【白頭偕老】祝福の気持は何も変わらない…が驚き溢れる中国結婚式

祝福される新郎新婦 白頭同穴を祈ります(大連2006年)

結婚式というのはどこにあっても、慶びや感謝、感動は何ら変わらない。友人達や親戚など出席者が新郎新婦を祝い、ご両親の苦労をねぎらう。しかし、「何で?」という驚きの光景が…

 

成功のヒント 中国ことわざ・格言

至らざるは微かも無し(無微不至)

  • 中国語:无微不至   [ wú wēi bù zhì ]
  • 出典:魏了翁
  • 意味:どんな細かい点までも気を遣うこと。至れり尽くせりである。かゆいところに手が届く。

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感人肺腑

  • 中国語:感人肺腑   [ gǎn rén fèi fǔ ]
  • 出典:喇吧声声
  • 意味:人々を心の底から感動させる。感動的であること。感銘を与える。

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人声鼎沸(じんせいていふつ)

  • 中国語:人声鼎沸   [rén shēng dǐng fèi]
  • 出典:冯梦龙(醒世恒言)
  • 意味:鍋の水が沸騰して音を立てる、というのが元の意。現在は、人の声が沸き立つことを指す。

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白頭偕老

  • 中国語:白头偕老   [ bái tóu xié lǎo ]
  • 出典:詩経(卫风・氓)
  • 意味:夫婦共に白髪になるまで添い遂げること。「白头到老(白頭到老)」ともいう。「偕老同穴」(生きているときは共に老い、死んでからは同じ墓に入る)と同じような意味。

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無拘無束

  • 中国語:无拘无束    [ wú jū wú shù ]
  • 出典:吴承恩(西游记)
  • 意味:何の拘束も無く自由自在であること。

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記事:【白頭偕老】祝福の気持は何も変わらない…が驚き溢れる中国結婚式

どよめきと喜び

 若い社員が伴侶を得て新しい人生の第一歩を踏み出す結婚式。おめでたい雰囲気が溢れた披露宴会場。参加者は主賓として招かれた自分以外は全員が中国人。主賓としての祝辞が始まった途端、会場内から「人声鼎沸」。

日本人が中国語でスピーチを始めたのですから、皆さんは思いもかけない出来事に驚きのどよめき。そして大喜び。新郎新婦やご両親は面目躍如といったところのようです。こちらまで幸せな気持ちになります。

 

感動の儀式

 中国における結婚式は一般的には「人前式」。

 证婚人(証婚人)は、いうところの結婚立会人で、政府が発行した結婚証明書を読み上げます。〇〇さんと△△さんが結婚し、政府から認められた、という旨の宣言がなされます。

 お決まりの次第は、新郎新婦が互いに腕をクロスしてワインを飲む「交杯酒」。これは夫婦の固めの盃といったところでしょうか。ケーキ入刀や来賓、友人代表等の挨拶。それに両親への感謝の言葉や親御さんの挨拶などが続きます。

 どれをとっても「感人肺腑」。結婚式は中国でも参加者の胸を打つ、感動が溢れる儀式です。

交杯酒

 

和やかな披露宴

 続いて披露宴が始まります。この辺りから驚きを体験することになります。

 中国はとにかく国土が広く、その地方地方で習慣が異なり、結婚式もまたしかり。

 例えば、大連で何回か社員の結婚式に参加しましたが、いつも、ネクタイを締めスーツを着ているのはほぼ新郎だけ。ほとんどの参加者はポロシャツなどの普段着。肩肘張らず、と言えばそれまでだが、面子を大事にする割には…である。

 それに、円卓に料理が運ばれると、そのテーブルに坐った人達がさっさと乾杯をして食事が始まるのです。司会者の開宴の言葉が発せられていないのに。

 服装といい、形式ばらない結婚式は、「無拘無束」と言えば言い過ぎかもしれませんが…

 宴が進み、お色直しした新婦と新郎が、喜酒と言われる白酒、煙草、飴をお盆に乗せそれぞれのテーブルを回ります。招待客の一人一人に挨拶、乾杯をし、お酒が飲めない人には新婦が飴の皮を剥いてお口に。招待客はその時に用意していた红包(ご祝儀)を渡し祝意を表わすのです。にぎやかで和やかな時間が過ぎていきます。

 

驚きのルール

 そしてお腹が膨れたころ、参加者は三々五々と会場を後にし、徐々に人が少なくなっていくではないですか。ここでも「御開き」の宣言はありません。

 だいたいお昼どきに合わせて祝宴がセッティングされているので、人生の一大イベントとはいえ、まあお昼ご飯を食べに来たようなものかもしれませんね。合理的なのか、はたまたいい加減なのか…

 瀋陽の結婚式では、案内された席に座ると、その丸テーブルに祝儀袋(紅包)とボールペンが置いてあるのです。参加者は、結婚式の現場で用意されていた祝儀袋に名前を書きお金を入れるようです。自分で袋を前もって用意する必要がないのです。

 その、「らしからぬ心遣い」といえば失礼ではあるが、「無微不至」と皮肉りたくなる。

 さらに、強烈なローカルルールが出現。宴もたけなわ、食事が進むと新婦側の招待客が帰り始めます。これは暗黙のルールのようです。新郎側はそのあとも延々と続けるそうです。不思議に思い、その理由を中国人社員に訊いても誰も知りませんでした。

 また、初婚の場合は午前中に行い、再婚の場合は夜に行われると聞きました。これも理由がよくわかりません。

 

祝辞の決まり文句

 上海では、披露宴が終わると、新郎新婦はホテルの部屋に入り、参加していた子供たちを部屋に招き入れ、ベッドやテーブルの引き出しに隠した飴などの宝探しに興じています。これは微笑ましい習慣ですよね。

 ところで、中国では結婚しても姓はそのまま。「夫婦別姓」が当たり前なのです。そして、二人の間に子供が生まれたら夫の姓を名乗るのもスタンダード。

 結婚というシーンでも、日本との違いはもちろん、中国国内でも地方によって習慣の違いがあって興味深いものです。

 しかし、結婚する二人に対し「末永くお幸せに」と祝う気持ちは万国共通。中国での結婚式のスピーチの締めくくりは「白頭偕老」とか「白頭到老」というのが常套句。

 新郎新婦の喜びに拍手を送ると共に、親御さんの大変なご苦労があったことを忘れないでと願うばかりです。

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