淮南子は【一葉知秋】と …これを理解実行できるデリカシーを持っているか

一葉落ちて天下の秋を知る…(2018年11月大阪)

一枚の葉が落ちるのを見て秋の到来を知ることができる細やかな感受性。日頃は日中友好を叫びながら、大きな災害で困難を極めているときに手を差しことができない鈍感さ。全ての葉が落ちてもなお秋の到来がわからないようなデリカシーの無いリーダーでは、人の心を掴むことなど夢のまた夢。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

一叶知秋 / 一葉 秋を知る

 

◆中国語:一叶知秋   [ yī yè zhī qiū ]

◆日本語表記:一葉知秋

◆出典:淮南子(说山训)

◆意味:葉が一枚落ちたことを見て秋が来たことに気がついた、との意。些細なことから物事の本質や成り行きを察知することの例え。感性が研ぎ澄まされていないと無理です。(唐庚の「文录」には「一叶落知天下秋=一葉落ちて天下の秋を知る」とあります)

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无法无天 / 法無く天無し

 

◆中国語:无法无天   [ wú fǎ wú tiān]

◆日本語表記:無法無天

◆出典:紅楼夢

◆意味:法も神も無く、無法の限りを尽くすこと。監督を受けないことを形容した言葉。

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空前绝后 / 前に空しく後を絶つ

 

◆中国語:空前绝后   [ kōng qián jué hòu ]

◆出典:闻见偶录·男服从军

◆意味:今までは無かったこと、今後も無いであろうこと。非常に珍しいことの例え。

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流星赶月 / 流星趕月(りゅうせいかんげつ)

 

◆中国語:流星赶月   [ liú xīng gǎn yuè ]

◆出典:西遊記

◆意味:流れ星が月を追かけるように非常に速いことの例え。

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記事:【一葉知秋】を理解実行できるデリカシーを持っているか

▮空前絶後

 2008年5月12日午後2時半ごろ、四川省をマグニチュード8の大地震が襲いました。東日本大震災の約3年前のことでした。この四川大地震(汶川大地震)は約9万人もの尊い命が失われる、まさに「空前絶後」の大災害でした。

 大地震発生直後から中国国内では、連日のようにテレビで救援活動を行う様子が報道されていました。その任に当たる軍を礼賛する報道が多いのはお国柄ですが、それにしても被災地の悲惨な状況を見るにつけ心が痛みました。

 

▮一葉知秋

 救援活動が進む中で高まってきたのが義援金拠出の気運。中国国内で仕事をしている一人として、この未曾有の大災害に黙ってみているわけにはいかない。そこで、中国で事業を展開している企業グループなのだから、甚大な災害に対して義援金を出してはどうかと、本社に具申しましたが、本社からは梨の礫。

 確かに、当時は拠出した義援金金額の企業別ランキングや、まだ拠出していない著名企業リストなどが公表されたり、果たして本当に被災者のもとに届くのか懐疑的だなど、なかなか理解しがたいこともあって日本本社は決断に至らなかったのかもしれません。

 しかし、中国の現地会社の経営責任者である総経理が大災害にソッポを向いていたり、本社が無関心の体であったとしたら、一緒に仕事をしている現地社員達の目にはどう映るのか。果たしていい会社に入ってよかったと思えるのか、はなはだ疑問です。

 古代中国の淮南子は「一葉知秋(一葉 秋を知る)」と言う言葉を残しています。一枚の葉が落ちるのを見て秋が来たことを知る、という意味です。日頃は日中友好を叫びながら、こんなに大きな災害で困難を極めているときに手を差し伸べることができないというのでは如何なものか。全ての葉が落ちてもなお秋の到来がわからないという情けないことになってしまいます。デリカシーの無いリーダーでは、人の心を掴むことなど夢のまた夢。

 

▮流星趕月

 温家宝総理(当時)は即日被災地に入り、地震対策本部を設置するとともに被災地で陣頭指揮を執ったとのことです。被災して途方に暮れる小さな子供を抱きしめて、「孩子别哭(泣かないで)」と慰める姿をテレビで見て胸が熱くなりました。プロパガンダと言えばそれまでですが…

 驚くのは、被災者に寄り添い思いやる心もさることながら、その「流星趕月」の如き素早さです。「流れ星が月を追かけるよう」に。

 日頃の現地会社経営も同様で、稟議だ、お伺いだとしか言わない本社を相手にしていては、このスピードにはついていけません。仕事の出来栄えよりもスピードが優先される社会。それをカバーできるのは現地に張り付いている総経理(社長)しかいないことを認識すべきです。

 

▮無法無天

 現地のスピードに負けないためには総経理が独断で走ること。もちろん、同時に自分で責任を取る覚悟が無ければならいのは当然です。

 中国古典には「法無く天無し(無法無天)」とのことわざがあります。これは悪く言えば「やりたい放題」と言えなくはありませんが、むしろ、上手に本社を無視することが良いのでは。

 被災地に対して思いやりを示す総経理(社長)の姿は、人間味のある総経理として現地社員達の心に入ることと思います。義援金の募金活動をする社会的に有益な会社に所属している誇りと自信を持ってくれると思います。そのような社員達の誇りや自信は、以後、必ずや仕事に好影響を与えることになり、会社の業績拡大に寄与することになると考えます。

 中国での事業発展のために持つべきはスピード感と人間的思いやりです。

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