【安きに居りて危きを思う】とのことわざ 初めて蛇を食った 旨かった そして…

旧大連市役所(大連・中山広場の歴史建造物 2015年9月)

安穏な時にこそ危機を想定し備えをする事の大切さを教えているのが「安きに居りて危きを思う」という格言。もし、備えを怠っていたとしたら、例えば日中関係の突然の悪化等に遭遇した時、その影響をもろに受けてしまうことになる。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

没事找事 / 事 没きも事を找る

  • 中国語:没事找事   [ méi shì zhǎo shì ]
  • 出典:刘知侠(铁道游击队)
  • 意味:何事もないのに故意にもめ事を起こすこと。ことさらに波風を立てる。

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长虺成蛇 / 長虺成蛇(ちょうきせいだ)

  • 中国語:长虺成蛇   [ zhǎng huǐ chéng shé ]
  • 出典:洛阳伽蓝记(建中寺)
  • 意味:虺長じて蛇と成す。「虺」は小さな毒蛇のこと。「反逆者」を比喩した言葉。反逆者という禍を放任すれば、結局、強大になってしまうこと。いいようにさせてしまう事の例え。

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瞠目而视 / 目を瞠り而して視る

  • 中国語:瞠目而视   [ chēng mù ér shì ]
  • 出典:夷坚丁志·金陵邸
  • 意味:眼を大きく見開き、そして視る。

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居安思危 / 安きに居りて危きを思う

  • 中国語:居安思危   [ jū ān sī wēi ]
  • 出典:左傳(襄公十一年)
  • 意味:安楽な環境にあっても、危険を想定していなければならない。備えあれば患いなし。

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記事:【安きに居りて危きを思う】とのことわざ 初めて蛇を食った 旨かった そして…

▮美味しい蛇

 2000年代の初頭、上海のあるレストランで友人たちと会食。注文して間もなく、服務員が「これでいいか?」と、首根っこを掴まれた活きている大きな蛇を目の前に差し出した。「瞠目而视」、思わず目を見開き、びっくり仰天!

 調理した後から小さいだ、少ないだの文句を言わせないためのいわばクレーム対策。比較的値段の高い魚などの食材を事前に客に見せるのはよくあること。しかし、それが大蛇となると…

 勿論、養殖された食用の蛇ではあるが、眼前で蛇を見せられ度肝を抜かれた。暫くすると、10センチくらいの、「蛇の開き」状態の唐揚げが登場しました。興味津々で口にすると、これが香ばしくて美味い! 鳥のささみのような食感。

 食べた後には、あばら骨だけがきれいに残ります。蛇ってこんなに骨があったのかと、くねくねとした元の姿からは想像できないほど。もっとも、剥いだ生の皮や内臓のキモは、あまりにも生々しく、食べるのはちょっと…

 

▮放置できない蛇

 蛇といえば中国に「虺長じて蛇と成す」ということわざがあります。

 「虺」は毒蛇のことで、反逆者のことを例えたもので、その禍を放任すれば、いずれ、強大になってしまうという意味です。

 現地事情に疎い日本人総経理(社長)は、つい、現地幹部社員にマネジメントを丸投げしたくなります。しかし、彼がもしも「虺]であったとしたらどうなるでしょうか。いずれ、手の付けられない組織となり、大きな問題に発展する可能性が否定できません。

 また、中国現地会社の社内の小さな出来事や一社員の問題は、対応が結構面倒。そこで、まあいいかと放置すると、場合によってはそれだけではすまないこともある、だから放任、放置することはよくないとの教えであり警告でもあります。総経理として、事の本質を見極め、小さいうちに解決しておくことが求められます。

 

▮マンホールと大蛇

 ところで、中国の友人と街を歩くと、そこはやめとけという場所があります。どこにでもあるマンホールの蓋の上は避けて歩けと。

 何でも、マンホールの下では大蛇が眠っているから、その上を歩いて、ひょっとして目を覚まそうものなら、とても厄介なことになる、というのです。「没事找事」、わざわざ、寝た子を起こすことは無かろうから、マンホールの上は避けて歩くのがよいと。

 なるほど、言われてみれば、道行く人を見るとマンホールの上を歩いている人はあまりいません。実際に道路面を見ると、マンホールの枠が路面から浮き上がっていたりして、面が平らになっていないところが結構あるようです。施工技術の問題かもしれませんが、これではつまづいて転んだりしかねません。

 蓋が盗まれて塞がれていなかったり、土管内でメタンガスが爆発して蓋が吹っ飛んだりする事故もあるようです。

 そんな事故に遭遇しないように、「マンホールの下の大蛇」の話は信じた方がいいかも…

 

▮平時にすべきこと

 上海や大連、瀋陽など都会の街を歩くと、危険を感じたりすることはそうはありません。が、何が起こるかわからないのが現実。生活環境に加えて、自社の事業活動が突然影響を受けるようなことも無いとは言えません。

 「居安思危に居て危を思う」ということわざにあるように、平時にこそ、いざというときのしっかりとした備えをしておくことが大事です。「マンホールの大蛇」には自分の努力で対応できます。しかし、時に揺れる日中関係が自分の会社業績に与える影響は難敵です。人脈や顧客の力も借りながら、考えられるあらゆる対応策を用意しておくべきです。その備えが、自分の身を守り、会社を守り、社員達を守る事になるのですから。

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