【小人閑居して不善を為す】 国慶節や春節の長期休暇に潜む罠 さて…
中国で年に二回ある七日間の長期休暇。束の間とはいえ、日頃のストレスから解放される。サラリーマンとしてのこの楽しみ。だが…
成功のヒント 中国ことわざ・格言
風起きて 雲涌く
- 中国語:风起云涌 [ fēng qǐ yún yǒng ]
- 出典:苏轼(后赤壁赋)
- 意味:大風が吹いて黒雲が湧き起こるさま。すさまじい勢いで次々と出現することの例え。
小人閑居して不善を為す
- 中国語:小人闲居,为不善 [ xiǎo rén xián jū, wéi bù shàn ]
- 出典:春秋·曾子(大学・第七章)
- 意味:凡人は何もしないでごろごろしていると、よくないことをしがちである、との意。
名を聞くは面(おもて)を見るには如かず
- 中国語:闻名不如见面 [ wén míng bù rú jiàn miàn ]
- 出典:北史(列女传)
- 意味:人づてに評判を聞くよりも、直接対面した方が正確な判断ができる。
日月は梭(さ)の如し
- 中国語:日月如梭 [ rì yuè rú suō ]
- 出典:侯鲭录
- 意味:歳月はめまぐるしく過ぎる、月日が経つのが速いことの例え。光陰矢の如し。「梭」とは機織りの横糸を通す道具のこと。
記事:【小人閑居して不善を為す】 国慶節や春節の長期休暇に潜む罠 さて…
中国の溢れる自信
「風起きて雲涌く」の如き勢いを感じた。天安門広場の地下鉄出口から、地上に涌きだすような途切れることの無い人の波を目の当たりにして、度肝を抜かれ立ち尽くしたのです。それは、中国建国50周年を迎えた国慶節の天安門広場の様子で、多くの人でごった返していました。
1949年10月1日、北京の天安門前広場に集った約 30万の人民を前に、毛沢東主席が「中華人民共和国中央人民政府は本日ここに成立した」と建国を宣言しました。
それから50年後の様子は、勢いが漲る中国と中国人民の溢れる自信を象徴しているようにも見えました。
そして今では、国慶節は七日間の黄金週間として人々の楽しみとなっています。中国に駐在している日本人にとっても同様であることは勿論です。
年に二回の楽しみ
国慶節と同様に春節休暇も七連休です。爆竹や花火で祝う中国の旧正月の雰囲気は、駐在員ならずとも是非一度は味わいたいところです。
これら年に二回の大型連休。前後の若干の振り替え出勤の調整があったとしても、サラリーマンにとって七連休は魅力的。中国人社員達は故郷に帰ったり、家族で過ごしたりとそれぞれ楽しんでいます。日本人駐在員も、家族や友人たちと中国国内旅行を楽しむもよし、一時帰国するもよし。
「日月は梭の如し」、中国で駐在していると特に月日が経つのは速く感じられます。
これまで中国ビジネスにどっぷりつかって来たけれど、よく考えたら人生はそんなにも長くはない。駐在期間中の奮闘に、このあたりで自分にご褒美を、と考え、大型連休を利用して、常夏のハワイへ家族旅行でリフレッシュは如何でしょうか。寒い冬の季節、春節休暇にはもってこいです。
異なる空気感
日本から7時間余りの空の旅。ホノルルに降り立つとそこは、まったく異なる空気に思えます。ホテルのベランダに出るとザーという波の音が一日中聞こえて来ます。
もちろんここで生活するには家賃や物価の高さなどの課題はあるようですが、ワイキキなど街を歩いても、ストレスフリーで何とも言えない優しさを感じるこの空気感。ここではきっと長生きできるに違いない。よく芸能人などが毎年のようにハワイに来るわけがわかるような気がします。
ハワイのガイドブックやネットなどで予備知識は得られますが、「名を聞くは面(おもて)を見るには如かず」といわれるとおり、実際に現地に来てみると、他とは比べることのできない多くのすばらしいところを知ることができます。
もちろん日頃の仕事も同じで、何事も自分自身の目や肌で感じることの大切さを思い知らされました。
危うい凡人
そんなこんなで、一時の安らぎを味わえる国慶節や春節の大型連休。単身者にとってはどんなものでしょうか。
如何に好きなゴルフとはいえ三日も連続でプレーすればさすがに飽きてくる。気がつけば日本人の友人達はみんなどこへ行ったのか、自分の周囲には誰もいなくなって、いつの間にかひとりぼっち。
凡人は、何もしないでごろごろしていると、「小人閑居して不善を為す」、よくないことをしがちである、と警鐘を鳴らしています。
そう、七連休にはとんでもない落とし穴が仕掛けられているのです。
凡人が犯しそうな「不善」とはどんなものか、おおよその察しはつきそうですが、その罠に落っこちてしまっては取り返しがつきません。駐在諸兄は大丈夫でしょうか?
我らサラリーマンは、マグロのように決して止まることなく、泳ぎ続けることの方が似合っているのかもしれません。