ことわざ【信口開河】 ビックリ! 口から出まかせは後から面倒なことに

たまにはこんな所でまったりとした時間を(2014年6月ハワイ)

社員を採用するときには、安易に職掌名や担当名をつけたりすると後々面倒なことになりかねません。よくよく考えて決めないと自分がストレスを溜めこむことに事になってしまいます。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

▮今回のことわざ

 

口是心非 / 口は是、心は非

  • 中国語:口是心非   [ kǒu shì xīn fēi ]
  • 出典:桓谭(新论・辨惑)
  • 意味:口で言うことと肚で思っていることが不一致であること。(多くの場合貶す作用)

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君臣之交计也 / 君臣の交わりは計なり

  • 中国語:君臣之交计也  [ jūn chén zhī jiāo jì yě ]
  • 出典:韓非子(飾邪編)
  • 原文:君以计畜臣,臣以计事君。君臣之交
  • 意味:君主は計算ずくで臣下を養い、臣下もソロバン勘定で君主に仕えている、との意。  君臣は所詮打算で結びついている。

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没心没肺 / 心なく肺もなし

  • 中国語:没心没肺   [ méi xīn méi fèi ]
  • 出典:老舍(四世同堂)
  • 意味:考えがなく分別も無いこと。身勝手で周囲への配慮がないことの例え。

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信口开河 / 信口開河

  • 中国語:信口开河   [ xìn kǒu kāi hé ]
  • 出典:西厢记
  • 意味:口から出任せにしゃべること。

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充耳不闻 / 耳を充(ふさ)いで聞かず

  • ◆中国語:充耳不闻   [ chōng ěr bù wén ]
  • ◆出典:詩経(邶风·旄丘)
  • ◆意味:耳を塞いで話しを聞こうとしないこと。我関せずの態度。

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記事:【信口開河】 口から出まかせは後から面倒なことに

▮充耳不闻

 日系企業のオフィスは概ね課ごとに机をいくつか並べる島で構成するのが一般的。忙しく働く社員の傍らに暇そうに本を読んでる社員がいます。暇なら手伝ってやってもよさそうなものですが、「耳を充(ふさ)いで聞かず」とばかり我関せずの様相。

 その暇そうな社員は通訳専門職社員。本来業務である通訳が無い時は暇なのはわかるが、それでも通訳業務以外は知らんぷり。その上司に当たる人も本来業務以外をさせようとしない。何か暗黙の了解のようにさえ感じます。

 ビルの1階には入居テナントの運転手たちの待機室があり、前を通りかかると何やら楽し気な声が。後からその訳を知って唖然。その部屋では運転業務が無く待機中の運転手仲間でマージャンに興じていたのです。世間話や自社の総経理がどうだこうだと、あろうことか勤務時間中に、です。そんなことになっているのを知らなかったのは総経理だけでのお粗末な話。

 

▮口是心非

 総経理が外出するときには、係の者が運転手に連絡し、やおら駐車場から車を出して本来の業務が始まります。運転するとき以外の時間はずっとマージャンです。よくそれで一人前の給料がもらえたものです。

 実は、ひと昔前までは運転免許を持っている人は限られていました。運転できる人はある意味で技能労働者です。「师傅」という尊称まであるくらいです。

 そういう過去があってか、総経理車両の運転手である社員はそれだけが仕事の専門職のようなもの。マージャンで遊んでいても表立って文句を言う社員はいません。

 しかし、遊んでいる時間も給料を払うのは到底容認できませんし、他の社員への悪い影響も心配です。

 そこで、運転手に運転業務がない時に他の仕事をさせようとすると、運転手の彼は「その分の追加給料をくれ」と。

「運転手」として採用され、その対価としての給料も労働契約書に明記されている。運転業務以外の仕事をしなければならないのなら、相当の給料の追加があって当然ではないのか、といのが運転手である彼の言い分です。なるほどと納得したくなるような妙な理屈です。

 しかし、そんなことが出来ようはずはなく、じゃあ、しばらくは今まで通り運転手をしておくようにと討論は収束。以後も何事もなかったように、にこやかに彼の運転する車に乗り込むのですが、腹の中では彼との労働契約は期間満了をもって終了しよう、と更新しないことに。

 中国には、「口是心非(口は是、心は非)」ということわざが。言っていることと思っていることが違うという意味で、自分の腹黒さを感じなくはありませんが、ここは伝家の宝刀である人事権を発動すべきです。

 

▮没心没肺

 また、レストランでよく見かけるシーン。厨房で出来上がった料理をテーブルの近くの配膳台まで運ぶ係、それをテーブルの上にのせる別の係と 一人で出来そうなことを二人がかりでやっているのです。テーブル担当がいなくても、運ぶ係は気にもせず配膳台に置いたらさっさと厨房に戻ります。料理が冷めようがお構いなし。

 中国清代の小説家である老舎は「没心没肺(心なく肺もなし)」との言葉を残しています。周囲への配慮がないことを例えた言葉ですが、お客のことを優先に考える気持ちが少しでもあれば、気を利かす配慮が生まれ、心も杯もないということにはならないでしょう。

 

▮信口開河

 韓非子には「君臣の交わりは計なり」との言葉があります。君と臣は打算で結び付いているというのです。その言葉からは殺伐とした乾燥したものしか伝わってきません。

 現代社会でいえば、会社のためにわが身を犠牲にする社員などいない、という感じでしょうか。皆が損得を計算し、自分の利益につなげようとしている、これが現実です。

 運転ができる総務部社員、日本語通訳ができる業務部社員などと言った一人で二役、三役をするような認識は現地社員にはあまりありません。

 中国・元代の西厢记(せいしょうき)には「信口開河」と、いい加減なことを言ってはならないと戒める言葉があります。

組織をリードする元締めは総経理。社員を採用するときには、安易に職掌名や担当名をつけたりすると後々面倒なことになりかねません。

 よくよく自分で考えて決めないと経営者である総経理自身がストレスを溜めこむことに事になってしまいます。

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