【装模作様】 食えるか 身の毛立つ このゲテモノ でもそれでいいのか

広州の龍虱(ゲンゴロウ)(2007年11月)

美食、ゲテモノ、食べ物なら何でもありの中国。「そんなゲテモノ、食えるか!」と言ってもったいぶっていては、成功を手にするのは難しい。何にでも挑戦だ、とはいっても、身の毛立つことも…

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

忍气吞声 / 気を忍び声を呑む

  • 中国語:忍气吞声   [ rěn qì tūn shēng ]
  • 出典:潇湘雨
  • 意味:言いたいことが言えずにじっと我慢すること。黙って怒りをこらえる,怒りをこらえて我慢すること。

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打草惊蛇 /  草を打って蛇を驚かす

  • 中国語:打草惊蛇   [ dǎ cǎo jīng shé ]
  • 出典:南唐近事
  • 日本語表記:打草驚蛇
  • 意味:藪をつついて蛇を出す。不用意なことをして相手に先手を打たれる。

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装模作样 / 装模作様(そうもさくよう)

  • 中国語:装模作样   [ zhuāng mú zuò yàng ]
  • 出典:荆钗记传奇
  • 意味:模を装い様を作る。格好をつける。もったいぶること。

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毛骨悚然 / 毛骨悚然(もうこつしょうぜん)

  • 中国語:毛骨悚然   [ máo gǔ sǒng rán ]
  • 出典:送窮文
  • 意味:身の毛がよだち背骨がぞっとする。

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記事:【装模作様】食えるか 身の毛立つ このゲテモノ でもそれでいいのか

▮蛇にびっくり

 「食は広州に在り」とよく言われます。広東料理の素晴らしさを表した言葉ですが、広大な中国で長年生活をしていると、それは何も広州だけではなく、あちこちに独特の「食」が存在することに感心します。

 上海のとある中国レストラン。友人の中国人が「蛇」を注文。しばらくすると談笑中のテーブルの目の前に大きな蛇が。服務員(サービス係員)が「この蛇でいいか?」と、首根っこを掴んで持ってきたのです。

 「打草惊蛇」ということわざは、人間が蛇を驚かすのですが、その時ばかりは驚いたのは人間の方。

 人生初めてレストランで、目の前に大きな蛇が現れびっくりするも束の間、さっきの蛇が幅約5センチほどの「唐揚げ」になって出されました。人生初の「蛇」の唐揚げ。これが元の姿からは想像できないほどに美味かった。

 しかし、捌いた蛇の生皮と白酒に浸けられた肝は食べる勇気はありませんでした。何しろ皮の縞模様があまりにも生々しく、肝は毒々しい色であった。

 

▮食べる虱

 美食、ゲテモノ、何でもありの広州。ある老舗レストランの食材コーナーを見ると、なるほど、ここは動物園か水族館か。血がにじむ鰐の腕も並んでいる。水槽には水面を泳ぐゲンゴロウが。食べるんかいな、これ…

 このゲンゴロウ、別名は「竜虱(りゅうしつ)」。中国では「龍虱」。何故、「龍の虱」というのか知る由もないが…

 そうこうしている内に「龍虱の油炒め」が出てきました。油で殻が黒光りしていてゴキブリのよう。これを食べるのかと思うと「毛骨悚然」。ゾッとします。

 勇気を出して食べてみた。硬い殻を一気にグッと噛むと、中からブチュっと何やら口の中に…

 「龍虱」は中国人にとっても、飲み下しにくい食べ物のひとつだそうです。

 

▮たんぱく源

 中国・東北の大連の市場で。大きな籠に山のように盛られた、何やら黒っぽいもの。よく見るともごもご動いているではないですか。これ、芋虫?

 実はこのゾッとする食べ物は「蚕」。冬の長い東北地方では貴重なたんぱく源となっているそうです。レストランで「炸蚕」という蚕の料理を時々見かけます。それにしても、それを好んで食べる勇気に感心します。もちろん自分には食べる勇気はゼロです。

 南の「龍虱」、北の「蚕」、ゲテモノの双璧ではないかと思います。

 

▮命いただきます

 中国のレストランでは比較的ポピュラーなメニューの「鳩の丸焼き」。「鳩」は中国語で「鸽子」。回転テーブルに乗せられ、自分の前で止まった。見ると、大皿の丸焼き鸽子は、お頭と嘴ががこちらを向いている。ギョッとする。

 「忍気呑声」、鸽子(鳩)にすれば、平和の象徴を勝手に丸焼きにされた怒りを、黙ってこらえているようにも見える。目をつぶって、食べるとまあまあ美味い。

 もうひとつは「醉虾」。文字通り酔っ払いえび。活きたえびを白酒に浸し、えびが酔っぱらった所でえびの頭を千切り人間が食べる、という料理。無理やり酔わされたえびが文句を言ってはしないか、気になります。

 残酷なようにも思えるこの料理。正に「(鳩やえびの)命をいただきます」と手を合わせたくなるのです。

 

▮もったいぶっていては

 陸上では四本足は机以外、二本足は両親以外、飛ぶ物は飛行機以外、 水中の物は潜水艦以外なんでも食べる、と巷間言われています。

 そこで生活をし、仕事をしているのです。時には会食の際には、見たことも食べたこともない料理が出されるかもしれません。

 料理の美学も、食材も日本とはずいぶん違う環境にどっぷりと浸かって仕事をする日本人。「そんなゲテモノ、食えるか!」と言うのは如何なものか。

 日本でも昆虫食が話題になる昨今、「装模作様」とばかりにもったいぶっていては、アウエーの地での戦いに、勝算は見えてきません。

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