詩経には【白頭到老】と 驚きの中国結婚式 祝福の気持は…

新郎新婦が到着 まず写真を(2014年3月大連)

若い二人にとって結婚式は人生最大のイベントです。しかし、中国は広大。地域によっては習慣が異なります。それは時として日本人にとって驚きとして目に映ります。そんな中であっても、「いつまでもお幸せに」という祝福の気持ちは何も変わりません。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

热泪盈眶 / 熱き泪 眶(まぶち)に盈(みち)る

  • 中国語:热泪盈眶   [ rè lèi yíng kuàng ]
  • 出典:姚雪垠(李自成)
  • 意味:盈は満たすこと。眶はまぶたのこと。熱い涙が目にあふれる、との意。

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人声鼎沸 / 人声鼎沸(じんせいていふつ)

  • 中国語:人声鼎沸   [rén shēng dǐng fèi]
  • 出典:冯梦龙(醒世恒言)
  • 意味:鍋の水が沸騰して音を立てる、というのが元の意。現在は、人の声が沸き立つことを指す。

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白头到老 / 白頭到老

  • 中国語:白头到老   [ bái tóu dào lǎo ]
  • 出典:詩経
  • 意味:夫婦が共に白髪になるまで添い遂げるとの意。日本でいう「偕老同穴」(生きているときは共に老い、死んでからは同じ墓に入る)と同じような意味です。

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无拘无束 / 無拘無束

  • 中国語:无拘无束    [ wú jū wú shù ]
  • 出典:吴承恩(西游记)
  • 意味:何の拘束も無く自由自在であること。

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▮目に溢れる熱い涙

 中国における結婚式は一般的には「人前式」。证婚人(証婚人=結婚立会人)は、政府が発行した結婚証明書を読み上げます。誰誰さんと誰誰さんが結婚し、政府から認められた、という旨の宣言がなされます。证婚人はちょうど日本での「頼まれ仲人」のような感じでしょうか。

 お決まりの次第は、新郎新婦が互いに腕をクロスしてワインを飲む“交杯酒”。これは夫婦の固めの盃といったところ。ケーキ入刀や来賓、友人代表等の挨拶。それに両親への感謝の言葉や親御さんの挨拶などが参加者の胸を打ちます。「熱泪盈眶(熱き泪 眶に盈る)」との想いはどこであっても同じ。結婚式は中国でも感動が溢れる儀式です。

 続いて披露宴に相当するパーティが始まります。上海では、披露宴が終わると、新郎新婦はホテルの部屋に入り、参加していた小さな子供たちを部屋に招き入れ、ベッドやテーブルの引き出しに隠した飴などの宝さがしに興じています。微笑ましい習慣ですよね。

 

▮自由自在

 とにかく国土が広い中国では、その地方地方で習慣が異なり、結婚式もまたしかり。例えば、東北地方の大連の結婚式では、ポロシャツなど普段着で参加する人がほとんど。ネクタイを締めスーツを着ているのは新郎だけ、ということも。

 それに、テーブルに料理が並ぶと、司会者の開始の言葉がなくとも、そのテーブルで勝手に乾杯をして食事が始まるのです。

 宴が進み新婦さんがお色直し。そして、新郎新婦が揃って、白酒、煙草、飴をお盆に乗せそれぞれのテーブルを回り、招待客の一人一人に挨拶、乾杯をし、招待客はその時に用意していた红包(ご祝儀)を渡します。にぎやかで和やかな時間が過ぎていきます。そしてお腹が膨れたころ、三々五々と会場を後にし、徐々に人が少なくなっていきます。“お開き”の宣言もありません。

 「無拘無束」と言えばそれまでですが、人生の一大イベントの際にも、形式にとらわれることがなく自由自在。結婚式は、だいたいお昼どきに合わせてセッティングされているので、まあ昼食を食べに来たようなものかもしれません? 合理的なのか、はたまたいい加減なのか…

 

▮どよめきの訳

上海でいただいた招待状

 新郎は自分が勤める会社の総経理(社長)を、主賓として招待するケースが多くあります。その場合、総経理は新郎から求めがあれば主賓として祝辞を述べることに。

 司会者から紹介の後、日本人総経理が中国語でスピーチを始めると会場からは「人声鼎沸」。「外国人」が突然中国語を話し出すのですから、会場内には驚きのどよめきが起こり、皆さんは大喜び。新郎新婦やご両親は面目躍如といったところのようです。

 瀋陽では、案内された席に座ると、その丸テーブルに祝儀袋(紅包)とボールペンが置いてあるのです。どうも、参加者は、結婚式の現場で名前を書き袋にお金を入れるようです。つまり、自分で袋を用意する必要がないのです。

 それに宴もたけなわ、食事が進むと新婦側の招待客が帰り始めます。これは暗黙のルールのようです。新郎側はそのあとも延々と続けるそうです。その理由を中国人社員に訊いても誰も知りませんでした。また、初婚の場合は午前中に行い、再婚の場合は夜に行われると聞きましたが、理由はよくわかりませんでした。

 

▮共に白髪

 ところで、中国では、例えば張さんと王さんが結婚しても姓はそのまま。実は「夫婦別姓」がスタンダードです。そして、二人の間に子供が生まれたら夫の姓を名乗るそうです。

 結婚というシーンでも、日本との違いはもちろん、中国国内でも地方によって習慣の違いがあって興味深いものです。

 しかし、結婚する二人に対し「末永くお幸せに」と祝う気持ちは万国共通。中国での結婚式のスピーチの締めくくりは「白頭到老」という詩経にあることわざ。新郎新婦の喜びに拍手を送ると共に、親御さんの大変なご苦労があったことを忘れないでと願うばかりです。

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