【俎上之肉】 入院25日間 剃毛2回  人生に無駄なものは何も無い

大連にも雪が降る(2012年12月オフィスの窓越し)

 

人生の途上では何が起きるかわからない。人生で初めての入院、手術を中国で行う羽目になった。しかし…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

一日千里

  • 中国語:一日千里   [ yī rì qiān lǐ ]
  • 出典:庄子(秋水)
  • 意味:馬が速く駆け抜けること。転じて、進歩、発展が速いことの例え。

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翹首以待(ぎょうしゅいたい)

  • 中国語:翘首以待   [ qiáo shǒu yǐ dài ]
  • 出典:王朔(无人喝彩)
  • 意味:首を長くして待つこと。鶴首して待つ。待ち望むこと。

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糊里糊塗

  • 中国語:糊里糊涂   [ hú lǐ hú tú ]
  • 出典:二十年目睹之怪现状
  • 意味:ぼんやりしていること。

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俎上之肉

  • 中国語:俎上之肉   [ zǔ shàng zhī ròu ]
  • 出典:史记(项羽本纪)
  • 意味:「俎」はまな板のこと。まな板の上にのせられ、料理されるのを待つ肉のこと。相手に全てを握られていて、身動きすら出来ない状態や状況のこと。「俎上之魚」とも。

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無地自容

  • 中国語:无地自容   [ wú dì zì róng ]
  • 出典:三国志(魏志・管宁传)
  • 意味:恥ずかしくて身の置き所が無いこと。いたたまれない、穴があったら入りたい。

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無用之用

  • 中国語:无用之用   [ wú yòng zhī yòng ]
  • 出典:庄子(人间世)
  • 意味:使い道がない(と思われた)ことが、実は最大の役割を持っている、との意。

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記事:【俎上之肉】 入院25日間 剃毛2回  人生に無駄なものは何も無い

快調に走っていたのだが

 中国の現地会社の総経理(社長)として大連市に駐在。懸命な努力により業績は快調に推移。その真っ最中、まったく思いもしなかった「心绞痛(日本では狭心症)」を発病、現地の病院に緊急入院することになった。

 そして、ステント治療のための手術を翌日に控え、看護師さんの行き来が慌ただしくなってきました。

 そこで、「無地自容」の初体験をすることに。足の付け根からカテーテルを挿入するため、局部の剃毛を若い無表情の看護師さんがやってくれたのですが、これが心底から恥ずかしかった!

 

続く点滴

 準備が整ったころ、主治医が病室を訪れ、「実はカテーテルの機械が故障していることがわかった。部品を緊急輸入するので、手術は一週間待ってください」とのこと。

 「そんなこと言われたって、僕はもう毛が無いのに…」

 近くにいた、看護師や医療サポート会社の社員達に思いっきり笑われてしまいました。こんな時にも笑いを取ろうとする関西人。緊張感が一気にほぐれたのです。

 実はそこに至るまでの経過は、簡単ではなかったのです。

 入院したのは一週間ほど前のこと。担当の主治医が海外の学会に出張中だったので、帰国を待つことに。本来ならば1週間程度で手術を終え退院できるそうですが、主治医が不在ではどうしようもありません。

 翹首以待」の思いで、毎日淡々と続く点滴。心臓への負担を和らげるため点滴の落ちるスピードが遅いのだそうで、長いときは8時間ほどかかったときもありました。

 

準備完了

 漸く主治医が帰国し、いよいよ明日手術というときに機械の故障の為、またもやその日を待つことに。

 点滴の毎日が再開され、窓越しに空を流れている雲を眺めていると、果たしてここから出られるのだろうか、などと気が滅入ってきます。

 しかし、我が身は「俎上」。自身では如何ともしがたく、身を委ねる以外に方途はありません。

 1週間後、再び主治医が病室に来て、「部品の交換が終わり故障は直った。明日手術します」と。

 そして主治医は続けて「でも貴方は3番目です」と。順番待ちの患者がいるのだと思いましたがそうではなく、「前の二人の手術がうまくいけば、機械に異常はないということがわかる。ですから安心してください」と。

 それ、ユーモア? 苦笑いする間もなく、またもや看護師による剃毛。ようやく準備完了です。

 

すべてが終わった

 当日は、何と主治医と話をしながらの手術を行いました。日本に2年間留学していたとのことで、流暢な日本語を話しました。人生初の手術でしたが、おかげでずいぶん緊張をほぐしていただきました。手術自体は40分ほどで順調に終了し病室に戻りました。

 その日の夜は止血のため動けす、眠れませんでした。翌朝、止血帯が外され、遂にすべてが終わりました。その後、少しの養生のあと退院の日を迎え、久々に吸った外の空気が何とも清々しいかったこと。きっと生涯忘れられないでありましょう。

 後日、一時帰国した折に、持ち帰った手術を記録したデーターを日本の医師に見せたところ、「すばらしい。医療設備も最先端のものだ」と、「糊里糊塗」では中国に追い越されそうだとの評価でした。

 

無駄なものは無い

 物事は思うように、スムーズな展開はあまり無いのが常かもしれません。人生初の入院手術も、通常は1週間程度の入院で済むところを、結局23日も要してしまいました。

 しかし、入院中に有り余る時間を手にすることができ、それまでの中国での自分の仕事を振り返り、今後どうしていこうかと考えるには恰好の期間となりました。

 退院し、仕事に復帰してからは、「一日千里」の如き事業展開となったのですから、病気に感謝しなければなりません。

 人生には様々な出来事が起きるでしょうが、それが、懸命の努力を続ける中で起きたものであれば、そこには無駄なものはひとつもない。すべては「無用之用」である、と心得たい。

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