【一陽来復】とのことわざ 冬は必ず春となる 人生辛くとも頭を上げて

春の訪れを感じさせてくれるハクモクレン(2020年3月大阪)

辛い時、うまくいかないときにも腐らず、地道に努力を続けることこそが大事。その努力が認められる時が必ず来ます。腐ってしまってはそのチャンスを自ら遠ざけるのと同じです。止まない雨はない、冬は必ず春となる!

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ(五十音順)

 

黯然销魂 / 黯然として魂を銷(とか)す

  • 中国語:黯然销魂   [ àn rán xiāo hún ]
  • 出典:南朝・梁・江淹(别赋)
  • 意味:「销魂」とは魂が肉体から離れること。暗然として意気消沈、がっくりすること。悲しみに打ちひしがれる。

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一阳来复 / 一陽来復(いちようらいふく)

  • 中国語:一阳来复   [ yī yáng lái fù ]
  • 出典:易経
  • 意味:冬が終わって春が来ることの意。転じて新年が来ることを意味する。更に転じて、悪いことが続いた後でようやく良い方向に向かうことの意。
  • 古代人は天地には「陽気」と「陰気」があり、夏至は「陽気」の終わりであると同時に「陰気」の始まりであり、冬至は「陰気」の終わりであると同時に「陽気」が再び始まると認識していた。これを「一陽来復」と言いました。

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遇不遇者时也 / 遇と不遇とは時也

  • 中国語:遇不遇者时也   [ yù bù yù zhě shí yě ]
  • 出典:荀子
  • 意味:「不遇」とは能力や才能が有るのに運が悪くてうまく行かないこと。「遇」は何をやってもうまく行くこと。人生の途上での遇と不遇は「時」による。そうであるのだからそれ自体が問題ではなく、不遇のときにどう対応するかが問題なのである。そんな時には、自分にとっての充電期間だと思い鍛える中で「時」が来るのを待つのが良い。

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不患无位,患所以立 / 位無きを患(うれ)えず、立つ所以(ゆえん)を患う

  • 中国語:不患无位,患所以立   [ bù huàn wú wèi, huàn suǒ yǐ lì ]
  • 出典:論語
  • 意味:地位に就けないことを嘆く前に、その理由を考えた方がよい。つまり自分の実力をつけることにつとめよ、との意。

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突如其来 / 突如其れ来たり

  • 中国語:突如其来   [tū rú qí lái]
  • 出典:易(离)
  • 意味:予想外のことが不意に出現すること。藪から棒。

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記事:【一陽来復】冬は必ず春となる 人生辛くとも頭を上げて

▮黯然銷魂

 地方支社の責任者として勤務に励んでいた47歳の彼。自分の油断からか部下の過ちが短期間に連続して発生し、管理責任を厳しく追及されました。事件発生の後、次々に尋問のような社内調査が続き、彼は「黯然銷魂」と、打ちひしがれてしまいました。名も無きサラリーマンとして一から叩き上げここまで来たのに…

 築いてきたものが一瞬にして崩壊し、心も折れました。そして、結果は、責任者としての役職は解かれ、他地域へ左遷の憂き目に。彼は腹の中で思いました、自分のサラリーマンとしての人生は終わった、と。

 

▮立つ所以(ゆえん)を患う

 打ちのめされ、どん底で20年以上務めた会社を退職することも考えました。しかし周囲の支えがあったおかげで、再び歩き出すことにしました。

 人生は順風満帆な時ばかりではなく、むしろ逆風の吹くことの方が多いかもしれません。役職を解かれ、部下も無くなりました。なぜこんなことになったのか…

 論語には「位無きを患えず、立つ所以(ゆえん)を患う」とあります。そうなったことを嘆くよりも、その理由を考えた方がよい。そして、更に自分の実力をつけることに努めよと。

 直接的には部下の過ちが原因であったとしても、そうなった理由を自身の問題として考えよということです。置かれた状況はまったく不本意ですが、自分の心まで腐ってしまっては決して希望は訪れません。

 

▮遇と不遇とは時也

 中国・戦国時代の思想家である荀子は「遇と不遇とは時也」と言いました。最も大事なことは不遇のときにどう対応するか、です。逆風にさらされたとしても、辛い気持ちを胸に秘め、コツコツと努力を重ねていると、やがてその努力が認められる時が必ず来ます。腐ってしまってはそのチャンスを自ら遠ざけるのと同じです。

 春のこない冬はありません。むしろ寒い冬があるからこそ、桜も春になれば美しく咲くのだ。その不遇の時の経験が自分を大きくさせてくれます。人生には無駄はないということです。

 

▮突如其れ来たり

 左遷された先での仕事が10カ月ほど経過し、ようやく環境に慣れてきたころのこと。まったく予期していなかったことが突然やってきました。上司でもある役員から呼ばれ、中国・上海への転勤内示を受けたのです。

 中国のことわざでは「突如其来(突如其れ来たり)」と。海外勤務をしたいという希望も興味も無かった彼にとっては、藪から棒の話。その驚きは大変なもので、頭が真っ白になるとはこういうことかと。

 本来なら二つ返事で「行きます!」とお答えすべきところでしたが、「二日ほど考えさせてください」と返事するのがその時は精一杯。

 えらいことになった、と六人の先輩や同僚に相談をしたのですが、全員が「当然行くべきだ」とのアドバイスでした。納得した彼は意を決し役員に「行きます」と報告しました。

 

▮一陽来復

 それからというもの、業務引き継ぎや諸々の渡航準備などでバッタバッタ。初めての海外赴任ということですから当然ながら不安な気持ちの中にも、久しぶりに心の弾みを感じました。

 易経には「一陽来復」という言葉が。長い冬が終わって春の兆しがかすかに見える、そんな気持ちが徐々に高まってきました。左遷先での勤務は僅か十カ月でしたが、仲間の皆さんは、肩を組み涙を流しながら送り出してくれました。一生忘れられない宝の思い出と、仲間達のメッセージを記した色紙を抱きしめ上海に赴任しました。

 止まない雨はない、夜明け前が最も暗い、冬は必ず春となる。辛い時、うまくいかないときにも腐らず、どんな時も地道に努力を続けることこそが大事。このことが心に沁みました。

 その後14年半もの長い間、中国に駐在をすることになりましたが、その遠因とも言うべきは、一旦退職を決意したときに、それを引き止めてくれた先輩・同僚の方々の心からのアドバイスがあったからこそ。

 不遇の時の友の支えに感謝し、うまくいっているときには、それは自分だけの力ではないことを知る。そんな謙虚な姿勢が成功を掴むことができるのです。

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