例え【五里霧中】でも 一歩一歩着実に進めば見えてくる勝利の灯り

白玉蘭は上海市花 先頭に立って道を切り開く(2022年3月大阪)

 

初めての地で、西も東もさっぱりわからない。そんな状況でも一歩一歩着実に歩みを進めるならば、見えてくるであろう勝利の灯りが。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

一歩一個脚印

  • 中国語:一步一个脚印    [ yī bù yī gè jiǎo yìn ]
  • 出典:老舍(四世同堂)
  • 意味:脚印とは足跡のこと。一歩に一つの足跡が残る。一歩一歩着実である、一歩一歩着実に事を運ぶ。仕事ぶりが几帳面であるとの意。

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五里霧中

  • 中国語:五里雾中   [ wǔ lǐ wù zhōng ]
  • 出典:後漢書
  • 意味:物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること。事情などがはっきりしない中、手探りで何かをする意。
  • 語源:後漢の時代の学者・張楷は五里にわたる霧を起こす仙術に通じていました。当時の桓帝の招聘に応じなかった張楷は、探しに来た役人を五里の霧の中に閉じ込め、方向が判らないようにしました。

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千載 逢い難し(千載難逢)

  • 中国語:千载难逢   [ qiān zǎi nán féng ]
  • 出典:南齐书(瘐杲之传·临终上表)
  • 意味:[載]とは「年」のこと。千年に一度しか回り逢えないほどのまたとない機会のこと。

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高きに居て下を臨む

  • 中国語:居高临下   [ jū gāo lín xià ]
  • 出典:魏书(财安王)
  • 意味:高所に立って下を見下ろすこと。

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龍驤虎步(りゅうじょうこぶ)

  • 中国語:龙骧虎步   [ lóng xiāng hǔ bù ]
  • 出典:卜疑
  • 意味:龍が馬が首を立てるように、虎が大股で歩くように、勇ましく雄壮なさま。

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※ 南巡講話

  • 中国語:南巡讲话   [ nán xún jiǎng huà ]
  • 1989年に公職から退いた鄧小平氏は、その後も影響力を維持。1992年の1月18日から2月21日にかけて、武漢、深圳、珠海、上海などを視察し、南巡講話として重要な声明を発表した。
  • 当時の党内の保守派は、ソビエト連邦の解体などを例にとり「経済改革は和平演変による共産党支配体制の崩壊につながる」と主張していた。鄧小平氏は、これを厳しく批判したのが「南巡講話」。これにより、党内路線対立を収束し、改革開放路線を推進することになりました。以後、中国は急速な経済発展を進めることになりました。

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記事:例え【五里霧中】でも 一歩一歩着実に進めば見えてくる勝利の灯り

強烈な自信と誇り

 「もう上海には慣れたかい?」とは、現地会社の新任総経理(社長)に対して、合弁パートナーの役員が発した言葉。

 少し裏読みするとこうだ。「もう、世界に冠たる上海に慣れたかい? 私たちは外国人であるあなたに合わせるつもりはありません。だから、あなたは、上海のやり方や習慣に慣れてください」と。

 居高臨下」の物言いとの感は拭えないが、むしろ、それは自己中心的な考え方を超越した、上海人の強烈な自信と誇りがそう言わしめていると思える。

 

世界経済を牽引

 日本では江戸末期であった1865年には既に上海銀行が設立され、その後、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進しました。19世紀のアヘン戦争で中国がイギリスに敗れ、同国やフランス、アメリカなどの租界(特権的な外国人居留地)が設けられ、上海は一大歓楽街に。その頃には外国企業が支店を置き、各国の金融ビルが立ち並びました。

 1992年、鄧小平氏の「南巡講話」をきっかけに、中国では市場経済化が進みその後、高度経済成長時代を迎えました。

 戦争と革命、そして内乱や混乱が続く中で生き抜いてきた街が上海です。そしてその間ずっと中国経済の中心地として、時には世界経済を牽引してきたのです。

 そんな歴史を考えてみれば上海の街やそこに住む人々のみなぎる自信も理解できます。1998年に赴任した当時、上海の人々は「龍驤虎步」足る堂堂とした自信で、余裕とさえ感じられました。

 

手探り

 上海は言わずと知れた中国の直轄都市で、中国の商業・金融・工業・交通などの中心を担う中国最大の巨大都市です。市場規模も、日本ではなかなか経験し難い巨大規模です。

 赴任した当時は、あちこちでビルや道路のものすごい建設ラッシュ。舞い上がる砂埃、無秩序な車や自転車の行き来。それもこれもダイナミックに動いていることを強く感じさせてくれました。

 見たことのない大市場に呆然とし、加えて経験のない合弁企業の運営、言葉の壁によって自力による意思疎通ができない社員達とのコミュニケーション、お手並み拝見と高みの見物を決め込んでいる社員達。

 いったい何から手を付けたらよいものか、何をどうしたらよいものか、「五里霧中」、さっぱりわかりませんでした。まるで野っ原に放り出されたような状態で、手探り状態での仕事が始まりました。

 

巡り合ったチャンス

 如何に困難であったとしても、一度はサラリーマン生命を失いかけた中での「千載難逢」の大きなチャンス。

 混沌とした中にもきっとあるであろう成功への入り口を探すことに、エネルギーを費やすことに労を惜しむつもりは全くありませんでした。

 深い霧の中でも、そこの空気を吸い、耳をそばだて感性を研ぎ澄まし、周囲を眺めているとわずかながらも薄明かりが感じられるようになります。またとないチャンスに巡り合えた喜びと希望が活路を見いだす原動力となるのです。

 

着実であることが勝因

 遥かに遠いターゲットであっても、「一歩一個脚印」との格言にあるように、着実に前進していけばいつかは成功というゴールを勝ち取ることができるはず。

 上海での第一歩が、その後の大連での12年半にわたる勝利大道の歩みに繋がりました。

 先の見えない人生も同様で、焦ることはありません。強い気持ちと自分の信念を持ち、あきらめなければ道は必ず開けると信じたい。

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