【輔車相依る】互いに助け合い補い合う間柄であるはずなのに現実は…

音楽に合わせて吹き上がる水(2015年9月大連・東港音楽噴泉広場)

 

「輔車 相依る」と、互いに助け合い補い合う間柄であるはずの隣国同士。本来密接な関係で張るはずなのに、実際はそうでもありません。では、その中で、事業を発展させるにはどう考えるべきなのでしょうか。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

風雲変幻

  • 中国語:风云变幻   [ fēng yún biàn huàn ]
  • 出典:入彭城馆
  • 意味:風雲のように変化が不定である。時局の変化が素早いことの例え。

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不動声色

  • 中国語:不动声色   [ bù dòng shēng sè ]
  • 出典:宋・欧阳修(相州昼锦堂记)
  • 意味:感情を声や顔色に表わさないこと。冷静沈着であること。

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輔車 相(あい)依る

  • 中国語:辅车相依   [ fǔ chē xiāng yī ]
  • 出典:左傳(僖公五年)
  • 意味:「辅(輔)」は頬骨、「车(車)」は歯茎のこと。互いに助け合い補い合う間柄であることの例え。関係が非常に密接であること。

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身に蔵するところ恕ならずして能くこれを人に喻す者は、未だ之有らざるなり

  • 中国語:所藏乎身不恕,而能喻诸人者,未之有也   [ suǒ cáng hū shēn bù shù, ér néng yù zhū rén zhě, wèi zhī yǒu yě ]
  • 出典:大学
  • 意味:「恕」は寛容、慈しみ。自分自身に相手を思いやる心を持たないのに、部下を導くことが出来た者は未だかつていない。自分に「恕」が欠けている者は、部下をうまく動かすことは出来ない、との意。

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記事:【輔車相依る】互いに助け合い補い合う間柄であるはずなのに現実は…

融氷の旅

 2007年4月、温家宝総理(当時)は、中国の総理としては7年ぶりに日本を訪問しました。そしてこの時の訪日を「融氷の旅」と喩えました。というのも、当時の日中間の関係が険悪で、冷え切った状態を氷に喩え、それを融解するための旅としたとのことです。それを機に両国の関係がぐっと改善されました。

 しかし、そのわずか5年後の2012年には全国的に反日デモが行われ、日中関係は最悪の状態に陥りました。良好な関係であったものが、ひとつの出来事がきっかけで「風雲変幻」、状況は一変しました。それまでの友好関係が突然破綻してしまったのです。

 

ギクシャクする現実

 本来であれば隣国同士は「輔車 相依る」ということわざのように、互いに助け合い補い合う間柄であり、関係が非常に密接であるはずです。しかし、様々な要素、思惑、国内事情等々によって安定しないのが現実です。1972年9月に日本と中国の国交が正常化して以来も、改善、悪化を繰り返しているのが日中関係ではないでしょうか。

 しかし、現地で会社を動かしている立場では、悪化の度に溜息をついてばかりいられないのです。

 現地で仕事をしている駐在員にとって、国家間のギクシャクは、仕事がやりにくくなるのはもちろんです。が、「改善と悪化」が繰り返されることを前提として、自らの事業に与える影響を最小限度に止めるための方策を日頃から対策しておかなければなりません。

 同時に、国と国の関係を超えるのが、人と人との強い結びつき。個人レベルの関係を強くしておけば、国同士の関係が良くても悪くても、その影響を減じることができるはず。

 

自若として

 「輔車 相依る」との精神で合弁事業を運営する現地の総経理(社長)にとっても、国と国の関係が冷え切っているからと言っても、そのことが事業の業績に大きな影響を与えたのでは、たまったものではありません。

 まして、関係悪化を前にして溜息をついたり浮足立っては、社員達の動揺を招きかねません。「不動声色」と自若を貫けば良いのです。社員達と共に続けるいつも通りの努力は、いずれ両国間の関係が好転した時に一気に花が咲くというもの。

 そのためにも、関係が良い時にこそ、いずれ悪化する時が来るであろうとの思いで、各方面への人脈を築くことが不可欠です。そして、それは総経理にしかできないの仕事なのです。しかしながら、任期が二年や三年で帰国するのが慣例の企業では、無理かもしれませんが。

 

思いやる心

 両国間が冷え切った状態であっても、精一杯の仕事をして業績を確保するための最大限の努力をしてくれている社員達がいてくれている。その社員にどう対応するのか

 中国の四書のひとつである「大学」には、「身に蔵するところ恕ならずしてよくこれを人にす者は、いまだこれ有らざるなり」とあります。リーダーたる者は「恕」、つまり思いやる心が欠けていたのでは、部下をうまく動かすことは出来ない、と読み取れます。

 もちろん、日頃は厳格な管理を行い、時には辛辣なことも言わねばなりませんが、その根底には「恕」が必要であり、特に社員の身に大事が起きた際には、寄り添うことのできるリーダーになりたいものです。

 それには、リーダーとして相手のことを考えることができる鋭敏さが不可欠です。鈍感では成就できません。社員に寄り添う心を持ち、会社としては両国の関係の良し悪しとは関係なく、安心して事業展開できるような環境づくりを心掛けたいものです。

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