【喜怒哀楽と悲歓離合】人として相手に思いやりを持つことの大切さ

無機的に見えるかもしれない高層ビル オフィス内の人々は暖かい心で(2019年5月大連)

会社のリーダーである総経理自身の人間性で部下社員に向き合うことこそ大事であると考えます。うれしい時は共に喜び、悲しい時には同じ気持ちで寄り添う。目の前の一人の社員を大切にするということは全社員を大切にすることと同義です。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

 

喜怒哀乐 / 喜怒哀楽

  • 中国語:喜怒哀乐   [ xǐ nù āi lè ]
  • 出典:礼記(中庸)
  • 意味:人間のさまざまな感情(喜び、怒り、悲しみ、楽しみ)。

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好事不出门 / 好事門を出でず

  • 中国語:好事不出门   [ hǎo shì bù chū mén ]
  • 出典:景德传灯录
  • 原文:好事不出门,恶事行千里(好事門を出でず、悪事千里を行く
  • 意味:好いことは人に知られることが容易ではない。悪事はみるみる伝わる。だから、悪事はするべきではない、との戒めの言葉。

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攻心为上 / 心を攻むるを上と為す

  • 中国語:攻心为上   [ gong xīn wéi shàng ]
  • 出典:三国志
  • 原文:用兵之道,攻心为上,攻城为下(用兵の道は心を攻むるを上と為し、城を攻むるを下と為す)
  • 意味:相手を心服させて支持を得る方が良い、との意。力だけでは人は動かない。部下が気持ちよく仕事をしてくれるような接し方が成功への条件。

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悲欢离合 / 悲歓離合

  • 中国語:悲欢离合   [ bēi huān lí hé ]
  • 出典:苏轼(水调歌头)
  • 原文:水调歌头の詞の一節。“人有悲欢离合,月有阴晴阳缺,此事古难全。”(人には悲歡離合があり、月には陰晴満ち欠けがある、古からこのことを完全な形に保つのは難しい)
  • 意味:悲しみ、喜び、別れ、出会い、人生の悲喜こもごも。

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马马虎虎 / 馬馬虎虎(まーまーふーふー)

  • 中国語:马马虎虎   [ mǎ mǎ hǔ hǔ ]
  • 出典:子夜
  • 意味:いい加減である、でたらめである、との意。
  • 故事:宋の末期、ある画家が虎の頭を画き終わった頃に、馬の絵を欲しいと人が訪ねてきました。画家は何を思ったのか、その出来上がった虎の頭に馬の胴体を画きました。その人が「これは馬ですかそれとも虎ですか」と尋ねたところ、画家は「馬馬虎虎!」と答えました。訪ねてきた人は訳が分からないので帰ってしまいました。
    今度は画家の長男が「これは馬ですかそれとも虎ですか」と質問し、画家は「馬だ」と答えました。次男も「これは馬ですかそれとも虎ですか」と画家に質問し、画家は「虎だ」と答えました。
    その後、ある日長男が狩に出掛け、遠くから一頭の馬が駆け寄ってきたので、これは虎だと思い込み、矢を放ちました。馬は死んでしまい、馬の所有者に弁償する羽目にあいました。そして、次男が野外で遊んだときに、突然一頭の虎が現れました。次男は馬だと思い乗ろうとしました。あえなく次男は虎の餌食となってしまいました。画家は後悔し、この馬虎絵を火で燃やしてしまいました。

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記事:悲歓離合 人として相手に思いやりを持つことの大切さ

▮悲歓離合

 人は毎日の生活や仕事の中で喜びや怒りなど「喜怒哀楽」というさまざまな感情が現れます。これは礼記・中庸にある言葉ですが、中国・北宋の政治家・蘇軾(そしょく)の、「水調歌頭」という抒情的な詞の中には「悲歓離合」という一節があります。人生には、悲しみ、喜び、別れ、出会いなど、悲喜こもごもであると。どこの国のどんな時代の誰でも同じで、たとえ習慣や環境が違う中国であっても人としての喜びや悲しみは何ら変わりません。

 中国事業を展開する会社の総経理として、仲間でもある社員の身に発生した際には、総経理として寄り添うことが求められます。特に社員にとっての「悲しみ」のときには、彼と同じような気持ちで当たることが大事であると思います。「コツ」や「テクニック」という概念ではなく、「人間と人間の心の関わり」という見方で部下社員と向き合うということです。

 

▮好事門を出でず

 ある中堅社員が会社の定期健康診断がきっかけで腎臓に重大な問題があることがわかりました。主治医によれば腎臓移植する以外に助かる方法はないとのことです。当時の庶民にはとても負担できそうにない医療費がかかり、叶わないことと悲しみに沈んでいました。

 途方もない難題に直面している社員を前にして、とにかくできることはしてやらなければとの思いが湧いてきます。これを「同苦の心」というのかもしれません。会社としてその社員を助けることとし、移植手術は成功、命を取り留めました。

 「好事門を出でず」と中国古典にあります。好いことをしてもなかなか人に知られることがないというのですが、実際にはそうでもないようです。重病の社員を会社が救ったというエピソードは会社の得意先に伝わっていたのです。

 

▮馬馬虎虎

 例えば、社内の営業会議で営業社員達に対し「会社にとって最も重要なのが会社を牽引する営業部の君たちだ」、などとよく言います。しっかりと自覚をもって励んでもらいたいという気持ちを訴えたということです。また別の総務部の会議では「会社の縁の下の力持ちとして頑張っている君たちが会社で最も大事な部門だ」と。

 すると、社員達の間で「営業部が最も大事だと総経理が言った」、「何言ってんだ、総務部が大事だと言ってたぞ」と。「最も大事なのは君たちだ」とどの部門に対しても同じことを総経理は言う。口先だけでものを言う「馬馬虎虎」な総経理だという評価(?)が社員達から下されます。

 実は、自覚をもって仕事をしてもらいたい、ということを訴え、動機付けをすることが目的であって、口先で適当なことを言ったわけではないのです。

 

▮心を攻むるを上と為す

 どの部門に所属していても、皆がはつらつと活躍してもらいたいという思いで、その時々によって一人に、或はその部門にスポットライトをあてるのです。

 一人の社員であれ、一つの部門であれ同じ原理です。総経理は自分の目の前の人、ひとりに、また目の前にある一つの部門に全力で当たる。彼らのこの種の情報伝達スピードは恐ろしく早く、且つ家族や友人など広範囲にまで届きます。

 コツやテクニックではなく、総経理自身の人間性で部下社員に向き合うことこそ大事であると考えます。言葉を換えれば、「心を攻むるを上と為す」。三国志にある言葉で、戦場においては城を攻めるよりも心を攻めることの方が上策であるというのです。

 会社においては、社員がうれしい時は共に喜び、悲しい時には同じ気持ちで寄り添う。目の前の一人の社員を大切にするということは全社員を大切にすることと同義なのです。

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