何という【厚顔無恥】 電子城での衝撃の出来事や四方山の無駄話

大連・労働公園のハス池 冬とは違う(2015年9月)

 

「何それ」と耳を疑うようなことをある顧客から問いかけられた…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

厚顔無恥

  • 中国語:厚颜无耻   [ hòu yán wú chǐ ]
  • 出典:南朝·齐·孔稚珪(北山移文)
  • 意味:面の皮が厚く羞恥心がないこと。厚顔無恥。厚かましく恥知らずであること。

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上善は水の若(ごと)し

  • 中国語:上善若水   [ shàng shàn ruò shuǐ ]
  • 出典:老子
  • 意味:最も高い善は水のような生き方である。水は万物に恵みを施すが、万物と争うことがない。また人の嫌がる低いところに集まる(謙虚である)。また、器なりに形を変える柔軟性があり、更には大きなエネルギーを秘めている。

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千奇百怪

  • 中国語:千奇百怪   [ qiān qí bǎi guài ]
  • 出典:宋·释普济(五灯会元)
  • 意味:不思議であること。奇怪千万である。

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習いを以て常と為す(習以為常)

  • 中国語:习以为常   [ xí yǐ wéi cháng ]
  • 出典:逸周书(常训解)
  • 意味:慣れて当たり前になること。

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歴歴在目

  • 中国語:历历在目   [ lì lì zài mù ]
  • 出典:杜甫(历历)
  • 意味:はっきりと目に浮かぶこと。

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記事:何という【厚顔無恥】 電子城での衝撃の出来事や四方山の無駄話

耳を疑う問いかけ

 2000年に赴任して10年近く経ったある時、取引先の某日系企業から「君の会社ではパソコンのマウスも売っているのかい?」と問いかけられた。もちろん、そんな事実はないので即座に否定しました。

 それにしても「千奇百怪」なことなので、訝っていると、○○電子城に我が社のロゴが付いたマウスを売っているのを見かけたというのです。

 「電子城」というのは、電子部品やパソコン周辺機器等を専門に小売りするショッピングセンター。建物の中では、小規模商店がひしめきあっています。ケーブルやメモリーなど多数あって結構面白いのですが、まがい物も少なくないのです。

 

何とまあ

 そこで、件の電子城へ行ってみると、確かに我が社のロゴが入ったマウスが陳列ケースに並べられているではありませんか!

 ロゴマークはまったく同じ。外装には製造会社名の表示もあります。文字がちょっとだけ違うが発音はほぼ同じ。これ、どうみてもパクリじゃないか!

 ただ、他の一般的なマウスに比べると、二倍ほどの値段がつけられています。価格の高さにもびっくり。

 店番をしているおばさんに、なぜこんなに高いのか尋ねたところ、「この会社の製品は品質がいいので値段が高い」と。もう少しで吹き出すところでした。

 実はその当時は我が社の名前や商品は、大連地域でもそれなりに普及していて、タクシーの運転手も知っているほどになっていたのです。その日は、「品質の良い」マウスをひとつ購入し本社に送りました。

 本社サイドで調べると、すぐにその販売元の会社がわかりました。わが社のロゴを使うと高く売れるし、特に悪気はなかった…(?)とのことであったそうです。

 厚顔無恥」とはこのこと。すぐにやめると言うので穏便に済ませた、という出来事。(これ、実話です)

 知的財産の問題が、まさかこんな身近で発生するとは驚きでした。

 ロゴをめぐっては、我が社のユーザーの門前に掲示するロゴ入りステッカーを、デジカメで撮影して印刷し、自分の商店の入り口に勝手に貼り出していたということもありました。これは、ユーザーでもない事に気がついた社員が報告してきて判明したのです。

 

こんな物まで

 昔のことに、突然の停電の原因が、電柱と電柱の間を渡されていた電線が切断されていたということもあったそうです。電線の盗難です。

 また、工場で、出勤した社員が生産設備の電源を入れようとしたが電源が入らず、調べてみたら、大元のブレーカーが取り外され盗まれていたそうです。

 街中でもたまに、道路上にあるマンホールに歩行者が落ちた、といったニュースがあるようです。

 マンホールの品質が悪いのか、或いは施工が甘いのか、原因はわかりませんが、いずれにしてもそんなことに遭遇しないためには、マンホールの上は歩かない方がよいということのようです。

 そうしている間に「習以為常」、癖になってしまい、帰国後もマンホールの蓋を避けて歩く自分に気づき、思わず苦笑…

 

品質に不安

 地方では、マンホールの蓋が盗まれて無くなっていたりもすることも。当時の中国ではマンホールの蓋や電線の他にも果てはドアノブなど金属物がよく盗まれる事件がありました。

 聞いた話も含めて、駐在中に経験した「おもしろ事件」などは「歴歴在目」、脳裏に焼き付いて忘れることはありません。

 こんなこともありました。

 個人で使うトースターを買いに家電ショップへ。安い中国国産品に決め、係員にそれを告げました。係員が倉庫から新品を持ってくると、やおら箱を開けて、トースターを取り出し、コンセントにつないで動作確認。何でそこまで…

 聞けば、不良品の可能性があるので、その確認をしているとのことでした。日本メーカーのものにはそんなことはしないとも言っていました。

 

こんな生き方

 古来、「上善は水の」という生き方が理想的であると言われています。その言葉からは、まがい物を作ったりするような姑息な考えは微塵も感じられません。

 十年ひと昔、パクリや品質に問題のあるものを世に送り出すようなことは、さすがに無くなってきていることでありましょう。そう、信じたい。

 そして、水に学び理想の人生を心がけたいものです。ま、凡人の私には簡単ではなさそうですが…

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