【習慣 自然と成る】 毎朝のナマコ食は医食同源 変われば変わるものだ

大連名物・ 鲍汁海参(2017年11月)

 

何だこれ、と言いたくなる料理が中国には少なくありません。初めて見た時には驚くのですが、いつか、それが当たり前に…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

奇形怪状

  • 中国語:奇形怪状   [ qí xíng guài zhuàng ]
  • 出典:晋書(温峤传)
  • 意味:奇怪な形状をしていること。

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亙(こう)古通今

  • 中国語:亘古通今   [ gèn gǔ tōng jīn ]
  • 出典:鲍照(河清颂)
  • 意味:古代の昔から今に至るまで、との意。

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習慣 自然と成る

  • 中国語:习惯成自然   [ xí guàn chéng zì rán ]
  • 出典:漢書(贾谊传)
  • 意味:物事が規則正しくなされたならば習慣化される。慣れると当たり前のことになる。

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忘形(ぼうけい)の交わり

  • 中国語:忘形交   [ wàng xíng jiāo ]
  • 出典:新唐書(孟郊传)
  • 意味:地位や風采などの外形的にはとらわれず、心と心に隔たりのない、極めて親しく親密な交わりのこと。

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※ 薬食同源

  • 中国語:药食同源   [ yào shí tóng yuan ]
  • 意味:薬と食物は起源が同じ(唐朝时期の“黄帝内经太素”)で、双方の間には明確な境界線はない。日本で言われている「医食同源」の語源。

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何だこれ

 「What is this?」 大連のとある中華料理レストラン。ちょっとした宴席で丸テーブルに同席した欧米人が隣に座った通訳に尋ねたのです。料理が運ばれてくるごとに「これは何だ?」と質問を連発。皮蛋(ピータン)やナマコ(海鼠)など、きっと初めて見る料理だったのでしょうね。

 恐らくは、ナマコは「奇形怪状」と彼の眼には映ったことでしょう。人類で最初にナマコを食べた人の勇気を称えられるほどの代物。その驚きは十分理解できます。

 1998年、初めての大連出張時の会食に、ナマコが出され、ギョッとしたことがありました。

 日本ではナマコは薄切りにして酢の物として生で食べることが多いですが、中国での食べ方は全く違っていました。お皿に結構大きなナマコが、そのまんまの形で、餡かけ状態で出されたのです。言わばナマコの姿煮。

 ナマコは中国・大連でも高級食材ですが、あまりにもグロテスクで、結局その時はもったいないことに、食べることができませんでした。

 

ナマコを食す

 その後、2000年に大連に赴任。さすが、大連の特産品のナマコは、会食時にはしょっちゅう出てきます。そうすると食べないわけにはいきませんので、徐々に慣れていきました。

 また、2004年に突然、狭心症を発病し入院。ステント治療後、仕事に復帰した際に、合弁のパートナーでもあり信頼のおける中国の友人が言うには、ナマコは免疫力を高める作用があるから、毎日、1個でいいから続けて食べると健康に良いと。

 聞けば、大連の老百姓(一般市民)は冬の間、毎日ナマコを食べる習慣があるそうです。

 忘形の交わり」の友のアドバイスを聞き入れ、思い切ってナマコを食べ始めました。

 地元スーパーで乾燥ナマコを買ってきて、一晩かけて水で戻し、お湯で温めてからそのまま食べる、という感じです。しかし、それでは味も何もないので、少し蜂蜜を垂らして食べるようにしました。

 これを続けると、心なしか元気になったような気がするからナマコの効用は馬鹿にならないということでしょうか。おかげでそれ以降、冬でも風邪もひかず仕事に専念することができました。

 

海の人参

 ナマコは英語では「Sea cucumber」。「海のきゅうり」というそうです。形が似ているからでしょうか。日本では「海鼠」、海のネズミ。中国では「海参」と呼ばれています。海の人参。人参と言っても日本でいうニンジンではなく滋養強壮などの多くの効能があると言われている朝鮮人参のこと。つまり、「海の朝鮮人参」。

 中国には「薬食同源」という古い言葉があるように、ナマコには新陳代謝を促進、肌・皮膚を若々しく保つ効能があり、それらは朝鮮人参にも匹敵するゆえに「海の人参」と言われていると中国古代の医学書に書かれているそうです。

 大連から少し北に行ったところにナマコの養殖場が多数あります。曰く、ナマコの養殖ノウハウは大連にしかなく、実は相当儲かっているそうな。

 

朝のルーティン

 物は試しと始めた「ナマコ食」。十年近く、毎朝続けると「習慣 自然と成る」、当たり前になりました。

 ナマコともうひとつ勧められたのが「生ローヤルゼリー」。大連地場の会社が製造販売している、アカシアの花から採れた生ローヤルゼリーを毎日食べるようになりました。

 これが結構臭いが気になるので、少量のぬるま湯にスプーン1杯の生ローヤルゼリーと蜂蜜を混ぜて食べます。

 こうして、「薬食同源」の思想は「亙古通今」と、何千年もの時を経て今も息づいているのです。現代の中国社会は大気汚染などの環境問題も大きくなり、むしろ以前よりも体の健康を考え、実行することが増えているのかもしれません。また、自分の健康管理もこれでやってみるのも悪くないのでは。合わせてアドバイスをくれた「忘形の交わり」の友にも感謝です。

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