中国で【肝胆相照】の友人を持てば仕事が加速し人生も充実

大連・森茂ビル(2019年5月)

 

「肝胆相照らす」ということわざにあるような、本音で付き合える現地の友人を是非とも持ちたいものです。何故なら自分の仕事の幅や奥行きを深めてくれるからです。充実した駐在員生活を実現するとともに、仕事の成功にも直結します。そこで、大事なことは…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

己に如かざる者を友とする無かれ

  • 中国語:无友不如己者   [ wú yǒu bù rú jǐ zhě ]
  • 出典:論語(学而第一)
  • 意味:自分より劣った者を友として交わってはならない。

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肝胆相照らす(かんたんあいてらす)

  • 中国語:肝胆相照   [ gān dǎn xiāng zhào ]
  • 出典:史記(淮阴侯列传)
  • 意味:互いに心底から打ち明けて極めて親しく付き合うこと。

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江心補漏

  • 中国語:江心补漏   [ jiāng xīn bǔ lòu ]
  • 出典:救风尘
  • 意味:川の中ほどまで渡ってから舟の水漏れを補修する、との意。取り返しがつかなくなってから対策を講じることの例え。泥棒を捕らえてから縄をなう。

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充耳不聞(じゅうじふもん)

  • 中国語:充耳不闻   [ chōng ěr bù wén ]
  • 出典:詩経(邶风·旄丘)
  • 意味:耳をふさぎ人の意見を聞かないこと。耳を貸そうとしない。

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情投意合

  • 中国語:情投意合   [ qíng tóu yì hé ]
  • 出典:西遊記
  • 意味:意気投合する。すっかり気が合うこと。

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記事:中国で【肝胆相照】の友人を持てば仕事が加速し人生も充実

当てにならない

 中国現地会社を発展させるために、奮闘する総経理(社長)にとって、最も当てにならないのは日本本社だ。例えば、現地会社において事業拡大に伴い、逼迫するリーダー格の人材不足。その解消を目的に、現地社員に対するマネジメント研修等の実施を本社に要請。しかし、本社は関心が無いのか、「充耳不聞」。まるで聞く耳を持たずの状態。

 本社にしてみれば、海外子会社の業績が本社全体の業績に与える影響は極めて軽微であり、日本国内の業績向上を考えた方が得策。ちっぽけな海外現地会社のことを腐心する必要も余裕も無い、という程度の事なのかもしれませんが…

 

急増する人材需要

 現地会社では、急拡大するマーケットと会社規模の拡大に応じて、一般社員やリーダークラスの人材需要も急増しているのです。

 仕事上の専門的な技術や知識については、社内のベテラン社員達がいるので、彼らを先生役にして社内教育は何とか実行できます。しかし、責任者格の社員に必要なリーダーシップや小集団マネジメントに関する教育は、簡単ではありません。

 総経理(社長)といえども、その分野における教育を施した経験も無く、いわば素人。そこで、本社専門家の登場を願ったわけだが、梨の礫状態。

 そもそも、必要人材が枯渇してから、さあどうしようと言っても間に合うわけがない。中国の「江心補漏」ということわざのように、大きな川の中ほどまで渡ったところで舟の水漏れの修理をするようでは、間に合うわけはないのだから。人材は常日頃から育成努力を続けておかねばならないということは、論を待たない。

 

胸襟を開けば

 本社は手を出そうとしない、現地会社にはノウハウが無い。であれば、あとは外部の専門家に社員研修を委託することを考えねば。そこで予てより親交の合った地場の人材会社の総経理に相談をしました。

 但し、人材教育が専門だとは言え、それぞれの企業によって業務内容や理念が異なるのであるから、それらに沿ったカリキュラムを検討しなければなりません。

 外部専門家と胸襟を開いて、社内の実情や研修の目的などについて話し込みを行うことに。それを繰り返す過程で最良のカリキュラムが出来上がり、同時に両者の人となりが互いに理解されるようになりました。

 社員教育を委託する側と受託する側が見事に「情投意合」。まるで社内の研修部のような立場で、事業拡大の一翼を担っていただくことになりました。

 

こんな友を

 海外で勤務する日本人は、ややもすると同じエリヤで駐在している日本人同士がコミュニティーを作り勝ちです。それが悪いということではありませんが、それだけでは自身の仕事に対する広がりは限られたものになってします。

 つまり、現地の人を友人に持つことは、自分にとっても大きな強みになることは間違いありません。

 その際に、心すべきは「己に如かざる者を友とする無かれ」という論語にある言葉。明らかに自分よりも劣る人を友としてはいけない、と。

 忘れてはならないのは、相手方も同じ基準で見ているはず。ですから、自身の人間性を更に磨く日頃の努力が不可欠なのです。自分を高めるための不断の努力それ自体が、人から見れば魅力と映り、「肝胆相照らす」友人の出現に繋がります。

 心底から打ち明けて親しく付き合う事のできる友人の存在は、大きな支えとなります。自身の仕事を加速、深化させることに繋がり、、力となってもらえる。また、その付き合いは帰国後も続き、生涯の友人とも成りえます。

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