との意。一方、清代の李宝嘉は「官场现形记」において、「事倍功半」(労多くして功少なし)という言葉を残しています。

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之を等閑視す

  • 中国語:等闲视之   [ děng xián shì zhī ]
  • 出典:明·罗贯中(三国演义)
  • 意味:事実をありふれたものと見ること。等閑視(とうかんし)する,軽く見なす。物事をいいかげんにほうっておく等の意。

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人を治めて治まらずんば、其の智に反(かえ)れ

  • 中国語:治人不治、反其智    [ zhì rén bù zhì, fǎn qí zhì ]
  • 出典:孟子
  • 意味:リーダーが部下を掌握できないと感じた場合は、リーダー自身に知恵が足りず、やるべきことがなされていないのではないかと考えて反省せよ、との意。

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事に於いて済む無し

  • 中国語:无济于事   [ wú jì yú shì ]
  • 出典:李宝嘉(官场现形记)
  • 意味:ものの役にも立たないこと。何の足しにもならないとの意。

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記事:【人を治めて治まらずんば其の智に反れ】組織がうまく機能しない原因は自分にある

ないがしろに

 中国・大連のとある日本料理店。入口の暖簾の下で料理人と思しき二人が、しゃがみこんで煙草を燻らし談笑している姿が。ランチタイムのピークを終えた昼下がりの時間帯であるとはいえ、お客様を迎える玄関口で、何たること!

 察するに、今日は老板(経営者)は不在。というか、日本人の老板は二三か月に一度状況を見に来るだけ。料理の出来栄えを確認、微調整。店内の整理整頓などの環境面をチェックし、従業員に頼むぞと後を託して自らは帰国。その間、従業員は殊勝に振舞ってはいるが、心の中では恐らく「等閑視之」といったところでしょうか。

 そりゃそうだ、老板がどんなに難しい表情で厳しいことを言ったとしても、何日かすれば帰国するのだから、従業員が軽く見なすのは半ば当然のことかもしれません。

 

足しにならない

 また、中国現地の日系生産工場などで、よく行われているのが「5S活動」。整理、整頓、清掃、清潔、躾のローマ字表記の頭文字をとったものです。生産現場の管理レベルの改善をめざした活動であることはよくわかりますが…

 啓蒙ポスターを掲示し、毎日の朝礼で「5S」を唱和し、徹底することを促していたとある日系工場。管理者はそれをもって実行されていると思っていましたが、ある日、そうでもないことに総経理が気付き、「なぜやらないのか!」と大きな声を出す。しかし、従業員の方はというと、「日本人は細かいことばかり言う」と陰で愚痴をこぼしあうのが落ち。

 責任者として部下の先頭に立ち、進軍の旗を振った。しかし、ふと後ろを振り向くと誰もいなかった。力んでいた今までは何だったのか。5S運動は「無済於事」、何の足しにもなっていなかったことを知り、愕然とした。

 

美味い話

たまにやってきてピシッとした管理ができたり、標語だけで管理を改善したり…

 少しの努力で二倍する功を得るような、そんな美味い話はないということを知るべきです。そもそも、「事半功倍」は世の中には無いということ。

 何処の国にあっても、社員達に会社方針や施策を徹底するのはそう簡単ではありません。まして眼前にいるのは習慣も考え方も異なる、市場競争の経験が十分ではない社員達。自分の利益に関わらないことには、さほどの関心を示さない事が多い。

 その結果、老板、総経理と言えばその企業体ではトップではあるが、直接の指示が残念ながら徹底されていない。何より、総経理の熱い思いが周囲に伝わっていないことが残念です。

 

粘り強く

 しかし、その原因は社員達にあるのではない。5S活動にしても、日本料理店の管理にしても、その背景や理由などを腑に落ちるまで十分に説明し、理解させ納得をしてもらい、更に社員達から共感を得る。そういう粘り強い努力が総経理には不可欠。

 人を治めて治まらずんば、其の智に反れ」と孟子は言っています。組織がうまく機能していないようなときには、リーダー自身に知恵が足りず、やるべきことがなされていないのではないか、と考えて反省せよと。総経理にとっては、なかなか厳しい箴言です。

 それに、日本人総経理が一人で組織の隅々まで自分の方針を浸透させるなど不可能に近い。そこは現地の幹部社員の力を借り、面倒がらずに時間をかけて一歩一歩進める、という姿勢を基本とし、地道な行動が最後は奏功すると心得るべきです。人を管理し持続性を持たせることは、実は労作業なのだといえます。

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