【上に政策あれば下に対策あり】 御し難きかなこの現実 さぁてどうする
街には訪日外国人の姿を見ることが多くなりました。日本経済には大きな影響をもたらすことになりますが、同時に一部にはいくつかの問題も引き起こされているようです。はてさてどうしたものか…
成功のヒント 中国ことわざ・格言
慌てず忙ず(不慌不忙)
- 中国語:不慌不忙 [ bù huāng bù máng ]
- 出典:襄阳会
- 意味:冷静で落ち着いている態度の形容。慌てもせず、騒ぎもせず。
堅きにして摧くことベからざる(堅不可摧)
- 中国語:坚不可摧 [ jiān bù kě cuī ]
- 出典:原诗(内篇上)
- 意味:堅固で壊すことが難しいこと。
木に縁りて魚を求む
- 中国語:缘木求鱼 [ yuán mù qiú yú ]
- 出典:孟子(梁惠王上)
- 意味:木に登って魚を捕らえようとすること。方法を誤ると目的が達成できないことの例え。
胡言乱語(こげんらんご)
- 中国語:胡言乱语 [ hú yán luàn yǔ ]
- 出典:五灯会元
- 意味:根拠のないでたらめ話。たわごと。
怜牙俐齒(れいがりし)
- 中国語:伶牙俐齿 [ líng yá lì chǐ ]
- 出典:吴昌龄(张天师)
- 意味:口達者であること。弁舌爽やかであること。
上に政策あれば、下に対策あり
- 中国語:上有政策下有对策 [ shàng yǒu zhèng cè, xià yǒu duì cè ]
- 意味:政府などが、いかに政策を施行しようとも、民衆はその法規制を免れる方法を考え出して、政策を骨抜きにする。現在は「決定事項について人々が抜け道を考え出す」という意味
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突然の法改正
中国現地会社を運営して順調に推移する日々が続いていたところ、ある日突然、関連法規が修正されたとのニュースが飛び込んできた。
会社にも少なからず影響が発生する。さて、どうしたものかと、内心穏やかではない。が、合弁パートナーをはじめ、周囲の幹部たちは「不慌不忙」、いつもと何も変わらない様子。
経営への影響や予測される事項など、日本本社への報告も急がれるのだが…
慌てることも無く
合弁パートナーに善後策を相談のところ、心配するな、何なりと策はある、「上に政策あれば、下に対策あり」というではないか、と平然としている。
しかし、日系企業としては傍観しているわけにはいかず、必要な対応を行うことに。
長い長い歴史の気配が今も残るこの社会。毎日の暮らし、仕事にも励むなかで生み出された蓋し名言であろうか。
日本国内でも
昨今、訪日中国人観光客の増加に伴って、日本国内でも…
日本に住んでいる中国人が、自家用車で中国人観光客を送迎する白タクが横行しているとの報道がありました。ツアーではなく、中国人の個人旅行者が、出発前にアプリを使って「白タク」登録車両を予約し、到着空港に出迎えてくれるという「サービス」です。
中国人の個人旅行者にとっては、慣れない日本で空港に出向かえてくれて、なお且つ運転手は中国人ですから言葉での不自由もありません。よって多くの支持を得ているのかもしれません。
日本では自家用車を使い有料で送迎するのは違法行為であることを指摘されると、「親戚を迎えに来た」「友達を迎えに来た」などと、「怜牙俐齒」の言い訳を連発。
中国では何年も前からライドシェアが普及していますから、日本でも当然…と思っていたのでしょうか。
悪徳○○
コロナ前には悪徳ガイドの問題もあったようです。当時は、有償でガイド業務を行う場合は通訳案内士という国家資格が必要であったにもかかわらず、無資格で中国人観光客にガイド業務を提供し収入を得ていた「闇ガイド」の存在。
恐らくは、いい加減な日本文化や歴史の説明をし、さらに、観光そっちのけで高級レストランでの食事や家電などのお土産を不当に高い値段で買わせ、そのマージンを得るなど、やりたい放題。
中国国内の悪徳ガイドと同じことを、日本を舞台にして自分達の同胞である中国人観光客に対して行っていることになります。
「白タク」問題にせよ、「闇ガイド」にせよ、「上に政策あれば、下に対策あり」の考え方が染みついている彼等への対応は「堅不可摧」、なかなかの難問である。
難関の国家資格
ところで、この通訳案内士試験ですが、2度挑戦し合格は叶いませんでした。
外国語の他、日本歴史や地理、一般常識などの科目があり、合格率が10%程度の難関です。率直な感想は、外国人観光客へのガイドに必要だとはとても思えない難問奇問が多数。
そんなことで篩にかけるよりも、通訳ガイドとして必要な資質や、順法精神、道徳観念などを高めることを習得する講習などを多用するようにした方がよいのではと考えます。
ま、これは2度の敗戦を喫した者の「胡言乱語」、戯言ということで流していただければと思います。
御し難いことへの対応
2030年訪日外国人旅行者数6,000万人を目指すとのことですから、今後もますます増加することが見込まれます。中には御し難い旅行者も増えることは必至。そこで、「木に縁りて魚を求む」といった対応誤りということにならないようよく考えなければなりません。
日本経済に大きな影響をもたらす期待も感じつつ、穏当なる発展を願うのみです。