【大功を成す者は衆に謀らず】 責任をもって決断する勇気は有るか

柳の下で広場舞を楽しむ(2016年10月大連・労働公園)

 

燃えるような気概で仕事に取り組もうとする若い新入社員に対して、そのひと言はないやろ。では、どんな言葉をかける…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

危うきを転じて安きと為す(転危為安)

  • 中国語:转危为安   [ zhuǎn wēi wéi ān ]
  • 出典:唐・房玄龄
  • 意味:危険な状態から脱すること。

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欣喜若狂

  • 中国語:欣喜若狂   [ xīn xǐ ruò kuáng ]
  • 出典:杜甫(闻官军收河南河北)
  • 意味:嬉しいことの形容。狂喜すること。

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毛を以って馬を相(み)る(以毛相馬)

  • 中国語:以毛相马   [ yǐ máo xiàng mǎ ]
  • 出典:桓宽(盐铁论·利议)
  • 意味:毛で馬の品定めをすること。

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大功を成す者は衆に謀らず

  • 中国語:成大功者不谋于众   [ chéng dà gōng zhě bù móu yú zhòng ]
  • 出典:战国策
  • 意味:大きな成功を収める人は群衆からのアドバイスを求めない、との意。

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平地に雷の一声(平地一声雷)

  • 中国語:平地一声雷   [ píng dì yī shēng léi ]
  • 出典:前蜀·韦庄(喜迁莺)
  • 意味:平地に雷が響く。前触れなく大事件が起こること。

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身を顧みず奮う(奮不顧身)

  • 中国語:奋不顾身   [ fèn bù gù shēn ]
  • 出典:报任安书
  • 意味:危険を顧みることなく、勇気を奮い起こして前進すること。

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判つこと水火の若し(判若水火)

  • 中国語:判若水火   [ pàn ruò shuǐ huǒ ]
  • 出典:钱泳(履园丛话)
  • 意味:火と水のように正反対で相容れないこと。

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記事:【大功を成す者は衆に謀らず】 責任をもって決断する勇気は有るか

初出社日のひと言

 二十歳過ぎの若者がいよいよ社会に進出。憧れていたマスメディア関連の会社に就職を勝ち取った。

 欣喜若狂」と緊張感が混在する中で初出社。その日、人事担当の先輩社員から聞かされた一言が「君の定年時の退職金は〇〇円くらいだ」、であった。

 若い新入社員のモチベーションを上げるつもりであったのかもしれませんが、澄み渡っていた心の中に、靄が立ち込めてきたのです。

 

中に入ると

 思いがけないひと言に社会の現実を感じつつ、サラリーマン生活が始まった。

 しかし、靄っとすることが他にもいくつも目についた。憧れの会社であったが、外で聞いていたのとは、中に入ると少々違っていました。

 大事なことはなかなか見えないのが常であるから、「毛を以って馬を相(み)る」という言葉の意とするところを心得たいものです。

 

感動のひと言

 あまりにも面白くない、悶悶としたサラリーマン生活が2年目となったころ、ある友人から、彼が勤める会社に来ないか、との誘いを受けました。

 その会社は設立されてから10年も経っていなかったが、高度成長の波にも乗り、がんがん伸びている新進気鋭の企業でした。

 そして、「転危為安」の予感を持って、さそわれるままに、彼が所属する事業所の責任者の面接を受けました。感動したのは「君の将来は洋々だ」とのひと言。

 件の「退職金の話」とは、正に「判若水火」の衝撃的な言葉で、自身の将来を考えた時に、転職しない選択肢はありませんでした。

 そんな経過で始まった2社目のサラリーマン生活。如何に気鋭の会社とはいえ、ずっと平坦であるわけもなく、時には、組織内の軋轢などに遭遇したことも。

 

予備知識ひとつもなく

 そんな中、49歳の時に「平地一声雷」の出来事が。夢にも思わなかった中国・上海への転勤辞令が出たのです。

 職務は、上海の現地会社の総経理(社長)という重責でありましたが、言葉はおろか予備知識の何一つもない状態で、赴任したものの、藻掻き続けていました。

 1年半余りが経過した頃、受けた本社からの電話は、大連へ転勤の内示であった。あまりに早い展開に、多少の迷いはありましたが、大連現地の社員達のことを思えば、自然と足が動いていた。

 日本での27年間は大きな歯車の横でくるくる回る小さな歯車でしかありませんでした。しかし、現地会社の総経理という職務は歯車を回す立場。

 つい2年ほど前は「奮不顧身」の思いで日本を立ったのだが、大連に着任したころには、どうすれば社員達は積極的に仕事をしてくれるか、自分が勤める会社の将来に希望を持ってもらうにはどうすればいいか。そんなことを考えるようになってきました。

 

決断するのは自分

 設立間もないちっぽけな会社が先発の地場の強大企業に伍すには、どうしても社員が団結する必要があります。そのためには会社として主柱となるものが「ビジョン」。

 会社の目指す方向、市場での立ち位置など社員に対してビジョンを示すことできる総経理であるだろうか。

 市場を見て、そして部下の意見など聞くべきを聞いたのなら、「大功を成す者は衆に謀らず」だ。後は総経理として自らビジョンを決断する。その勇気を持っているか、が成否を分ける大きなポイント。

 本社のことばかりに気を取られていたのでは成功はおぼつかない。現地のことを一番わかっているのは総経理なのだから。

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