孫子は【同舟共済】と できちゃった婚を破綻させないように…

晴れ渡る天空のような亮とした心で(2017年5月)

お気楽・日本本社とわがまま・中国側パートナー。間に挟まれた現地会社責任者が担う重責。仲の悪い者同士であっても同じ船に乗り合わせたのですから、協力して困難を乗り越える努力が求められるのだが…

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ(五十音順)

 

奉子成婚 / 子を奉じ婚を成す

  • 中国語:奉子成婚   [ fèng zǐ chéng hūn ]
  • 意味:できちゃった結婚。「先上车后补票(先上車後補票=まず乗車し、後から切符を買う)」とも。
  • ことわざではありません。

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心领神会 / 心領神会(しんりょうしんかい)

  • 中国語:心领神会   [ xīn lǐng shén huì ]
  • 出典:送傅德谦还临川序
  • 意味:言葉に出さなくても心の中で理解すること。神は心の意。領、会はいずれも理解すること。

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打开天窗说亮话 / 天窓を開け亮話を説す

  • 中国語:打开天窗说亮话  [ dǎ kāi tiān chuāng shuō liàng huà ]
  • 出典:官场现形记
  • 意味:窓を開けてはっきりした話をする。腹を割って話すこと。ざっくばらんに話す。率直に話す。

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同舟共济 / 同舟共済

  • 中国語:同舟共济   [ tóng zhōu gòng jì ]
  • 出典:孫子(九地)
  • 意味:同じ船に乗り共同して川を渡る。力を合わせて困難を克服する例え。

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日久见人心 / 日を久しくして人心を見る

  • 中国語:日久见人心    [ rì jiǔ jiàn rén xīn ]
  • 原文:路遥知马力、日久见人心(路(みち)遥かにして馬の力を知り、日を久しくして人の心を見る)
  • 出典:争报恩(元の時代の芝居)
  • 意味:長距離を走らせれば馬の力が分かり、長く付き合えばその人の心が分かる。

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記事:【同舟共済】 できちゃった婚を破綻させないように…

▮日久見人心

 悠久の大地で事業を展開しようと大きな希望をもって設立した現地の合弁会社。中国側のパートナーの協力を得て発展させたいとの願いもあるが、現実はその両者の関係が時としてぎくしゃくし、途上で破綻することが少なくない。

 よくよく考えてみると、合弁を組んだパートナーの人となりすら、あまりわかってはいない。それもそのはず、人を介して、実力者だ、資本家だ、等々良いことばかり聞かされてタッグを組んだのですから。

 得てして、そういう風に紹介された場合、紹介をした人との間には利害が働いているものです。中国のことわざに「日久见人心日を久しくして人心を見る」とあります。人から紹介をされ、何度か面談しただけでは、共同して経営するパートナーとしてふさわしいかどうか、よくはわかりません。

 

▮奉子成婚

 とは言っても、人となりがわかってから合弁することを決める、などと悠長なことでは話がまとまるわけがありません。

 もともと、中国で合弁を組むということは、言わば「奉子成婚子を奉じ婚を成す)」です。子供ができてから結婚するできちゃった結婚みたいなもの。先に切符を買うのではなく、まず乗車してからそのあとで切符を買う。きわめて卑近な例ではありますが、当たり外れがあることは覚悟しておかねばなりません。

 

▮心領神会

 もっとも、中国側でも日本側のことを、当たりだ、はずれだ、と思っているかもしれません。まあ、お互い様ですかね。

 せっかく組んだタッグですから、少々のことがあっても何とか前に進め、願わくは発展させたいところです。そのために欠かせないのが双方のコミュニケーションです。破綻例の多くはコミュニケーションが決定的に不足しているのではないでしょうか。

 言葉に出さなくても理解できる「心領神会」ということわざがあります。しかし、それは限りなく不可能に近いのが現実。言葉や習慣の違う双方が、意志を伝え理解しあえることは簡単にできるわけがありません。

 経営方針の基礎となる考え方や手法は、一回や二回説明しても相手側には十分には伝わらない。自己の思いをパートナー側に伝え理解を得るには、何回も繰り返し説明し、意見を聞く努力が欠かせません。

 

▮打开天窗说亮话

 中国には「打开天窗说亮话(天窓を開け亮話を説す)」という言葉があります。差し詰め、「腹を割って話す」ということになるでしょうか。

 会社運営状態、問題点、営業成果等々の情報を合弁パートナーと常に共有し、改善策を相談することができる協力関係が不可欠です。それは出資比率とは関係なく大事にしなければならない事項です。

 意図しない合弁の破綻の原因の多くが互いの理解不足であることを考えれば、双方のコミュニケーションは過剰と思うくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

 

▮同舟共済

 考えてみれば、もともと合弁契約というのは締結時から問題を抱えているわけですから、成功のツボはむしろ合弁成立以後にあるといえます。共同経営がスタートして、いずれそのうち日中双方の投資者間で思惑の違いから関係がギクシャクするときが来ると考えるべきであると。

 そんな時には孫子の「同舟共済」ということわざを思い出す事が必要です。仲の悪い者同士であっても同じ船に乗り合わせたのですから、協力して困難を乗り越える努力が求められる、ということです。

 お気楽な日本本社サイドは、「えいやあ」で決めて見切り発車し、後は頼むぞと肩をたたかれ派遣された総経理(社長)は、後々大変な重責を背負い込んだことに気がつきます。

 しかし、パートナー側との毎日のようなコミュニケーションが取れるのは、現地会社の総経理以外には無いのも事実。そう考えると、合弁事業の発展は現地総経理の肩にかかっていると言っても過言ではないのです。

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