孫子は【算多きは勝つ】と 国慶節GWが明け 駐在の総経理の焦り

時速350キロで疾駆する高速鉄道 高鉄は電掣の如し(2018年5月)

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」とは孫子の言葉。大事なことは、競争に勝つための企てを持つこと。当たって砕けろ式では危ないことこの上無し。重大な任務を負う現地会社の総経理として、できるだけ多くの勝算を見出さなければなりません。それが責任というものです。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

多算胜,少算不胜 / 算多きは勝ち、算少なきは勝たず

  • 中国語:多算胜,少算不胜   [ Duō suàn shèng, shǎo suàn bùshèng ]
  • 日本語表記:多算勝、少算不勝
  • 出典:孫子
  • 意味:勝算の多い方が勝ち、少ない方が負ける。(大して勝算が無くても「特攻精神」でそれいけとばかりに突っ走ることが間々あります。それでは将の後に続く兵はたまったものではありません)

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肩负重任 / 重任を肩に負う

  • 中国語:肩负重任   [ jiān fù zhòng rèn ]
  • 出典:曲波(林海雪原)
  • 意味:重要な任務を担うこと。

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话不投机 / 話 投機せず

  • 中国語:话不投机   [ huà bù tóu jī ]
  • 出典:元・王子一(误入桃源)
  • 意味:話がかみ合わないこと。「投机」とは」意見が一致すること。

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风驰电掣 / 風馳電掣

  • 中国語:风驰电掣   [ fēng chí diàn chè ]
  • 出典:六韬·龙韬·王翼
  • 意味:電掣は稲妻のこと。非常に速いことのの例え。風や稲妻と同じであっという間。

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記事:孫子は【算多きは勝つ】と 国慶節GWが明け 駐在の総経理の焦り

▮国慶節が終わると

 10月1日は中国の建国の日である国慶節。中国ではこの日から一週間の長期休暇です。春節と共に年に二度のゴールデンウイーク。中国人はもちろん、中国に駐在する日本人社員にとっても、日頃の仕事や生活のストレスから離れ、暫くはホッとすることができる、とてもありがたい休暇なのです。

 中国人社員や日本人駐在員もそれぞれ思い思いに休暇を過ごし、休み明けには、少々疲れ顔で仕事が再開。しかし、現実は休みボケ状態で、全力投球には至りません。すべてのメンバーが仕事に復帰し、通常体制に戻るのは10月半ば。

 そして正気に戻ったその時、はっと気がつくことが。そう、中国では1月~12月が会計年度なので、国慶節休暇が明けたら、「風馳電掣」、風や稲妻のような速さで年度末がやって来ます。二ヵ月半はあっという間です。

 

▮かみ合わないイラつき

 10月中旬には、年間予算に対する達成見通しを窺い、12月末までの追い込み策を実行に移す大事な時期です。もちろんその任務は総経理(社長)に課せられています。総経理自身も国慶節の休暇はゆっくり過ごし、リフレッシュすればよいのですが、休み明けには総経理自身が真っ先に立上らないと、年度内の追い込みが大変なことになりかねません。

 しかし、そこに面倒くさい問題が横たわっています。本社の存在です。「 投機せず」ということわざのように、どうにも話が今ひとつかみ合わず、イラつきます。別に反目し合っているわけではありませんが、日本と現地の両者の気持ちはなかなか揃わないことも。

 日本での会計年度は、多くは4月~翌年3月ですから、秋段階では日本本社の年度末はまだまだ先の話。ですから、現地のことには今ひとつピンと来ていないのではないか、という懸念です。

 まあ、本社から見ると、現地感覚はなかなかわからないのも無理はありません。結局は、現地の責任者として総経理は自力で推し進める他はありません。

 

▮負う重任

 そんなこんなで、現地会社の業績を上げることは総経理の双肩にかかっているということは論を待ちません。

 与えられたミッションを果たすべく努力精進し、目の前にいる仲間である現地社員達とその家族に幸福を享受してもらうという重い任務です。まさに、「肩负重任重任を肩に負う)」。

 そのためには、ピントの合わない本社は頼らず、現地の社員達が共同団結して、自力でやった方が業績は上がり、達成感が得られるというもの。

 

▮算多きが勝つ

 但し、如何に本社は頼らず自力で、とはいっても、やみくもに突っ走るのでは危なくって仕様がありません。

 孫子は「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」という言葉を残しています。

 年度末までの僅か二ヵ月半ですが、ゴールを目標ラインとして、そこに到るまでの策を冷静に定め、ラストスパートを利かす期間であり、同時に、その後にやってくる来年度への助走期間でもあります。そのような極めて重要な期間、総経理は国慶節休みが明けるといち早く立ち上がらねばならない責務を負っているのです。

 現有のリソースやパワーをもって如何に戦えば勝算を見出すことができるのか、不足する所はどこか、どう対策するのか、等々を綿密に分析し勝つべくして勝つ。これが現地会社の総経理(社長)として任に当たる最大の責務であり、休暇中にそれらの企てを済ませておくことです。

 上から言われたとおりにやるだけの日本の部門責任者とは全く異なる、最高に面白く、またやりがいのある「責任」ではないでしょうか。

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