【豪言壮語】ということわざ 一生懸命頑張ると言うが実は利益により動く…

中山広場の歴史建造物・旧清国大清銀行 1910年の建築(2016年10月大連)

仮に自社で通常よりも好待遇で採った人材は、いずれもっと条件の良いところへ移って行く可能性が大。キャリアアップと言えば聞こえは良いが、そんなことが当たり前の社会で、驚いてばかりいられません。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

豪言壮语 / 豪言壮語

  • 中国語:豪言壮语  [ háo yán zhuàng yǔ ]
  • 出典:玉堂丛语·一·文学·丘濬
  • 意味:本来は、気迫のこもった言葉,勇壮な言葉のこと。転じて、できもしないのに大きなことを言うとの意。

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匠人成棺、则欲人之夭死也 / 匠人、棺を成れば則ち人の妖死せんことを欲す

  • 中国語:匠人成棺,则欲人之夭死也   [ jiàng rén chéng guān zé yù rén zhī yāo sǐ yě ]
  • 出典:韓非子(備内)
  • 原文:与人成舆,匠人成棺,则欲人之夭死也
  • 意味:匠人(職人)は棺を作ったら、人が夭死(若死に)することを思う。人が死んでくれたら(棺桶が売れて)自分の利益になる。

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恃人不如自恃人 / 人を恃(たの)むは自ら恃むに如かず

  • 中国語:恃人不如自恃人   [shì rén bùrú zìshì rén]
  • 出典:韓非子
  • 意味:他人を頼むより自分を頼め。「恃む」とはあてにすること。他人を頼むことは愚かであり、それよりも自分を信じ、自分の力で解決する以外にない、ということ。

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目瞪口呆 / 目瞪(とう)口呆

  • 中国語:目瞪口呆   [ mù dèng kǒu dāi ]
  • 出典:元·无名氏(赚蒯通)
  • 意味:目を大きく見開き口をぽかんと開けるさま。驚き呆然とする。あっけにとられる。

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記事:一生懸命頑張ると言うが実は人は利益により動く

▮豪言壮語

 日本語学習人口が世界でもトップクラスの中国。その中でも大連の日本語学習熱はかなりのもので、街の中のお店などでもよく日本語を耳にします。また、どの日系企業にも何人かの流暢な日本語を話す社員がいます。

 そんな中のある社員は「会社のために一生懸命に仕事を頑張ります」と流暢な日本語で。中国のことわざである「豪言壮語」。個人主義が専らの中国で、「会社のために」とは日頃社員から聞くことの無い勇壮な言葉で頼もしい限り…

 しかし、残念なことにわずか数日後、彼は突然会社を辞めてしまったのです。

 

▮目瞪口呆

 頼もしく見えた彼が会社を辞めたことがわかった時には、「目瞪(とう)口呆」ということわざのとおり驚きとともに唖然! つい先日の勇壮な発言はいったい何だった…

 よくよく聞いてみると、その時の彼の給料の2倍を出す会社が見つかったので、彼はそっちに行ったとのことでした。一般的には、日系企業の当時の給与水準は国内企業よりかなりよく、なかなかの人気でしたが、外資企業の中にはそれよりはるかに高く、そう言うところに就職することはある種の憧れであったようです。

 そういえば、「豪言壮語」との言葉には、できもしないのに大口をたたく、という意味もあるようで、彼の頼もしい言葉は実はこれだったのかもしれません。

 

▮妖死せんことを欲す

 少々、生臭いですが韓非子には「匠人、棺を成れば則ち人の妖死せんことを欲す」とい一節があります。棺を作った職人は、人が死ぬことを望むというのです。人が死なないことには自分が作った棺桶は売れないからだということです。死んでくれたらその職人の利益になると。人は利益によって動く。常に損得を考えているというのが韓非子の考え方。

 4日ほど前はこの会社が良かったが、もっといい会社が見つかったから、さっさとそっちに行くのは至極当然かもしれません。

 また、自分の顧客などの名刺を持ったまま、会社を辞める営業員。会社から給料をもらい仕事をして得た情報ですが、自分が努力して知りえた営業情報なのだから自分のものだ、そう考えて何が悪いのか、と言わんばかり。

 個人をベースにいろんなコミュニティを持って生活をし、仕事をしている彼らにとっては、人脈は命、財産に次ぐ大事なものであると考えているはずです。

 

▮人を恃むは自ら恃むに如かず

 待遇の良さだけにつられてさっさと辞めていく社員、名刺をごっそり持ったまま辞める社員、共通しているのは会社への帰属意識がとても希薄であることです。お金のためだけに仕事をするわけではない、という言葉も何となく虚しさが漂います。

 帰属意識の薄さは、他人を当てにできないという考え方と表裏をなしているのではないか。古来、内戦を繰り返し、味方であったはずの人から裏切られるなどの長い歴史の中で珍しいことではなく、頼れるのは自分だけという考え方が身に沁みついているのかもしれません。

 前出の韓非子には「人を恃むは自ら恃むに如かず」とあります。他人を頼むことは愚かであると。他人を当てにするな、という社会で、彼らは育ってきていることを理解しなければなりません。

 もしそうであるならば、仮に自社で通常よりも条件をよくして採った人材は、いずれもっと条件の良いところへ移って行くことでしょう。本当に必要な人材が流出するのは辛いことです。であれば、給料以外の面で引きつけておく「何か」を持っていなければ、と強く思います。それを総経理(社長)の魅力、会社の魅力と言えるのかもしれません。

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