【舌先三寸】の人 中国で この難攻の強敵に立ち向かい 凌駕する…

中国・大連市中山区青泥洼橋界隈(2013年9月)

老練とか老獪という言葉から連想できるものは、クリーンなイメージではありません。むしろドロドロを感じます。言葉の響きも、日本人にとっては心地よいとはいえません。しかし、アウエーでの戦いにおいては、綺麗ごとを言っていたのでは、勝利するなど不可能に近いのです。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ(五十音順)

 

三寸不烂之舌 / 三寸不爛之舌(三寸爛れざる之舌)

  • 中国語:三寸不烂之舌   [ sān cùn bù làn zhī shé ]
  • 出典:史記(平原君虞列传)
  • 意味:舌の先が爛れてさえいなければ、言葉を拠り所として人を服させることができる、との意。弁舌巧みなさま。能弁であるさま。口達者であることの例え。「三寸之舌」ともいう。

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人主以二目视一国 / 人主は二目を以て一国を視る

  • 中国語:人主以二目视一国   [ rén zhǔ yǐ èr mù shì yī guó ]
  • 出典:韓非子
  • 原文:人主以二目视一国,一国以万目视人主
  • 意味:君主は自らの両目で国を見ているが、国の側では人民の多くの目で君主を見ている。人の上に立つものは常に人目にさらされているのだから身を慎むこと、との意。

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胆大心细 / 胆大心細

  • 中国語:胆大心细   [ dǎn dà xīn xì ]
  • 出典:旧唐書(孙思邈传)
  • 意味:果断に処理に当たり周密に考えることの例え。

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老实巴交 /  老実巴交

  • 中国語:老实巴交   [ lǎo shí bā jiāo ]
  • 出典:暴风骤雨
  • 意味:生真面目で真っ正直であること。

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老谋深算 / 老謀深算

  • 中国語:老谋深算   [ lǎo móu shēn suàn ]
  • 出典:曾朴(孽海花)
  • 意味:周密で深遠な計画や考えのこと。老練であること。深謀遠慮。

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記事:【舌先三寸】の人 中国でこの難攻の強敵に立ち向かい凌駕する…

▮正直だけの人

 ある企業の守衛室。監視カメラ映像を映すはずのモニターの画面が真っ黒。いったいこれは…

 訳を聞いてみると、相当以前から故障しているとのこと。何故それを上司に報告し修復しないのか、との問いには、「故障した時は報告するようにとは総務部長から言われていない。だから私たちにはミスはない」と。

 中国の歴史書の史記には「三寸不爛之舌」と。このことわざは必ずしも悪い意味ではないが、自分の言動を正当化するための弁舌巧みというか、口達者であることには脱帽。例え自分に誤りがあったとが明らかであっても、決してそれを認めない。これには呆れるほど。

 

▮騙された方が

 上司から書類の誤りを指摘された社員が、「昨夜、遅くまでテレビを見ていた…」といった言い訳に至っては何をか言わんやだ。まるで、自分の間違いの原因は、面白い番組を制作したテレビにあって、悪いのは自分ではない、と言わんばかり。

 「老実巴交」とのことわざがある。いくら「日本人は生真面目だ」といっても、そんなたわいない言い訳を信じることはないであろう。

 日本では「騙すよりは騙された方がよい」と考える人が多いようですが、中国社会では、それでは単なるお人好しだ、と嘲笑されるのが落ち。さりとて、人としてはやはり騙すようなことをしたくない。妥当な考え方は「騙されない人」になることではないだろうか。

 

▮したたかに

 では、「三寸之舌」を持つ人たちに囲まれた環境で、マネジメントを利かすためには如何すべきか。自分の舌が四寸ほどに伸びればよいのだが… それは無理な話。

 「人主は二目を以て一国を視る」と韓非子は言った。本来の意味は、リーダーは身を慎め、との意味ではあるが、たった二つの眼で会社内に睨みを利かすのは簡単ではありません。ですから、単純とか生真面目などといった、ある意味で日本人の特徴的なキーワードでは、社内マネジメントが奏功することは期待できません。

 中国現地企業の総経理(社長)として、周囲の「三寸之舌」を上回る「したたかさ」を発揮するのがよい。その底流には「性悪説」による見方、考え方を置くべきであると言いたい。そして、自らの眼で「現場」を見ることが求められる。「生」を知ることは、騙されないための重要ポイントです。

 

▮老練さが

 会社を運営する総経理として、自らの意思を込めた業容拡大を目的とした、様々な施策を打つ際には、「胆大心細」でありたい。実行に当たってはドラスティックに、同時に施策は周密に考えに考えなければなりません。それが、「三寸之舌」に対抗する伏線になり得ることでしょう。

 会社の若い社員達の協力を得、その結果、会社業績の拡大を成し遂げる。燃えるような思いで共同して仕事に取組む。彼らは、途方もなく長い中国の歴史を背景にして現代を生きる人々でもあります。

 総経理に求められるのは、生真面目さとは別の、「老謀深算」といわれる老練さではないでしょうか。その言葉は、日本人にとってはあまり心地よい響きではないかもしれません。しかしながら、アウエーでの戦いにおいては、綺麗ごとを言っていたのでは勝利するなど不可能に近いのです。

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