ことわざ【滄海桑田】 珈琲に見る高速変化 中国進化論といえば大袈裟ですが

寒い冬の大連 しかし雪景色は珍しい(2012年12月)

変化、発展を続ける社会の中で、豊かさを謳歌し新しいおしゃれ生活を楽しむ人々。その一方、いささかも変わっていない部分が。油断のないようにしないとその変化スピードについていけそうにない。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ(五十音順)

 

饥不择食 / 飢えは食を擇ばず(飢不擇食)

  • 中国語:饥不择食   [ jī bù zé shí ]
  • 出典:五灯会元
  • 意味:空っ腹にまずいものなし。ひもじければ好き嫌いは言っていられない。必要に迫られたときは選択する余裕がないことの例え。

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雨后春笋 / 雨後春笋(うごしゅんじゅん)

  • 中国語:雨后春笋   [ yǔ hòu chūn sǔn ]
  • 出典:食笋
  • 意味:春に大雨の後、筍が続々と生えること。似たようなことが次々と現れることの例え。雨後の筍。

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赞叹不已 / 讃嘆已まず

  • 中国語: 赞叹不已    [ zàn tàn bù yǐ ]
  • 出典:儒林外史
  • 意味:賛嘆してやまないこと。

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沧海桑田 / 滄海桑田(そうかいそうでん)

  • 中国語:沧海桑田   [ cāng hǎi sāng tián ]
  • 出典:神仙传·麻姑
  • 意味:大海が桑畑に、(或いは桑畑が大海に)変わった。世の中の変化が激しいことの例え。

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纹丝不动 /  紋絲不動

  • 中国語:纹丝不动   [ wén sī bù dòng ]
  • 出典:金瓶梅
  • 意味:いささかの変化もないこと。微動だにしない。

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記事:ことわざ【滄海桑田】 珈琲に見る高速変化 中国進化論といえば大袈裟ですが

▮様変わりの珈琲店の光景

 今や、中国のどこにでもあるコーヒーショップ。満席のことも珍しくないほどの繁盛ぶり。

 席でパソコンやスマホをいじっている人、仕事をしているように見えることも。もちろん友達同士でおしゃべりに興じている人たちも。それぞれがテーブルでコーヒーを楽しんでいる。

 そんな光景を見るようになったのは2010年が近づいたころ。それ以前は、他人事ながら、経営を危ぶむくらいに客の少ないコーヒーショップ。

 元来、中国にはコーヒーを嗜む文化は無かったはず。しかも、一杯のコーヒー代は当時の昼食代数回分にも相当する価格帯。「滄海桑田」とのことわざにあるように、大海原が一気に桑畑に変わった如き驚きの現象でした。まさに、隔世の感、様変わりです。

 

▮恐ろしく苦く濃い

 更に遡って1998年ごろの上海。コーヒーを飲みたければ、ホテルのロビーへ行かなければなりませんでした。そもそも、街中に喫茶店やコーヒーショップというものが無かったのですから。

 そのホテルのコーヒーはというと、恐ろしく苦く濃い。コーヒーというものがどんなものか、知らずに入れていたのか、或いは豆の問題なのか。

 ことわざには「飢えは食を擇ば」と。言わば「空っ腹にまずいものなし」であるが、それにしてもその濃く苦いだけのコーヒーは超越している。しかも値段が高い。如何にサービス料が含まれているとはいえ、である。良いところなしの飲めたものではないコーヒーであった。

 そんな当時の上海にも日本式の喫茶店が一軒ありました。仕事が休みの日には「ちゃんとしたコーヒー」を求めて、タクシーを飛ばしてその店を訪れる人も珍しく有りませんでした。

 

▮儲かりそうだとみると

 98年頃の「コーヒー事情」は、99年に米国からコーヒーチェーン店が北京に進出して一変することになる。上海や大連をはじめ、あっという間に続々と出店。それまでは中国茶を出す「茶館」しかなかったが、買い物に行って「ちょっとコーヒーでも…」という時代が訪れたのです。

 コーヒー店が流行りだすと、黙って見過ごすことはしないのが中国人。「似たよう」なコーヒーショップが、まるで「雨後春笋(うごしゅんじゅん)」状態。

 どう見てもパクリだろうと言えるショップも出現。「STARBOX」など、中にはクスッと笑いたくなるようなものも。

 2000年を過ぎたころから大連でも店舗展開が始まり、あれよあれよという間に若者を中心に人気スポットに。いつ行っても混雑していて空席を探すのに苦労したものです。

 

▮微動だにしないのは

 経済成長と共に人々の可処分所得は増加し、高いと思われていたコーヒーも手の届く範囲になってきたのであろう。何より、席に座りコーヒーを飲みながら一時を過ごすことの満足感に、豊かさやある種のステータスを感じたのかもしれません。

 とにかく、中国の進化の速さには舌を巻くばかりです。「讃嘆已まず」というのはこういうことか。

 しかし一方で…

 お店の様子を観察すると、席で周囲に遠慮することなく電話をしている人は珍しく有りません。また、屋外のテラス席に座っているのはどうもお客ではなさそう。飲み物を注文している様子もなく、ただ座って煙草をふかしています。テーブルの上には「消费区」との表示があるのですが…

 コーヒーショップでひと時の時間を過ごす、そんな現代的おしゃれ感は、以前とは極めて大きな違いがありますが、根っこのところは「紋絲不動」と、いささかも変わっていないといえます。

 今後、どんな部分に変化があるのか、スピードが速いだけに興味、関心と共に怖いところでもあります。

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