【四時之序】と史記に 中国の現法 自縄自縛の運営で一体 何を期待する

大連・中山広場の歴史建造物(2017年5月)

仕事場が如何に中国であるとはいえ、ルール無視は論外。しかし、ルールにとらわれすぎるのも如何なものか。日本人にとってアウエーの地で成功に導くためにはどうするか。難しい課題ではあるが…

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

四时之序、成功者去 / 四時の序、功を成す者は去る

  • 中国語:四时之序、成功者去   [ sì shí zhī xù, chéng gōng zhě qù ]
  • 出典:史記
  • 意味:「四时之序」とは四季が移り行くこと。例えば、春は役目を終えると座を夏に譲る。人も同じように、成功し役割を終えたら、潔く表舞台から身を引くべきだ、という意味。

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推陈出新 / 推陳出新

  • 中国語:推陈出新   [ tuī chén chū xīn ]
  • 出典:梁溪漫志·张文潜粥记
  • 意味:「陈」は「古い」との意。「推」は外に押し出す、との意。古いものを工夫して新しいものを打ち出し、発展させること。

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作茧自缚 / 繭を作るに自らを縛す

  • 中国語:作茧自缚   [ zuò jiǎn zì fù ]
  • 出典:白居易(江州赴忠州至江陵已来舟中示舍弟五十韵)
  • 意味:蚕は生糸を出して繭を作り、自分をその中に閉じ込める。何かをやろうとした結果、自身が自身を困らせることになることの例え。自縄自縛。

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似水流年 / 水に似て年は流る

  • 中国語:似水流年   [ sì shuǐ liú nián ]
  • 出典:汤显祖(牡丹亭)
  • 意味:歳月は水の流れのように速い、との意。

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記事:【四時之序】と史記 中国の現法 自縄自縛の運営で一体 何を期待する

▮水の如き…

 水の流れのように年月がたつ。1994年、会社設立直後に一社員として入社したある社員。目立たないが、コツコツとした仕事ぶりは真面目さの表れ。それは周囲の若い社員達も含めて皆が認めるところ。

 そして、二十余年が経過、彼は遂に定年を迎え退職することになったのです。若い会社であるが定年者が出現したことに感慨を感じます。中国のことわざである「似水流年」とはこのことでしょうか。

 会社にとっても、その間、多くの社員とその家族、様々な社外の協力者、もちろん多くの顧客、それぞれの支援、努力等によって会社は存続し、日々歴史を紡いできたのです。

 

▮功を成す

 さて、その「彼」は若くして入社。結婚をし、子供をもうけ、自宅やマイカーも購入した、所謂「小康生活(中流生活)」を実現しました。

社内でも、「最も信頼できる正直者」という評価。それ故に、瀋陽に拠点展開をした際には、責任者として派遣され、見事に立ち上げの任務を果たしました。そして帰任後、ついには副総経理(副社長)に昇格したのです。

 「四時の序、功を成す者は去る」とは史記にある言葉。季節が変わるように、役割を終え、成功を勝ち得た人は、身を引き次の人に座を譲るのがよいと。成功者が潔く表舞台から去るのは、ある意味道理です。

 自らの生き方と努力によって勝利者となった彼は、「定年」という会社規定によってその座を降り、退職することになったのです。史記の編者である司馬遷によれば、「四季と同じように」とあります。しかし、四季は一年待てばまた巡ってくるが、定年となり去った人は再び戻ってはこないのだが…

 

▮蚕と同じ

 白居易は「繭を作るに自らを縛す」という言葉を残しています。蚕は自らを繭の中に閉じ込めてしまう、最終的には自分が困るという。

 自らルールを作り、それをきちんと守ることは当然ですし、誰もがそうあるべきです。しかし、その結果が自分が困るような状況になったのでは、ビジネスの妨げにさえなりうるのではと考えます。特に、有能な人材がそう豊富ではない歴史の浅い中国現地会社にとっては、定年に達したら自動的に退職、という運用の影響は少なくないと言えます。

 

▮余人をもって

 ルール無視は論外ですが、ルールにとらわれすぎるのも如何なものか。特に中国ではそう思わざるを得ません。

 「推陳出新」とは、古いものを外に押し出し、新しいものを打ち出し発展させるという意味のことわざです。それは柔軟に物事を考え対処することに通じるものです。すべての古いものを否定するわけではありませんが、その中にも新しいものを生み出すことができないものかという、現実問題なのです。

 余人をもって代えがたいような人材など、会社にとって必要な場合はその人材を留保することを考えた方がよいのではないでしょうか。

 「規定の年齢に達したら即定年退職」という考え方ではなく、場合によっては、役職定年のような考え方や、顧問や副役職で雇用を継続するなどの方法です。会社の発展にさらなる寄与が期待できます。

 定年に達した社員がどんなに有能で会社にとって必要な人材であっても、定年年齢で自動的に退職するという自分達で決めたルールをとにかく守ろうとするのは、時として「成功」を先延ばしすることでしかない。

とはいうものの、一介のサラリーマンができることには自ずと限度があり、思いを叶えるのは…

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