【不自量力】とのことわざ 自分の頑張りがあるからこそ周りが動いている…

いつの間にか立派な羽翼が(2019年大阪)

「不自量力」とは身のほどをわきまえず、ある意味、自惚れていること。朝は誰よりも早く出社し、社員が出社する前の静かな時間に、前日にたまっていた事務処理を行い、夜は誰よりも遅く会社を出る。土日はゴルフの予定でもない限り自宅で資料作り。会社は自分がいるから回っているのだと。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言 

坐井观天 / 井に坐して天を観る

  • 中国語:坐井观天   [ zuò jǐng guān tiān ]
  • 出典:韓愈(原道)
  • 意味:井戸の中に坐って天を観る。見識見聞が狭いことの例え。(何にもわかっちゃいない)

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羽翼已成 / 羽翼已に成る

  • 中国語:羽翼已成   [ yǔ yì yǐ chéng ]
  • 出典:史記(留侯世家)
  • 故事:漢の高祖が皇太子を廃しようとしたが、四人の賢者が太子の補佐をしている様子を見て、「太子にはもう羽も翼も出来上がっている。もう廃することはできないと言って、皇太子の廃位はなくなった。
  • 意味:補佐をするものが従い付いていて、既に一人前に成長している、との意。「羽翼」は転じて「補佐」の意。

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不自量力 / 自らの量力にあらず

  • 中国語:不自量力   [ bù zì liàng lì ]
  • 出典:左傳(隐公十一年)
  • 意味:自分の能力をわきまえないこと。自惚れること。身のほど知らず。

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歪打正着 / 歪打正着(わいだせいちゃく)

  • 中国語:歪打正着   [ wāi dǎ zhèng zháo ]
  • 出典:清·西周生(醒世姻缘传)
  • 意味:本来は適当ではない方法であるが、幸運にも満足できる結果に恵まれたことの例え。怪我の功名。まぐれ当たり。

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記事:【不自量力】とのことわざ 自分の頑張りがあるからこそ周りが動いている…

▮大きな自惚れ

 大連に赴任して5年目の現地会社の総経理(社長)。自身の不断にして懸命の努力もあって、会社の業績もぐんぐんと良くなり、仕事が面白くなってきた。それは、自分が会社を引っ張っている、という自信にもなり、充実した毎日が続いていました。

 そんな最中に突如、狭心症に見舞われ、二十日余りの入院生活を余儀なくされることに。慣れない中国の病院に入院し、健康のありがたさを身をもって感じることになりました。と共に、入院中、案じることは会社がどうなっているか、という心配です。何しろ、会社の責任者である総経理(社長)が長期に不在状態になっているのですから。

 しかし、そんな懸念は杞憂でありました。快復、退院し仕事に復帰したときに、目の前でいつもと同じように仕事がなされ、業績も順調であったことは、むしろ驚きでありました。

 左傳には「不自量力」とあります。自分一人で会社を切り盛りしている、と思っていたのは、自分の能力をわきまない、自惚れであったと言わざるを得ません。

 

▮知らぬ間に

 考えてみたら、会社自体は設立から既に十年が経過していました。立ち上げ時に入社した中国人社員達も十年選手となり、間違いなく一人前の幹部社員として成長していたのです。

 史記にある「羽翼已成」と言うことわざように。担当する部門を采配する幹部社員としての力をつけてきていたことに、やっと気がつきました。

 中国現地の会社で、責任者たる総経理が不在でも、会社は回っていたのです。

 

▮何もわかっちゃいない

 健康であれば、もちろん仕事ができるし遊ぶこともできます。仲間や友人との交流もいっぱいできます。しかし、体を壊したら何もできません。優先して考えるのは「健康」です。こんな簡単なことに入院するまで気にしたことはありませんでした。

 「人生は太く短くだ」といい気になり、自らの健康をおろそかにしたことや、社員の成長に気がつかなかったことは、毎日懸命に努力していたつもりで、実は「何もわかっちゃいない」と言われても仕方ありません。韓愈は「井に坐して天を観る」と見識の狭さを注意しています。

 先頭に立って引っ張っていたつもりでしたが、実は古参の社員達に後ろから背中を押されていたのかもしれません。もし突然の発病がなかったら入院することもなく、社員達の成長に気づくこともなかったと思います。その結果は恐らく「短命」の駐在で終わっていたことでしょう。

 

▮怪我の功名

 突然の病気、入院といった大きな出来事は、往往にして仕事にも生活習慣にも大きく方向転換させるきっかけになるようです。

 中国古典にある「歪打正着」とのことわざは、「怪我の功名」とも理解できます。思ってもみなかった出来事がトリガーとなって、仕事に対する姿勢も変わりました。社員のみなさんとの接し方も変化しました。見えていなかったことに気がつき、そのことで、幸運にも満足できる結果に恵まれました。

 その後の会社の大発展の新しいステージはこの入院から始まったと言えます。それが12年半という長期にわたる駐在を可能にしたのではないかと思います。

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