【敢えて天下の先とならず】 この横並び感をどう突破するのか

大連・中山広場の歴史的建造物(2016年10月)

 

「敢えて天下の先とならず」とは、世の中を生き抜くのに必要三点の内のひとつ。先頭に立つと周囲からは妬まれたりして敵が増える。よって中くらいの位置でいるのがよいと。しかし、そのような横並びであれば、会社業績の向上は期待できないのだが…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

敢えて天下の先とならず

  • 中国語:不敢为天下先   [ bù gǎn wéi tiān xià xiān ]
  • 出典:老子(道德经・第六十七章)
  • 原文:一曰慈,二曰俭,三曰不敢为天下先 (「慈」=人を慈しむこと。「倹」=控えめであること。「先頭に立たない」こと。老子が説いた、世の中を生き抜くのに必要な三点)
  • 意味:先頭に立てば、そこから落ちることを恐れ、むしろそれを守ろうとして無理をしがちになる。それに、先頭に立つと周囲からは妬まれたりして敵が増える。一方、下の方にいては、ダメ人間の烙印が押される。よって、中くらいの位置でいるのが、余裕があり安定して生きていくことができる。

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大有作為

  • 中国語:大有作为   [ dà yǒu zuò wéi ]
  • 出典:孟子(公孙丑下)
  • 意味:持てる力を発揮し、大きな成果を出すこと。大いに活動する余地がある。

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止まるを知れば殆うからず

  • 中国語:知止不殆   [ zhī zhǐ bù dài ]
  • 出典:老子(第44章)
  • 原文:知足不辱,知止不殆,可以长久(足るるを知れば辱められず、止まるを知れば殆うからず、これを以て長久が得られる)
  • 意味:他人のことを顧みず、我を通す生き方は周囲からの支持は得られない。いずれ反感を買うことになる。周囲との折り合いをつけながら進めていけば危ない目に逢うこともない。

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人一たびして之を能くすれば、己之を百たびす

  • 中国語:人一己百   [ rén yī jǐ bǎi ]
  • 出典:礼记(中庸)
  • 原文:人一能之,己百之
  • 意味:人が一度でできる時は、自分は100回努力する。百倍の努力をすればよい。そうすれば、どんなに愚者であっても賢人になれる。どんなに弱者であっても強者になれる。あきらめず挑戦を続けると必ずやり遂げることができるとの励ましの言葉。

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記事:【敢えて天下の先とならず】 この横並び感をどう突破するのか

その考えにイラっ

 中国の現法に、少々イラっとする営業を担当する社員が。それは、例えば「100」の能力があるのにもかかわらず、わざと「60」だけしか発揮しない社員。

 周りの同僚たちの状況を見ながら、「60」に届いた段階で止めてしまう。老子の「止まるを知れば殆うからず」との格言を想起させます。周囲との見合いで「このあたりで」という勘所を心得ているのかもしれません。

 

危ない先頭

 トップに立つ人には憧れや羨望とは裏腹に、やっかみや妬みを持たれることも多い。そうなれば、標的にされ追い落とされる危険性が出てきます。だから、そんな危ないことはしない方が得策だという古来の言い伝えです。

 敢えて天下の先とならず」と、欲望や憎悪が渦巻くこの社会を無事に生き抜くために必要なものの内のひとつがこの格言。先頭に立たないことだと。

 彼らは、中国の長い歴史の中で、先頭に立つのは如何なものかと、体で理解しているのかもしれません。

 しかし、だからと言ってビリでは人からバカにされる。よって、中間にいるのがベストポジションだという中流思想が根付いたのでしょうか。

 

偉いのはどっち

 さて、その考え方を「是」とすれば、どうなるでしょうか。どう見ても伸びは止まってしまいます。

 そこで、注目するのは、能力が「60」しかない社員。中でも、目いっぱい努力して「60」を発揮しようとしている社員。

 いわゆる「人一己百」ということわざのように、挑戦を続けると必ずやり遂げることができると、強い意志と努力を続ける社員のことです。

 今は「60」の能力しかないが、持てる力を出し切ることに挑戦を続けていると、だんだん能力が伸びて来ます。いずれ能力「100」の社員と肩を並べ、追い越すときが来る可能性を含んでいます。

 つまり、「100」の能力を持っていながら出し切らない社員よりも、持てる「60」の能力を出し切る事を続ける社員の方が偉いということです。

 

成長には限界が無い

 どうすれば一件でも多くの新規顧客を開拓できるか、どうすれば業容がより大きくできるか、総経理(社長)の担うべき重要課題です。

 頑張るのはいいが、他の社員よりも頭ひとつ、二つリードすると,周囲の反感を買ってしまい、いずれ足を引っ張られるときが来るであろうから、「100」の力を出し切ろうとしない社員にも、「60」しかない力を出し切ろうとする社員にも、「大有作為」、それぞれ、まだまだ余地がある、自身の力を出し切ることを要求することが大事。

 その繰り返しが、それぞれの社員に新たな可能性を創出してくれることになるでありましょう。つまり、社員の成長には限界が無いということです。

 少なくとも、リーダーたる総経理が社員達の成長の芽を摘むようなことがあってはなりません。

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