生真面目とは別の【深謀遠慮】 此処での成功には老練さが無いと

大連市勝利広場巨大地下街の入口(2015年9月)

 

「深謀遠慮」という言葉から連想できるものは、クリーンなイメージは余りありません。むしろ、老練とか老獪などというどす黒さを感じます。しかし、アウエーでの戦いにおいては、綺麗ごとを言っていたのでは、勝利するなど不可能に近いのも事実です。

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

一国は万目を以て人主を視る

  • 中国語:人主以二目视一国   [ rén zhǔ yǐ èr mù shì yī guó ]
  • 出典:韓非子
  • 原文:人主以二目视一国,一国以万目视人主(人主は二目を以て一国を視、一国は万目を以て人主を視る)
  • 意味:君主は自らの二つの目で国を見ているが、国の側では人民の多くの目で君主を見ている。人の上に立つものは常に人目にさらされているのだから身を慎むこと、との意。

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深謀遠慮

  • 中国語:深谋远虑   [ shēn móu yuǎn lǜ ]
  • 出典:过秦论
  • 意味:深く考えを巡らし、遠い先のことをも考えること。

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爛(ただ)れざる三寸の舌

  • 中国語:三寸不烂之舌   [ sān cùn bù làn zhī shé ]
  • 出典:史記(平原君虞列传)
  • 意味:舌の先が爛れてさえいなければ、言葉を拠り所として人を服させることができる、との意。弁舌巧みなさま。能弁であるさま。口達者であることの例え。「三寸之舌」ともいう。

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胆大心細

  • 中国語:胆大心细   [ dǎn dà xīn xì ]
  • 出典:旧唐書(孙思邈传)
  • 意味:果断に処理に当たり周密に考えることの例え。大胆にして細心であること。

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老実巴交

  • 中国語:老实巴交   [ lǎo shí bā jiāo ]
  • 出典:暴风骤雨
  • 意味:生真面目で真っ正直であること。

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記事:生真面目とは別の【深謀遠慮】 此処での成功には老練さが無いと

呆れた話

 中国・大連のある企業の守衛室。監視カメラの映像を映すはずのモニターの画面が真っ黒。いったいこれは…

 理由を聞いてみると、故障している、それも相当以前からだという。折角、安全のために設備を施したのに、故障を放置していたのでは意味が無いではないか、何故それを上司に報告し修理しないのか、と問いかけたのだが、「故障した時は報告するように、とは総務部長から言われていない。だから私たちにはミスはない」と。

 自分の言動を正当化するための弁舌巧みというか、口達者であることには脱帽。「三寸不爛之舌」とはこのことか。例え自分に誤りがあったことが明らかであっても、決してそれを認めない。これには呆れるばかり。

 

言い訳

 また、上司から書類の誤りを指摘された若い社員が、「昨夜、遅くまでテレビを見ていた…」と言い訳を言うに至っては何をか言わんやだ。まるで、自分の間違いの原因は、面白い番組を制作したテレビにあって、悪いのは自分ではない、とでも言いたいのであろうか。

 どんなに日本人が「老実巴交」、生真面目であったとしても、そんなたわいない言い訳を信じることは出来ないであろう。

 日本では「他人を騙すよりは、騙された方がまだましだ」と考える人が多いようですが、中国社会では、それでは単なるお人好し、と嘲笑されるのが落ち。さりとて、人としてはやはり騙すようなことはしたくない。妥当な考え方は「騙されない人」になることではないだろうか。

 

騙されないために

 では、舌三寸の人達に囲まれた環境で、マネジメントを利かすためには如何すべきか。

 人主は二目を以て一国を視る」と韓非子は言った。本来の意味は、リーダーは身を慎め、との意味ではあるが、たった二つの眼で会社内に睨みを利かすのは簡単ではありません。ですから、単純とか生真面目などといった、ある意味で日本人の特徴的なキーワードでは、社内マネジメントが奏功することは期待できません。

 中国現地会社の総経理(社長)として、周囲の「三寸之舌」を上回る「したたかさ」を発揮するのがよい。その底流には「性悪説」によるものの見方、考え方を置くべきであると言いたい。

 そして、自らの眼で「現場」を見ることが求められます。「生」を知ることは、騙されないための重要ポイントです。

 

老練さが

 会社を運営する総経理として、業容拡大を目的とした、自らの意思を込めた様々な施策を打つ際には、自らの目で現場を見、理解した上で、「胆大心細」でありたい。実行に当たってはドラスティックに、同時に施策は周密に考えに考えなければなりません。

 それが、「三寸之舌」に対抗する伏線になり得ることでしょう。

 会社の若い社員達の協力を得、その結果、会社業績の拡大を成し遂げる。燃えるような思いで共同して仕事に取組む。彼らは、途方もなく長い中国の歴史を背景にして現代を生きる人々でもあります。

 総経理に求められるのは、生真面目さとは別に、「深謀遠慮」の老練さではないでしょうか。

 深謀遠慮という言葉は、日本人にとってはあまり心地よい響きではないかもしれません。しかしながら、アウエーでの戦いにおいては、綺麗ごとを言っていたのでは勝利するなど不可能に近いのです。

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