【愚公山を移す】ということわざ 一発勝負は空想 コツコツ努力は実

一歩一歩前に進みさえすればいずれ目標が成就する(2014年1月)

現代中国の若い人は「一発勝負」が比較的好きなようです。例えば、一つひとつ積み重ねるコツコツ型ではなく、投網を打つように一気にボリュームが取れる方を好む若い営業社員が少なくありません。「不労 而して獲る」ということわざがありますが、実際にはそんなうまい話はそうそうありません。

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

愚公移山 / 愚公山を移す

◆中国語:愚公移山   [ yú gōng yí shān ]

◆出典:列子(湯問)

◆意味:どんなに困難なことでも努力を続ければ、やがては成就するというたとえ。

◆故事:愚公という老人が往来に不便であるので山を崩し平らにして道路を通すことにし、山を崩しはじめた。人々はその愚かさを笑ったが、愚公は、子々孫々続ければいつかは成功すると答えた。その志に感じ入った山の神は、力持ちの神に命じて一夜で山を移させたという故事。

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不劳而获 / 不労 而して獲る

◆中国語:不劳而获   [ bù láo ér huò ]

◆出典:孔子家语(入官)

◆意味:自らは苦労せずに他の人の労働成果を占有することの意。労せずに手に入れること。

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螳螂之斧 / 螳螂(とうろう)の斧

◆中国語:螳螂之斧   [ tang láng zhī fǔ ]

◆出典:陳琳(为袁绍檄豫州)

◆原文:欲以螳螂之斧,御隆车之隧 (螳螂が斧を以て隆車=大きな車=に向かう)

◆意味:螳螂(かまきり)が前足を振りかぶって大きな車に挑みかかるさま。弱者が身の程も知らずにむやみに強者に敵対すること。

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理所当然 / 理所当然

◆中国語:理所当然   [ lǐ suǒ dāng rán ]

◆出典:王通(文中子・魏相篇)

◆意味:理の当然である。道理にかなっている。

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記事:一発勝負は空想 コツコツ努力は実

 

▮不労 而して獲る

 現代の中国人は「一発勝負」が比較的好きなようです。
例えば、一つひとつ積み重ねるコツコツ型ではなく、投網を打つように一気にボリュームが取れる方を好む若い営業員が少なくありません。「労多くして功少なし」の対語である「不労 而して獲る」ということわざがあります。少ない営業活動でより多くの成果を狙うという気持ちはわかりますが、実際にはそんなうまい話はそうそうありません。

 

▮螳螂(カマキリ)の斧

 中国の東北地方の一地域をテリトリーとする日系の会社を運営する総経理は赴任した時にびっくりした。そこには官権を背景とした競合社があり、同社のシェアは何と97%。対するその日系会社はわずか3%。まるで像と蟻。ほぼ独占状態であったのです。

 それもそのはず、その競合会社は自分たちが地歩を築いてから、背景にある官権と協調し外資の導入についての同意をするので、最初から既に大きなアドバンテージを持っているのです。

 そんな完全アウエー状態の敵地に乗り込むということは、まるで「螳螂(カマキリ)の斧」。身の程知らずもいいところ。どう見ても勝ち目のない状況の中で、一発勝負を狙ってもどうにかなるものではありません。

 

▮理所当然

 地方政府の“直営”であるその競合社は、背景にある絶対的な官権力に加えて、日系会社よりも数段安い価格設定によりマーケットの中で圧倒していました。歯牙にもかけない強大さを誇っていたのです。

 そんな中で、官権から保護された競合社からの誘いにも乗らず、一貫して弱小日系会社との取引を継続していたある政府系企業がありました。両社とも同じ背景の企業ですから、普通に考えればその競合社を選ぶはずですが、実際には外資系の、しかも価格的にも高い方を選択したのです。

 その一見不思議、不合理ともいえる選択の理由について、担当者は「あなたの会社は、必要な時にはすぐに駆けつけてくれる」「あなたの会社の社員は、決して偉そうな態度をとらない」と言うのです。中国の古くからのことわざにある「理所当然」とは「道理にかなっている」との意。サービス業を営む企業としては至極当たり前のことを評価した結果であったのです。逆に言えば、その官権を背景にした競合社はそんな当たり前のことができていなかったようです。

 

▮愚公山を移す

 競争に勝つためには奇をてらうのではなく、むしろ品質のよいものを市場に提供するという正攻法が基本であるはずです。そうすれば自ずと顧客は増えます。

 どんなに困難なことでも努力を続ければ、やがては事が成就すること例えた、「愚公山を移す」ということわざがあります。このことを心しなければなりません。

 現代中国人は苦手なのかもしれませんが、コツコツと努力を積み重ねることが勝利を掴む基本であると思います。企業として品質のより良い商品を準備し、ユーザーオリエンテッドの企業体質をもって、エンドユーザーである消費者の選択を得る努力を続けるという、その基本的なところの違いが勝利を決定づけるのだと確信します。

 どのような時代にあってもその基本は変わらないことに、組織のリーダーたる経営者は着眼すべきでありましょう。「自分の会社の欠点や改善すべきことに気づき、反省すべきです。そうするには、絶えざる研究と努力が必要である」とは先達の言葉です。心に刻みたいと思います。

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