書経には【山を為ること九仞…】 競争の激しい現代社会で人を癒す…

大連・労働公園の日常的風景(2018年5月)

 途中であきらめず最後まで歩み続けることで事を為すことができる。しかし、これは簡単ではありません。プレッシャーに苛まれることもあるでしょう。とにかく、止まりさえしなければ、どんなにゆっくりであっても進めば、いずれ成し遂げることができるのです。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

仰不愧于天 / 仰ぎて天に愧(は)じず

  • 中国語:仰不愧于天   [ yǎng bù kuì yú tiān ]
  • 原文;仰不愧于天,俯不怍于人(仰ぎて天に愧じず、俯して人に怍じず)
  • 出典:孟子(尽心・上)
  • 意味:自分の行いが天を仰いで恥じることが無く、伏しては人に対して恥じることが無い。行いが清く正しいこと。

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目中无人 / 目中に人無し

  • 中国語:目中无人   [ mù zhōng wú rén ]
  • 出典:东周列国志
  • 意味:誰も眼中にないこと。人を見下した傲慢な態度。

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为山九仞,功亏一篑 / 山を為(つく)ること九仞、功一簣に虧く

  • 中国語:为山九仞,功亏一篑   [ wéi shān jiǔ rèn gong kuī yī kuì ]
  • 出典:書経(旅獒)
  • 意味:「仞」は高さの単位。「篑」は土を運ぶための籠。土を盛り上げて九仞まで山を築いたのに、最後の一籠の土を摘むのを怠れば完成しない、との意。(これは自分が投げ出したからである。歩み続けることが事を為すことになる。止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばいずれ成し遂げることができる)

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洋洋得意 / 洋洋得意

  • 中国語:洋洋得意   [ yáng yáng dé yì ]
  • 出典:史记·管晏列传
  • 意味:鼻息が荒く、得意満々であること。鼻高々。

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記事:【山を為ること九仞…】と 競争の激しい現代社会に人を癒す…

▮目中無人

 中国は約5900万世帯、日本は約1300万世帯。中国は日本の約4.5倍。これは犬や猫などのペットを飼っている世帯数です。中国におけるペット産業の市場規模は約1兆5千億円と日本より遥かに大きくなり、いつの間にか中国はペット大国になっていました。

 かつて、毛沢東の時代には、ペット飼育は贅沢だということで禁止されていました。2000年代に入っても、犬を飼うには最初に登録料として5千元がかかり、まだまだお金持ちにしかペットは持てない時代でした。

 当時は経済急成長の真っ只中。増加中であった富裕層の人々の、成功者としてのある種のステータスとして、ペットの犬を飼っていたのではと思います。

 その頃の犬の散歩は、リードもつけずに放し飼い状態。世の中の皆が犬好きとは限らないのに、放し飼いとは「目中無人」もいいところ。もちろん(?)ティッシュも持たず手ぶらで散歩とは、自己中心の姿にはあきれるばかり。

 

▮洋洋得意

 見るからに高価そうな子犬の後ろについて散歩をしているおじさん方は、お金持ちを象徴する出っ張ったお腹を抱えドヤ顔。その雰囲気は中国のことわざにある「洋洋得意」とばかり、得意の様が溢れています。犬を散歩させているというよりも、人よりも早く豊かになったことを見せびらかすために犬を連れている、そんな感じが見て取れます。

 2010年頃、街角の露店でも子犬が200元~300元程度で売られていました。当時はペットブームの走りのころで、何でもブラウン系の子犬が高く売れるということで、子犬をブラウンに毛染めをしていたという話もありました。

 

▮仰ぎて天に愧(は)じず

 最近は散歩中の犬が誘拐される事件が発生したそうです。おそらく、転売して利益を得ることが目的であったと思われます。そのためかどうか、大事な子犬の散歩にはリードを使うようになったようです。中にはリードをつけた二匹の子犬を連れて散歩していることも。中国のペット事情も昨今ではずいぶん変化してきたものです。

 大連の労働公園には「寵物便便箱(ペットうんち箱)」なるものが出現しました。一見、鳥の巣箱のようにも見えますが、散歩中の犬のためにトイレットペーパーを入れている箱のようです。側面には「犬の散歩はリードをつけて」と、また正面の下には「文化的な犬の飼育は自分から始めよう」とのスローガンが書かれています。

 孟子は「仰ぎて天に愧(は)じず」との言葉を残しています。人が見ていようが、いまいが恥じることはせず、正しく生きようと。古典には素晴らしい格言がたくさんありますが…

 ペットの犬の散歩の際にも、以前と比べればマナーもよくなりつつあります。

 

▮山を為ること九仞、功一簣に虧く

 中国でペットと言えばまだまだ犬が幅を利かせていますが、猫も負けてはいません。大連の繁華街にある高級ショッピングセンターに猫カフェがあります。「喵匠咖啡」という名前のその猫カフェ。「喵」とは猫のニャーニャーという鳴き声のこと。「ガラス越しには何匹ものかわいい猫ちゃんがお客さんを癒しているのが見て取れます。

 聞けば、従来は成功者とされる富裕層が専らペットを飼っていましたが、今では若年層が多くなってきているようです。背景には、経済の発展とともに若年層を含めて、給与水準が上がったと同時に厳しい競争社会があるようです。

 日々、仕事上でのストレスに晒され、疲れた心身を猫や犬に癒しを求めているのではないでしょうか。聞けば全国的に猫カフェが増えているとのことでした。

 「山を為(つく)ること九仞、功一簣に虧く」とは書経にある名言。途中であきらめたりしないで、最後まで歩み続けることで事を為すことができる、との意味です。しかし、なかなか簡単にできることではありません。プレッシャーに苛まれることもあるでしょう。そんな時には可愛いペットが癒してくれ、競争社会の中で再び前進する活力が生まれるでありましょう。現代の企業戦士にとって、ペットは家族の一員であり、よき理解者でもあります。

 とにかく、止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばいずれ成功を手にすることができることを確信したいと思います。

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