三国志・曹操【老驥櫪に伏す】と 年を取っても変わらぬ志を持ちたい

大連人民広場前の人民路(2019年5月)

 

人は生身。突然の病に襲われ、苦闘することもある。それらを切り抜けても、間違いなく老いはやって来る。しかし、状況がどうあれ、忘れずに持ち続けたいものは…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

驚恐万状

  • 中国語:惊恐万状   [ jīng kǒng wàn zhuàng ]
  • 出典:谢杨解元启
  • 意味:恐れや怖さが最高点に達することの形容。

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好死は悪活に如かず

  • 中国語:好死不如恶活   [ hǎo sǐ bù rú è huó ]
  • 出典:西遊記
  • 意味:潔く死ぬよりもぶざまでも生きた方が優る。せっかくの人生、死に急ぐことはない。生きること自体に意味がある。

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人生は金石に非ず

  • 中国語:人生非金石   [ rén shēng fēi jīn shí ]
  • 出典:後漢・無名氏詩(古诗十九首之十一:回车驾言迈)
  • 原文:人生非金石,岂能长寿考(人生は金石に非ず、豈能く長く寿考ならんや)
  • 意味:人生は金石のように不朽のものではない。どうして永遠の寿命を保つことができようか。時のすぎるのは速く、志を果たすのは難しい。

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天を楽しみ命を知る、故に憂えず

  • 中国語:乐天知命,故不忧   [ lè tiān zhī mìng, gù bù yōu ]
  • 出典:·易経(系辞上)
  • 意味:天命を理解し自然の理に任せたら憂うることは何もない。じたばたすることはないのだ。

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老驥櫪(れき)に伏す

  • 中国語:老骥伏枥   [ lǎo jì fú lì ]
  • 出典:三国・魏・曹操(步出夏门行·龟虽寿)
  • 原文:老骥伏枥,志在千里。(老驥櫪に伏すも、志は千里に在り)
  • 意味:年老いた名馬は、馬小屋で横たわっていても、壮年の時と同じように千里を駆ける気力に満ちている。人が年老いても、勇ましく壮んな志を持っていることの例え。

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人は生身

 人生は金石に非ず」とはいうが、赴任中の中国で我が人生は終わってしまうかもしれない。弱気が表に出て、たまらない寂しさが込み上げてきます。

 大連の地にも慣れ、業績も右肩上がりが続き充実した日々を送っている真っ最中、突然の心臓発作で緊急入院。ベッドサイドに置かれた機械と身体がケーブルで繋がれ、酸素吸入までも行われ、生きるか死ぬかの様相です。

 CTやMRIなどの検査を経て、診断は狭心症とのことでした。心臓に繋がる冠動脈の1か所が7割ほど狭窄し、そこで血流が悪くなっていたのでした。原因は喫煙とストレスだと。

 1日中続く点滴。液がゆっくりと落ちるのを気にしながら、ベッドから窓越しに流れ行く空の雲を眺めつつ、生きて出られるのだろうか。そんなことをぼんやりと考える日々。気丈に振舞っていた毎日だったのに…

 

予後の不安

 多分に思い上がりであろうが、実は入院前は自分が総経理(社長)として、会社を牽引しているという強い思いで、猛烈に仕事をしていました。それが今度は周りの流れに任せる入院生活。言われるがままにカテーテルによるステント治療を受けました。

 曲折はあったものの無事に退院。しかし、治っているはずなのにどうも胸のあたりがすっきりしません。例えばコトリとしたちょっとした刺激が、小心者であるせいか、大きく響くような不安を感じ、退院3日後には再び入院。既に顔見知りとなっていた看護師さんからは「回来了!(お帰り!)」と冷やかされる始末。

 そこで特別に国宝級と称される高名の医師に診察を受け、「病気は自身で治すもの。自信を持て」と、喝を入れるが如き激励をされ再度退院。

 その後も、飛行機に乗ると気圧の変化が心臓に影響を与えはしないかと気がかりで、「天を楽しみ命を知る、故に憂えず」といった、達観した気分になることはできませんでした。結局、そういった不安を克服するのにたっぷりと一年かかりました。

 

判明した不調の原因

 仕事に復帰してから約8年間にわたり周囲の協力を支えに、会社業績を大きく伸ばし完全燃焼。そして本帰国したのですが、その間、心電図の定期検査でずっと異常が続いていました。

 そこで、本帰国後に医師の進めもあって、原因を特定するため検査入院。カテーテルによる心筋の生検の結果、何と特発性拡張型心筋症との確定診断が出たのです。

 原因は不明、治療法もない難病とのことでした。まさに「驚恐万状」、絶望的な宣告を受けたのです。結局、医師と相談し今ある心臓をできるだけ長持ちするように大事に使おうとのことで、何種類もの薬を飲み始めることになりました。

 そして、65歳で完全にリタイヤ。しかし、その2年後、心臓の不調により約2週間入院。再び悶々とした中で、入退院の繰り返しになるのではという不安にも苛まれました。検査を行い、薬の調整の後、退院。

 家に帰ると、我が人生の師から「健康を祈っております。見守っております。断じて勝利を!希望と栄光の人生のために」とのお見舞いと励ましの便りをいただきました。思ってもいなかった温かい言葉に、涙があふれ止まりませんでした。

 

人世はまだまだこれから

 そのころから、朝、目が覚めたこと自体が喜びとして感じるようになりました。あと何年活きられるのかはわかりませんが、精一杯生きてみようと。「好死は悪活に如かず」、この歳で今更カッコよさを求める必要はない。

 そう考えると人生をリスタートしたような清々しい気分になりました。

 それに、自分一人の力で生きているわけではなく、周囲の支えがあって生きている。人は決して一人ぼっちではないのです。そこには「自他共に」の精神が厳然としてあります。

 年はとっても「老驥櫪(れき)に」、人世まだまだこれからとの気力を持つべきです。せっかく与えられたこの人生、ならば悔いなく、生涯青年の気概で常に挑戦していきたいと思います。千里先を見据えての挑戦はまだまだ続きます。

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