【後顧之憂】と魏書 中国で突然の病に襲われたとき さあどうする

大連労働公園のふじ棚 病に倒れたなら見ることは叶いません(2019年5月)

人間は生身。いつ何時、病に襲われるかわかりません。中国の赴任地でそれが起きるともう大変。そんな時のために事前の十分な備えによって大事に至らないようにしておくことが中国で成功する大きなポイントのひとつです。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

胆大包天 / 胆 大にして天を包む

 

◆中国語:胆大包天   [ dǎn dà bāo tiān ]

◆出典:吟风阁杂剧(黄石婆授计逃关)

◆意味:度胸が大きいことの例え。

»記事へ

 

杜渐防萌 / 漸(ぜん)を杜(と)じ萌(ほう)を防ぐ

 

◆中国語:杜渐防萌   [ dù jiàn fáng méng ]

◆出典:後漢書(丁鸿传)

◆意味:凶事や害悪は、大きくならないうちに防ぎ止めるべきであるという意。予防が大事。

»記事へ

 

恬不知耻 / 恬(てん)にして恥を知らず

 

◆中国語:恬不知耻   [ tián bù zhī chǐ ]

◆出典:雲仙雑記

◆意味:悪いことにも気にかけず、少しの羞恥心もないこと。恥知らず、厚かましいこと。

»記事へ

 

情深潭水 / 情 深きこと潭水の如し

 

◆中国語:情深潭水   [ qíng shēn tán shuǐ ]

◆出典:李白(赠汪伦)

◆意味:情の深さは深くたたえられた水のようである。友情が深く厚いことの例え。

»記事へ

 

后顾之忧 / 後顧の憂い

 

◆中国語:后顾之忧   [ hòu gù zhī yōu ]

◆出典:魏書

◆意味:前進する中で後から発生する問題を心配すること。後顧の憂い。

»記事へ

 

「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら

 

記事:中国で突然の病に襲われたとき さあどうする

▮漸(ぜん)を杜(と)じ萌(ほう)を防ぐ

 人間は生身。いつ何時、病に襲われるかわかりません。それが日本でなら何とかなりますが、習慣や医療体制が大きく異なる中国で病魔に襲われると、これはたいへん。そんな時に備えておくことが中国で成功する大きなポイントのひとつです。中国古典に「漸(ぜん)を杜(と)じ萌(ほう)を防ぐ」とあるように、事前の十分な備えによって大事に至らないようにすることが求められます。

 中国に赴任する際に日本から風邪薬や胃薬、下痢止めなどを持ち込む人が多くいます。不注意から風邪をひくと早速風邪薬を飲むのですが、これがなかなか治りません。そこで地元の社員からこれを飲めと渡された中国の風邪薬。これが驚くほどの効き目。一晩で恢復したと。中国で引いた風邪には中国の薬がよく効く、という都市伝説が駐在員間で言われていました。

 中国に関わらず現地に駐在する日本人が心しなければならないのが自分の健康です。何せ、現地の病院事情は日本とは大きく異なることが多く、万が一にも診察を受けなければならないような事態に至った時右往左往することになります。

 

▮恬にして恥を知らず

 病院に入るとまずは「挂号」と表示のある所へ。日本でいえば差し詰め「初診受付」。何人かの医師の名前と診察代が書かれています。医師のレベルに応じて診察代が違うなんて中国らしい。希望する医師の金額を払い指示された診察室へ行きます。

 そこでは診察待ちの患者とその付き添いの人達がいっぱい。おとなしく待っていたのでは何時自分の順番が回ってくるのかわかりません。所詮、周りにいる人達と同じように、「恬にして恥を知らず」とばかりに、ずうずうしく前へ。

 医師の診察によって「では点滴をしましょう」と言うことになれば、その費用を先に支払い、その後で処置室へ。そこでやっと点滴。病院内をあっちへこっちへ、となかなか大変。外国人にとってはそういった不慣れな部分をサポートしてくれる人の存在があるとないではストレスが大きく変わります。

 

▮胆 大にして天を包む

 入院を余儀なくされると頭が真っ白になり不安に襲われるかもしれません。病状にもよるでしょうが、緊急性のある場合は迷わず現地の病院へいくことが定石だと考えます。現地の病院の状況を思うと日本に帰って治療をしたくなる気持ちはもちろん理解できますが、そのために手遅れになってしまっては元も子もありません。「 大にして天を包む」と腹をくくる心構えは普段から考えておくべきです。

 外国人にとって現地での入院生活は苦痛以外の何物もありません。しかし、だからと言っても現実がどうにかなるものでもないので、ここは流れに身を任せる楽観的な考えが大事です。

 日本では完全看護ですが、中国では自分の身の回りのことは自分で解決しなければなりません。場合によっては食事も自力で対応することになります。ですから、患者である自分をサポートしてくれる人はどうしても必要です。中国人の場合は家族が世話をしてくれるのでしょうが、外国人、中でも単身赴任中の場合はどうにもなりません。そういった問題を持つ患者のために、サポートすることを仕事にしているあおばさんがいますので、お願いすることも一法です。

 

▮情 深きこと潭水の如し

 無事に退院し仕事にも復帰、落ち着いたころに、快気祝いの食事会をすることもあるようです。そこ席にお世話になった医師などを招待し感謝の意を表するのです。今時、付け届けを渡したり謝恩の会を持ったりするのかと言いたくなりますが、これが現実。よく言えば情に厚いということでしょうか。李白は「情 深きこと潭水の如し」と詩に詠んでいます。患者と医師の関係も個人同士の関係であることがよくわかります。

 

▮後顧の憂い

 現地に駐在して仕事に励み生活を営む中で、つい体調を崩し病院へ行かざるを得なくなった時にどうするかを事前に考えておけねばなりません。その備えがあれば安心して仕事に打ち込むことができます。突然の発病にもキャッシュレス診療が可能な海外旅行傷害保険への加入、言葉の問題や診療システムの違いなどの煩わしいことを代行してくれる医療サポート会社との契約は是非備えておきたいアイテムです。「後顧の憂い」を絶っておくことは現地でのビジネスを成功させるために必須事項です。

 以上は2004年突然の狭心症による入院生活を余儀なくされたときの経験からの思いをまとめたものです。医療技術は日進月歩ですが、ソフト面はそうは簡単に変わらないと思います。

「成功を収めるための重要ポイント 現場目線で見たツボ」 はこちら

Follow me!