中国で見知らぬ人とタクシーに相乗りしますか? 敬遠か彼此彼此か…
東京ではこの1月から相乗りタクシーの実験が始まったそうです。
中国ではずっと前からタクシーの相乗りは当たり前のこと。
ある時、中国の街でタクシーを拾おうと思い手を上げた。止まったタクシーの窓越しに運転手に行先を告げ、乗れと言うので乗り込もうと後部のドアを開けたら、見知らぬ人が既に乗車していました。
これって、相乗りじゃないのか。う~ん、どうしよう…。
目次
飛んで火にいる夏の虫…なんてことにならないよう
乗ろうとしたタクシーに既に乗客がいた場合、ちょっと心配ですよね。
もし、運転手と乗客を装って“獲物”を狙っていたとしたら…。
運悪くというか不用意というか、そんな相乗りをした結果、路地裏で止められ、金品を奪われたという事件が過去には実際にありました。
中国の状況を理解しているつもりでも所詮は外国人。不用意な行動はとんでもないことにつながりかねません。飛んで火にいる夏の虫…なんてことがないように、ご用心ご用心。
それとは反対に、自分が先に乗っていた時に、運転手が他の客を乗せようとする場合もあります。急いでいるときなど、相乗りをしたくない場合は運転手にはっきりと告げなければなりません。でもひと悶着があるかもしれません。
どちらの場合も、運転手は相乗り客の双方からそれぞれ運賃を受け取ります。先に乗っていた場合はメーターが倒れていますから別として、後から乗った方は料金をいくら払うのでしょうか。これはもう大体です。運転手が言う金額がよほどひどくない限り、言い値で払うよりありません。
つまり、中国での相乗りは運転手が楽をして稼ぎを増やすためのものでしかありません。乗客も同胞である運転手が生活しなければならないという立場に理解を示します。
中国では当たり前のようなタクシー相乗りですが、事件に遭遇しないよう見知らぬ人との相乗りは重々気を付けなければなりません。日本人にとっては慣れない中国で、一人でタクシー相乗りするのは敬遠したほうが無難かも…?
タクシーの運転手さんの家族と同乗した怪
瀋陽に出張した際、こんなことがありました。
タクシーに乗り目的地に向かって走り出して間もなく、とある団地で突然停車したのです。何事かと思いきや、中国人の中年女性とその息子らしき子供が勝手に乗り込んできました。「ニーハオ」と言いながら…。
運転手の言い訳を聞くと、彼の奥さんと子供さんが買い物に行くので乗せたとのことです。
その奥さんは特に悪びれるわけでもなく、ごく自然に私に話しかけてくるのです。「どこから来たの?」「仕事ですか、観光ですか?」などと。
そうこうしている間にスーパーに着き、奥さんと子供さんは「再見」(さようなら)と言って車から降りました。
運転手の家族と同乗したのだけれど、彼らにとっては日常的なことなのでしょうかね。
なんとまぁ、よく言えばおおらか、でも営業中のタクシーではあり得ないことです。
彼此彼此
一方で、急な雨や朝夕のラッシュ時にはタクシーがなかなか捕まらず、難儀することがあります。そんな時の相乗りはむしろありがたいですよね。先に乗っていた客からも「乗って、乗って」と誘ってくれることもありました。
どこにいても困ったときはお互い様。世の人は悪い人ばかりではもちろんありません。
定着するか、相乗りタクシー
ところで、実験が始まった東京での相乗りタクシーはスマホのアプリを利用して、他人同士が相乗りするサービスだそうです。
中国と違うのは乗車料金が割り勘になり、単独で乗車するよりも安く乗れることです。
スマホがない時代から当たり前のタクシー相乗りは、どちらかというと運転手の稼ぎを増やすことに重きを置かれたもので、日本のそれとはかなり異なります。
さて、この相乗りタクシー、日本では定着するのでしょうか? とても興味があります。
>「成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。
中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説
飞蛾扑火 / 飛ぶ蛾 火に捕る
◆中国語:飞蛾扑火 [ fēi é pū huǒ ]
◆日本語表記:飛蛾捕火
◆出典:唐·姚思廉《梁书·到溉传》:“如飞蛾之赴火,岂焚身之可吝。”
◆意味:自ら滅亡することの比喩。飛んで火にいる夏の虫。
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敬鬼神而遠之 / 鬼神を敬して遠ざく(敬遠)
◆中国語:敬鬼神而遠之 [ jìng guǐ shén ér yuǎn zhī ]
◆出典:論語(雍也篇)
◆意味:神霊は遠くから崇敬すべきものであまりなれなれしく近寄らないように、というのが本来の意味。現在では、敬いつつも近寄らない。尊敬してはいるけれども近くにも寄らない、つまり「敬遠」の意。
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彼此彼此 / お互い様
◆中国語:彼此彼此 [ bǐ cǐ bǐ cǐ ]
◆出典:清·郭小亭(济公全传)
◆意味:お互い様(挨拶言葉)
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