中国で突然の体調不良 【好死は頼活に如かず】 命をつなぐ行動を

ハワイ・カメハメハ大王像(2014年6月)
中国で懸命の仕事。業績は順調に推移。更にこれから、というときに、思いもかけなず体調不良に見舞われた。
成功のヒント 中国ことわざ・格言
危うきこと朝露の若し
- 中国語:危若朝露 [ wēi ruò zhāo lù ]
- 出典:史記(商君列传)
- 意味:一刻の猶予もできない危険な状態にあること。
一波三折
- 中国語:一波三折 [ yī bō sān zhé ]
- 出典:晋·王羲之(题卫夫人笔阵图)
- 意味:文章の組み立てが複雑で文章に曲折・起伏があること。転じて次々に問題が起き、幾多の曲折を経ること。紆余曲折。
好死は頼活に如かず
- 中国語:好死不如赖活 [ hǎo sǐ bù rú lài huó ]
- 出典:李庚辰(杂感点滴)
- 意味:立派に死ぬよりみじめでも生きていた方がよい。「頼活」は、目先の安逸を貪ること。死んで花実が咲くものか。命あっての物種。
杯中の蛇影
- 中国語:杯中蛇影 [ bēi zhōng shé yǐng ]
- 出典:幼学琼林(鸟兽)
- 意味:びくびくとして神経質になり、疑う気持ちが強くなる例え。疑心暗鬼。
- 故事:自分の杯の酒に蛇の形をした影が映っているのを見て、蛇を飲んでしまったと思い込んでびくびくとし、病気になってしまった。後にその影は蛇ではなく壁にかけていた弓が映っていただけであったと知ると、すぐに病気が治ったという故事。
不祥の兆
- 中国語:不祥之兆 [ bù xiáng zhī zhào ]
- 出典:戦国策(秦策一)
- 意味:不吉な予兆のこと。
記事:中国で突然の体調不良 【好死は頼活に如かず】 命をつなぐ行動を
突如襲ってきた病
その日も小さな会食のホストとして、アルコール度数52度の白酒を飲むことになりそうだと、少々重い気持ちを支えながら、車でゲストが待つレストランに向かっていました。
ところが到着する直前に、胸のあたりに込み上げるような途轍もない違和感。何これ?
「危うきこと朝露の若し」、訳がわからないが、ただならぬ事態であることは間違いない。会場に着くや、ゲストと握手を交わし事情を説明、対応を会社の合弁パートナーに託して、踵を返して大連市内の病院へ直行し、そのまま緊急入院することになりました。
よりによって
実はその二週間ほど前、一時帰国休暇から戻り職場に復帰したあと、胃のあたりにむかむかする不快感があり、病院で診察を受けたところ、胃薬を処方されそれを飲んでいました。どうもそのむかつきは、後から思えば「不祥の兆」、大事件発生の予兆であったのです。
身体はいたって丈夫で、中国に来てからも下痢ひとつもしたことが無かったのに、よりによってあの中国で、生まれて初めての入院を経験することにになろうとは…
不安な一夜
病名は冠心病(冠状動脈性心疾患)、日本では狭心症。
入院初日は、病院の指示によってニトロを口に含み、血液の凝固を防ぐ注射をお腹に打たれ、そして血管を拡張する点滴と立て続けの治療です。
ベッドの横には、何やらたいそうな機械が置かれ、それから伸びたケーブルと体が繋がれ、表示される血圧や脈拍数を見ながら、本当に心細い一夜を過ごしました。
初めての経験、全く知識のない突然の病、正に「杯中蛇影」。この先どうなるのか予測がつかず、あれこれいろいろなことが頭をよぎり、びくびくしながら眠れない一夜であったことは忘れられません。
常に備える
思い返せば、2000年4月に大連に着任し4年余りが経過したしたころに、その病に襲われたのですが、SARS(重症急性呼吸器症候群)騒動も何とか乗り越え、日常的に壁にぶつかりながらも少しずつ業績も上向いてきました。そして何より2004年6月には瀋陽市で業務展開がスタートすることができました。
会社運営は概ね順調で、いろいろなものが形作られてきたように感じていました。さあ、更に会社を大きくするのはいよいよこれから、と思った矢先だったのです。
物事が進行する中で、「一波三折」と幾多の出来事を経ることは避けられません。それは、いわば当たり前のことなのです。ましてや、人間は生身ですからいつ何時、急な病が起きるかもしれません。
元気な時にこそ、そんな“事件”に備えて対策を講じておくべきです。常に備えることは成功を勝ち取ることに間違いなくつながります
命最優先
順調に進展していた会社運営と事業拡大から少しばかり離脱し、ちょっと一服することになりました。しかし、已む無く中国現地病院に入院治療することを余儀なくされましたが、結果的には大正解でした。
常に備えておくことと合わせて、命か仕事の二択を求められる事態に直面した時には、躊躇せず命を取るべきであるということを忘れてはなりません。
「好死は頼活に如かず」とあるように、格好悪くたって迷わず選ぶべきは命。命あっての物種であり、命さえつなげば、後は何とかなる。
突然の発病に際して過度の我慢は禁物。一刻も早く、迷わずに現地の病院へ行き治療を受けることが、成功を勝ち取るひとつの要点であるのではないでしょうか。