論語には【楽しみて以て憂いを忘る】と 下手なゴルフも明日への癒し

中国・大連のゴルフ場にて(2012年7月)

中国で仕事をする人たちにとっては、日々のストレス、仕事上の問題等々様々な「憂い」忘れさせてくれるのがゴルフ。どんなに下手でも、それなりに没頭できるのです。仲間内でのラウンドは、後々も笑えることが満載です。  

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ(五十音順)

 

破釜沉舟 / 釜を破り 舟を沈む

  • 中国語:破釜沉舟   [ pò fǔ chén zhōu ]
  • 出典:史記(项羽本纪)
  • 意味:釜を壊し船を沈める。不退転の決意を固めること。(楚の項羽が秦と戦った時に、渡河した後すぐに船を沈め、三日分の食料を残して、飯を炊く釜も壊して戦いに臨んだ、という故事)

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兴高采烈 / 興高采烈

  • 中国語:兴高采烈   [ xìng gāo cǎi liè ]
  • 出典:文心雕龙(体性)
  • 意味:有頂天であること。喜び勇む、大いに興に乗る様子。

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不顾前后 / 前後を顧みず

  • 中国語:不顾前后   [ bù gù qián hòu ]
  • 出典:紅楼夢
  • 意味:前後を顧みず、少しもはばからないことの例え。向こう見ずであること。

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乐以忘忧 / 楽しみて以て憂いを忘る

  • 中国語:乐以忘忧   [ lè yǐ wàng yōu ]
  • 日本語表記:楽以忘憂
  • 出典:論語
  • 意味:(学問を)探究することを楽しんで心配事も忘れる、との意。学問に対する思いを示した言葉。

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经世济民 / 世を経(おさ)め民を済(すく)う

  • 中国語:经世济民   [ jīng shì jì mín ]
  • 出典:抱朴子(审举)
  • 意味:社会の繁栄をもって民がつつがなく暮らせるようにすること。世を治め民の苦しみを救う。経済の語源。

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記事:【楽しみて以て憂いを忘る】 下手なゴルフも明日への癒し

▮不顧前後

 大連の冬は長い。しかも、しばしば最高気温がマイナスの極寒。従って数か所あるすばらしいゴルフコースもさすがに冬場はクローズ。

 そんな中で真冬でもオープンしているゴルフ場が一箇所だけあります。真冬でもプレーをするゴルファーがそこそこいるからだそうです。そこで、物は試し、ゴルフ仲間の友人と二人で、元旦にラウンドしたことがあります。

 ダウンジャケットを着て毛糸の帽子をかぶり、ポケットにはカイロを入れて万全の防寒体制で勇んで出発。

 そのコースは渤海湾を望む崖の上のコースです。海からの風の冷たいこと。ティーイングエリヤに備え付けの槌を使わないとティ―が立ちません。ラウンド途中で渤海湾を見下ろすと何と海が凍っているではありませんか。余りの冷たさに、3ホールが終わった時には手はかじかんで、頬は痛い。完全に戦意喪失し、あえなくそこでギブアップ。

 「不顧前後」という古来のことわざがあります。何事によらず、向こう見ずでは、好い結果は期待できないということです。

 

▮破釜沉舟

 ある日のプレー。そこはパー3のショートホール。右側には崖が迫っている結構トリッキーなホール。そこで、やおらバッグから取り出したものは…

 実は日本で買ったカラーボール。自分の腕前からすると安いロストボールで十分なのですが、つい緑色のカラーボール1ダースを買っておいたのです。

 「百獣(110)の王」と揶揄された腕前では、一個何百円もするカラーボールは使うのが惜しかったのですが、ショートホールならOBも無いだろうからとティーアップしました。それを見た仲間からは、まるでキュウリの色のようだと。確かに、透明感のある鮮やかな緑色のボール。

 ここぞという時に取り出したこのボール、後には退けない「破釜沉舟」ということわざのとおりの決死の思いでティーショット!

 ボールは意に反してグリーンの右側の崖の中に吸い込まれてしまいました。仲間は「キュウリは何処へ行った?」と笑っています。出てくるわけの無いボールの行く手を眺め、「キュウリに聞いてくれぇ!」と。

 

▮興高采烈

 豪快な打ち下ろしのパー5のロングホール。テーショットに続いて、何と第2打も会心の当たりで2オンに成功。ゴルフ人生初のイーグルチャンスだ!

 「興高采烈」、小躍りしながらグリーンへ。ロングパットにはなるがうまく入ればイーグル、悪くても2パットでバーディが取れそうです。

 自分の腕ではロングホールでバーディを取ることが珍しいくらいですから、イーグルパットはびびって大幅なショート。気を取り直してバーディパット。しかし今度はオーバー。返しのパーパットも外れ、結局4パットでボギー。ついさっきまではイーグルの可能性に喜び勇んでいたのに、溜め息の出る結末。

 

▮経世済民

 大連市内から約1時間、そこには黄海に面した絶景のコースが。

 崖から打つ海越えのショートホールはなかなかのもの。テーイングエリヤに立つと右手には砂浜が広がり地元の漁師たちが作業をしているのが見えます。

 ワンオンを狙って思いっ切りスイング。ところがボールはスライスがかかり、砂浜をめがけて飛んで行った。「看球!」とキャディさんが大声で。…OBです。

 そのゴルフ場に続く道端で地元の人たちがロストボールを売っています。砂浜に打ち込みOBとなったボールを拾い集め売っているのです。その中に自分のボールも含まれていると思うと少々複雑な気持ちが。

 しかし、「経世済民」、ここではこれも経済が回っているうちのひとつ。まあ、良しとしよう。

 

▮楽以忘憂

 孔子は「楽以忘憂」という言葉を残しています。学問に没頭して憂いを忘れるという意味です。中国で仕事をする人たちにとっては、日々のストレス、仕事上の問題等様々な「憂い」がたまります。そんな日頃の憂いを忘れさせてくれるのがゴルフ。どんなに下手でも、それなりに没頭できるのです。接待ゴルフは別として、仲間内でのラウンドは、後々も笑えることが満載です。

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