【楽しみて以て憂いを忘る】 例え「下手の横好き」であっても楽しいアレ

 

駐在員の楽しみのひとつが週末のゴルフ。とは言え、そこには笑えるエピソードが溢れています。ほとんどは下手くそであることが原因ではあるが…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

楽しみて以て憂いを忘る(楽以忘憂)

  • 中国語:乐以忘忧   [ lè yǐ wàng yōu ]
  • 日本語表記:楽以忘憂
  • 出典:論語
  • 意味:(学問を)探究することを楽しんで心配事も忘れる、との意。学問に対する思いを示した言葉。楽しむことで心配事も忘れてしまう

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如意算盤

  • 中国語:如意算盘   [ rú yì suàn pán ]
  • 出典:·李宝嘉(官场现形记)
  • 意味:虫のいい思惑。手前勝手な思惑。捕らぬ狸の皮算用。

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不顧前後

  • 中国語:不顾前后   [ bù gù qián hòu ]
  • 出典:紅楼夢
  • 意味:前後を顧みず、少しもはばからないことの例え。向こう見ずであること。

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自らを知る之明(自知之明)

  • 中国語:自知之明   [ zì zhī zhī míng ]
  • 出典:道德经
  • 意味:身の程をわきまえる(聡明さ)こと。

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世を経(おさ)め民を済(すく)う

  • 中国語:经世济民   [ jīng shì jì mín ]
  • 出典:抱朴子(审举)
  • 意味:社会の繁栄をもって民がつつがなく暮らせるようにすること。世を治め民の苦しみを救う。「経済」の語源。

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3ホールでやめた訳

 「今日は零度で暖かいですねぇ」という挨拶が飛び交うほどの大連の寒さ。しかも、冬が長いため、数か所あるゴルフコースは当然のようにクローズ。オンシーズンでもせいぜい月一のラウンドですが、駐在ゴルファーにとってはつまらない冬場の大連。

 そんな中で真冬でもオープンしているゴルフ場が一箇所だけあります。その情報をキャッチし、物は試しとばかり、友人と二人で、元旦にラウンドしたことがあります。

 ダウンジャケットを着込み、頭にはニット帽、ポケットにはカイロを入れて万全の防寒体制で勇んで出発。

 そのコースは渤海湾を望む崖の上のコースです。海からの風の冷たいこと。ティーショットの時には、何と、備え付けの槌を使わないとティ―アップができません。

 ラウンド途中で海辺を見下ろすと、何と海が凍っているではありませんか。余りの冷たさに、3ホールが終わった時には手はかじかんで、頬は痛い。完全に戦意喪失し、あえなくそこでギブアップ。

 不顧前後」ということわざのように、何事によらず、向こう見ずでは、良い結果は期待できないということです。おお、寒っ!

 

胡瓜は何処へ

 ある日のラウンドでの出来事。

 パー3のショートホールで、やおらバッグから取り出したものは…

 実は日本で買ったカラーボール。一時帰国した折にロストボールを買いにゴルフショップへ行った際に、緑色のカラーボール1ダースを買ってしまったのです。店員さんの熱心なプロモーションに遭い、つい「自らを知る之明」を忘れてしまいました。

 いつものスコアを「百獣(110)の王」と揶揄されたほどですから、一個何百円もするカラーボールは使うのが惜しかったのですが、ショートホールならOBも無いだろうと、思い切ってティーアップしました。

 それを見ていた仲間からは、まるで胡瓜のような色だと笑う。それに負けずに、ここぞとばかりのティーショット!

 しかし、「胡瓜」の行方に心の中で悲鳴が。あろうことか、ボールはグリーンの右側の崖の中に吸い込まれてしまいました。仲間は「胡瓜は何処へ行った?」とまたもや大笑い。出てくるわけの無いボールの行く手を眺め、「胡瓜に聞いてくれぇ!」と。

 

所詮こんなもの

 豪快な打ち下ろしのパー5のロングホール。テーショットに続いて、何と第2打も会心の当たりで2オンに成功。ゴルフ人生初のイーグルチャンスだ!

 小躍りしながらグリーンへ。ロングパットにはなるがうまく入ればイーグル、悪くても2パットでバーディが取れそうだと「如意算盤」。

 イーグルパットはびびって大幅なショート。気を取り直してバーディパット。しかし今度はオーバー。返しのパーパットも外れ、結局4パットでボギー。

 ついさっきまではイーグルの可能性に喜び勇んでいたのに、溜め息の出る結末。

 

ちょっと複雑な心

 大連市内から約1時間、そこには黄海に面した絶景のコースが。

 崖から打つ海越えのショートホールはなかなかのもの。テーイングエリヤに立つと右手には砂浜が広がり、そこでは地元の漁師さんが何やら作業をしているのが見えます。

 ワンオンを狙って思いっ切りスイング。ところがボールはスライスがかかり、砂浜をめがけて飛んで行った。「看球!(ファーの意)」とキャディさんが大声。OBです。

 実は、そのゴルフ場に続く道端で地元の人たちがロストボールを売っています。砂浜に打ち込みOBとなったボールを拾い集め売っているのです。その中に自分のボールも含まれていると思うと少々複雑な気持ちが。

 しかし、ここではこれも「経世済民」のひとつ。まあ、良しとしよう。

 

明日への活力

 中国で仕事をするということは、日々のストレスや仕事上の問題等様々な「憂い」との戦いでもあります。「楽以忘憂」、そんな日頃の憂いを忘れさせてくれるのがゴルフ。下手の横好きであっても、それなりに没頭できるのです。駐在員仲間とのラウンドは、後々も笑えることが満載です。何より、明日への活力が湧いて来るのです。

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