【油断大敵】麻痺大意とのことわざも 偽りの親切に 隠れた罠に落ちるバカ

ブラシノキ 中国では金宝樹という 常にブラッシュアップを(2020年5月大阪)

社員との距離を少しでも縮めたいと思う気持ち。また現地会社の経営トップである総経理という孤独な職務と闘う中で、孤独感を和らげたいという心理も理解できます。
しかし、心の隙間につけ込まれないよう、油断には努々気をつけたいものです。警戒心が薄いようでは大きな目的を成し遂げることは到底できません。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

 icon-check-square 今回のことわざ

 

生杀予夺 / 生殺与奪(せいさつよだつ)

  • 中国語:生杀予夺   [ shēng shā yǔ duó ]
  • 出典:韩非子(三守)
  • 意味:統治者が生死や賞罰の大きな権利を掌握することの例え。

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战阵之间不厌诈伪 / 戦陣の間は詐偽を厭わず

  • 中国語:战阵之间、不厌诈伪   [ zhàn zhèn zhī jiān, bù yàn zhà wěi ]
  • 日本語表記:戦陣之間不厭詐偽
  • 出典:韓非子
  • 意味:「詐偽」とは偽り騙すこと。戦の最中には嘘や偽りも厭わない、との意。勝つためには相手を騙したりする策略も必要になる。(中国風に考えれば、騙される方が悪い、ということか)

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为大乎其细也 / 大をその細に為す

  • 中国語:为大乎其细也   [ wéi dà hū qí xì yě ]
  • 出典:老子
  • 原文:图难乎其易也,为大乎其细也(難(かた)きをその易(やす)きに図り、大をその細に為す)
  • 意味:いかなる困難も容易なことから生じ、如何なる大事も些細なことから始まる、との意。

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人之其所亲爱而辟焉 / 人はその親愛する所において辟す

  • 中国語:人之其所亲爱而辟焉    [ rén zhī qí suǒ qīn’ài ér pì yān ]
  • 日本語表記:人之其所親愛而辟焉
  • 出典:大学
  • 意味:人というのは親愛するあまり公平な判断ができなくなる、との意。親が子を溺愛し正常な判断ができなくなったり、恋人が相手の悪いところが見えなくなる。個人的なことは別として、会社のリーダーなど上に立つ者が、これに陥ると影響は深刻である。よって自身で制御しなければならない。

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麻痹大意 / 麻痺大意

  • 中国語:麻痹大意   [ má bì dà yì ]
  • 出典:坚强战士
  • 意味:「麻痹」とは油断する、気を緩めるとの意。「大意」は注意が足りない、油断すること。警戒心を失い油断すること。

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記事:【麻痺大意】 偽りの親切に隠れた罠に落ちるバカ

▮生殺与奪

 小さな会社であっても総経理(社長)は社員に対する生殺与奪の権利を持っています。そうなると下心があって近づいて来る者も出てくるのが世の常。

 例えば、単身赴任の総経理に、「土日は休みで退屈でしょう! 一緒に魚釣りに出かけませんか?」。そんな感じで誘ってくるのです。ちょっと待て! それに乗ってしまうと後々制御がきかなくなってしまうかもしれません。

 なぜなら、魚釣りの誘いに応じると誘ってくれた部下と長時間一緒に過ごすことになります。総経理にとって新任地は不慣れですから、その部下に頼ることになります。つまり、主導権はその部下が持つことになります。二人の関係はそこで逆転するのです。おそらく、普段の仕事の中でも総経理に対して主導権を発揮しようとするはずです。彼の親切心にだんだん公平な判断が難しくなり、組織全体の運営に支障が出てきかねません。

 

▮大をその細に為す

 またこんな例もあります。社員との距離を少しでも縮めたいと思った総経理は、自分のマンションの部屋に部下社員を招待し、自慢のカレーライスを振舞うことを考え付いた。まさか全社員を招待することはできませんので、自分に近い幹部社員の内の何人かを選び自宅に招き入れることになりました。

 すると何日も経たないうちに、多くの社員が総経理はどんな生活をしているのか知るところとなってしまいました。また社員間ではあの人は招かれたのに私は呼ばれていない、といった微妙な不満が芽生えるのです。

 総経理は社員達の暮らし向きは知る由もありませんが、社員には総経理の私生活がわかってしまいます。いわば敵に手の内を見せるようなもの。総経理が自ら進んで落とし穴に落ちてしまっては笑い話にもなりません。

 老子は「大乎其也(大をその細に為す」という格言を残しています。どんな大事であっても些細なことから始まる、と戒めているのです。

 

▮人はその親愛する所において辟す

 会社において総経理は一般社員にとってある意味で雲の上の人です。だからこそ、自分のプライベートはさらけ出すよりもベールに包んでおいた方が得策です。

 また、毎日の会社運営の中で社員達に辛辣なことも言わなければならないときもあるでしょう。そんな時に、特定の社員との「魚釣りやカレーライス」の関係が間違い無く影響してきます。最初の些細なことが総経理として会社運営をやりにくくしてしまう。

 中国古典の「大学」には「人はその親愛する所において辟す」とあります。親愛するあまり公平な判断ができなくなるという意味ですが、まるで総経理が特定の社員をえこひいきしているように見えてしまうのです。

 

▮戦陣の間は詐偽を厭わず

 ある意味で総経理は社員と「戦い」をしているのです。韓非子には「戦陣の間は詐偽を厭わず」と、勝つためには偽り騙すことも厭わないという言葉があります。権力を持っている総経理に取り入ろうとして、罠を仕掛けてくるかもしれません。そういうことを思いながら用心をすることに越したことは無いのです。成功と言われる人生とするためには、ここで負けるわけにはいきません。

 新任地で社員との距離を少しでも縮めたいと思うのはとても理解できます。また現地会社の経営トップである総経理はある意味で孤独な職務。孤独感を和らげたいという人としての心理も理解できます。

 しかし、油断とも言える心の隙間には努々気をつけたいものです。「麻痺大意」と言われるような警戒心が薄いようでは目的を成し遂げることは到底できません。

 プライベートでは社員との間に一線を画すことが大事です。一線を越えてしまうと身動きができなくなってしまいます。社員とは仕事中に十分なコミュニケーション取り深めることを実行すべきです。

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