【和を貴しとなす】とのことわざ 社内に作ったサッカーチーム でも、短命で終わった…

労働公園にあるサッカーボールを模したモニュメント
中国人はサッカーが大好き。野球などよりははるかに人気のあるスポーツです。ある時、会社にサッカーチームを作ろうか?と社員につぶやいたところ、これが大反響!
社員達が自らメンバーを募集するなど、準備を整え意気揚々と結団。ところが、残念なことに長続きしなかったのです。なぜ…?
サッカーチームを作った!
当時、仕事上では結構な大目標を掲げ、時には辛辣なことを言ったりしていました。
韓非子は厳罰をためらっていたら荒くれ者は止まらないと、信賞必罰による組織管理が大原則であると主張しています。
会社組織においてもそれは言えることで、日常の厳格さが組織維持と拡大には不可欠であると思います。特に中国では欠かせない考え方であると思います。
ただそれだけでは、潤いのない無味乾燥のぎすぎすした組織になってしまう可能性も多分にあります。それでは事業発展を望むべくもありません。
そこで、オフタイムを利用して体を動かし、厳しさの中にものびやかな潤いのある組織作りと、和を貴しとするような、お互いが協力し合う心を醸成できればというのがサッカーチーム作りを思いついた背景でした。
短命に終わった!
会社のロゴを入れたユニフォームを作り、土日にグラウンドを借りて練習を開始。練習だけでは飽き足らなくなって、自社でサッカーチームを持っている顧客に申し込んでは試合も行いました。
しかし、いわば素人が集まっただけのにわかチーム。残念ですがゲームに勝つことはできませんでした。
何より困ったのは、けが人が続出したこと。
サッカー好きの社員で構成されたチームであり、若い社員ばかりではありませんでした。中年の社員の中には体力がついていかず、転んだりしてけが人が続出。このままでは仕事に影響が出かねない状況となり、チームは自然消滅。
チームにはコーチもいませんし、ベテラン社員がリーダー的な役割を担ったと言っても、11人が組織だった動きは簡単ではないことが改めてわかりました。
我が社ではそんな大人数のグループ管理は無理だったということです。現場で得た経験値では5~6人がいいところ。以後、社内組織は5人単位でグループを編成することになりました。
サッカー観戦、怖い!
それにしても、中国人は無類のサッカー好きです。
私が大連に駐在していた時のこと。ある時、日本のJリーグのチームが大連に来て、現地のプロチームと親善試合をしました。
私は初めてサッカーの試合を現場で観戦しました。スタンドに入るゲートでは缶瓶類や危険物など持ち物の検査のあとスタジアムに入り、両軍の動きが一番わかりやすかろうと思いバックスタンドの中央付近に席を確保しました。
ゲームの開始時刻が近づくにつれ観客が増えてきてあることに気がつきました。日本チームにとっては完全なアウェーゲーム。私が陣取った観客席の反対側にほんの少しロープで仕切られた日本の応援席があり、それ以外はすべて中国人ファンでいっぱいです。もちろん私の周囲も、です。
地元チームがチャンスを迎えると競技場全体が地鳴りのような声援が沸き起こります。一方、日本チームがチャンスと時には、聞くに堪えないような激しい不満の言葉が飛び交い、大変なところに座ってしまったと、前半が終わったところで早々に競技場を後にしました。アウェーの大変さをほんの少し知ることができました。
結局その親善試合はドローだったようです。やれやれと、翌日は何もなかったように、通常通りに出勤、中国人の社員達と仕事に励むことになりました。
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中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言
不忍诛罚则暴乱者不止 / 誅罰に忍びずんば、暴乱の者止まじ
◆中国語:不忍诛罚则暴乱者不止 [ bù rěn zhū fá zé bào luàn zhě bùzhǐ]
◆日本語表記:不忍誅罰則暴乱者不止
◆出典:韓非子(奸劫弑臣)
◆原文:有施与贫困则无功者得赏,不忍诛罚则暴乱者不止。
◆意味:懲罰をためらっていると法を破る者が止まらない。社員から嫌われたくないからといって思いやりばかりでは、会社経営は成り立たない。
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和为贵 / 和を貴しとなす
◆中国語:和为贵 [ hé wéi guì ]
◆日本語表記:和為貴
◆出典:論語(学而)
◆原文:“礼之用,和为贵。先王之道,斯为美,小大由之。
◆意味:何事をやるにも、みんなが仲良くやり、争いを起こさないのが良い。(仲良しグループではないので、和だけがあればよいという訳ではなく、規範が確立されていなければ意味はない。)
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怨声载道 / 怨声載道
◆中国語:怨声载道 [ yuàn shēng zài dào ]
◆出典:詩経(大雅·生民)
◆意味:怨嗟の声が道にあふれている。
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