社員相手に【軽慮浅謀】の言動では自ら落し穴に堕ちるようなもの

ブラシノキ 中国では金宝樹(2020年5月大阪)

 

「軽慮浅謀」とは、浅はかで軽々しい考えや計略のこと。会社のリーダーである立場の人が、社員に対してこんな対応をするということは、自らが落し穴にはまるようなもの。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

虚情假意

  • 中国語:虚情假意   [ xū qíng jiǎ yì ]
  • 出典:西遊記
  • 意味:人に対して熱情を持っているように装っているが、本心ではないこと。うわべだけの親切。口先だけの好意。親切ごかし。

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軽慮浅謀(けいりょせんぼう)

  • 中国語:轻虑浅谋   [ qīng lǜ qiǎn móu ]
  • 出典:史記(赵世家)
  • 意味:浅はかで軽々しい考えや計略。

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小心謹慎

  • 中国語:小心谨慎   [ xiǎo xīn jǐn shèn ]
  • 出典:漢書(霍光传)
  • 意味:言動が非常に慎重であることを形容した言葉。「小心」、「謹慎」ともに注意深い、細心であるとの意。

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人は其の親愛する所において辟す

  • 中国語:人之其所亲爱而辟焉    [ rén zhī qí suǒ qīn'ài ér pì yān ]
  • 出典:大学
  • 意味:人というのは親愛するあまり公平な判断ができなくなる、との意。親が子を溺愛し正常な判断ができなくなったり、恋人が相手の悪いところが見えなくなる。会社のリーダーなど上に立つ者が、これに陥ると影響は深刻である。よって自身で制御しなければならない。

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記事:社員相手に【軽慮浅謀】の言動では自ら落し穴に堕ちるようなもの

親切ごかし

 「土日は休みで退屈でしょうから、一緒に魚釣りに行きませんか?」と、部下社員から親切な誘い。

 何かとストレスの大きな異国で、駐在員として仕事をする日本人にとって、土日の休養は貴重ではあるが、何もしないでいたのでは、時間を持て余す。単身赴任の身にとっては尚更である。だからと言って「親切な誘い」に乗るとどうなるのか。

 もし、その誘いが「虚情假意」、親切ごかしであったとしたら、これは後々厄介なことになりかねません。

 そう懸念するのは、総経理といった権力者には、下心を持って近づいて来る者が出てくるのが世の常だからだ。

 「魚釣り」という餌に食いつくと、現地に不慣れな総経理はその部下に頼らざるを得ない。それに、長時間一緒に過ごすことになります。言わば、部下から丸抱えの接待を受けるようなもの。

 それ以後、主導権はその部下が持つことになり、二人の関係は逆転するのです。おそらく、普段の仕事の中でも総経理に対して主導権を発揮しようとするはずです。彼の親切心にだんだん公平な判断が難しくなり、組織全体の運営に支障が出てきかねません。

 

手の内を見せてどうする

 またこんな例もあります。社員との距離を少しでも縮めたいと思った総経理は、自分のマンションの部屋に部下社員を招待し、自慢のカレーライスを振舞うことを考え付いた。

 まさか全社員を招待することはできませんので、自分に近い幹部社員の内の何人かを選び自宅に招き入れることになりました。

 すると何日も経たないうちに、多くの社員が総経理はどんな生活をしているのか知るところとなってしまいました。また社員間ではあの人は招かれたのに私は呼ばれていない、といった微妙な不満が芽生えるのです。

 総経理は社員達の暮らし向きは知る由もありませんが、社員には総経理の私生活がわかってしまいます。いわば敵に手の内を見せるようなもの。総経理が自ら進んで落とし穴に落ちてしまっては笑い話にもなりません。

 経営トップたる責任ある立場にある人の言動は、「小心謹慎」であるべきなのです。

 

ベールに包む

 会社において総経理は一般社員にとってある意味で雲の上の人です。だからこそ、自分のプライベートはさらけ出すのは考えもの。むしろ、ベールに包んでおいた方が得策です。

 また、毎日の会社運営の中で社員達に辛辣なことも言わなければならない場面もあるでしょう。そんな時に、特定の社員との「魚釣りやカレーライス」の関係が間違い無く影響してきます。最初の些細なことが総経理として会社運営をやりにくくしてしまう。

 中国古典の「大学」には「人はその親愛する所において辟す」とあります。親愛するあまり公平な判断ができなくなるという意味ですが、まるで総経理が特定の社員をえこひいきしているように見えてしまうのです。

 

とにかく用心

 新任地で社員との距離を少しでも縮めたいと総経理が思うのはとても理解できます。また現地会社の経営トップとして、孤独な職務なのですから孤独感を和らげたいという心理も理解できます。

 しかし、ある意味で総経理は社員と「戦い」をしているのです。権力を持っている総経理に取り入ろうとして、罠を仕掛けてくるかもしれません。そういうことも思いながら用心をすることに越したことは無いのです。

 成功と言われる人生とするためには、ここで負けるわけには行かない。であれば、「軽慮浅謀」の軽々しい考えは厳に慎まなければなりません。警戒心が薄いようでは目的を成し遂げることは到底できません。

 プライベートでは社員との間に一線を画すことが大事です。一線を越えてしまうと身動きができなくなってしまいます。社員とのコミュニケーションは、仕事中に深めることを実行すべきです。

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