中国・詩経には【切磋琢磨】 面子を重視し競争心を掻き立てるひと工夫

大連・中山広場の歴史建造物(2018年5月)

同じ会社で働く社員はお互いに仲間です。そして同時にライバルでもあります。そうであるならば、詩経にある「切するが如く磋するが如し」という言葉のとおり、ともに励むことで磨かれる好敵手同士であるべきです。

成功のヒント 中国のことわざ・格言

半斤八两 / 半斤八両

 

◆中国語:半斤八两   [ bàn jīn bā liǎng ]

◆出典:五灯会元

◆意味:似たり寄ったり、ドングリの背比べの意。(斤も両も重さの単位。1斤は16両、半斤は8両であることから「半斤」も「八两」も言い方は違っていても結局は同じ量であることから)

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跛鳖千里 / 跛鼈(はべつ)も千里

 

◆中国語:跛鳖千里   [ bǒ biē qiān lǐ ]

◆出典:荀子(修身)

◆意味:「跛」は足が不自由であること。「鳖」は鼈(すっぽん)。足の悪いすっぽんでも、歩き続ければ千里の距離を移動することもできるとの意。努力を続ければ、能力が劣っていても成功するということの例え。

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如切如磋 / 切するが如く磋するが如し

 

◆中国語:如切如磋   [ rú qiē rú cuō ]

◆出典:詩経(卫风·淇奥)

◆原文:如切如磋,如琢如磨。

◆意味:(象牙を)加工するようなもの。互いに討議、錬磨すること。切磋琢磨すること。

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一盘散沙 / 盤に沙を散らす

 

◆中国語:一盘散沙   [ yī pán sǎn shā ]

◆出典:梁启超(十种德性相反相成论)

◆意味:盆いっぱいのばらばらの砂。ばらばらでまとまりがないことの例え。

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記事:面子を重視し競争心を掻き立てるひと工夫

▮切磋琢磨

 同じ会社で働く社員はお互いに仲間です。そして同時にライバルでもあります。そうであるならば、詩経にある「切するが如く磋するが如し」という言葉のとおり、ともに励むことで磨かれる好敵手同士であるべきです。その競争意識は組織活性化につながります。つまるところ、会社にあっては社員同士が磨き合うことで、自分も競争相手も一緒に成長し、共により豊かな生活を実現できます。その結果として会社の発展にも寄与するところとなります。無風状態での成長、発展は期待できません。社員間の錬磨、競争は必要にして不可欠なことです。

 

▮半斤八両

 社内に競争の構図を作り上げると自然と組織に活力が生まれ、その先には業績のアップという好ましい結果があります。しかし、そうは簡単ではない中国特有の事情が…

 新中国建国以来の計画経済時代の影響がまだまだ社会のそこここに残っています。市場競争の時代なんだから社員同士お互いが競争しようと語り掛けたとき、大事な友達を無くしたくないと言っていた社員がいました。仲間であり友達でもある社員同士が、お互いに競争をすることに抵抗があったに違いありません。

 競争知らずの社員同士が、どうすれば互いに切磋することができるようになるのか、ここは思案のしどころ。

 当時、課長クラスの役職者といっても、他の社員よりも多少優れているという程度。一般社員も含めて能力は似たり寄ったりでした。「半斤八両」ということわざがあるように、「半斤」といっても「八両」といっても結局は同じ重さ。つまり団栗の背比べ状態であったのです。

 

▮一盤散沙

 設立10年そこそこの若い会社には、人材が豊富にそろっているわけでもありません。特別に優秀な一流大学出身者を招聘している訳でもなく、みんなが中途採用で現場からのたたき上げばかりです。課長などと部門の責任者を張っている社員といっても、他よりも多少早く入社しただけで、特に大きく長じていたわけではありませんでした。

 しかしそれは同時に少しばかり頑張れば、すぐに頭一つくらいのリードは取れるということでもあります。ちょっとした競争に勝利すれば「次の人材」に誰もがなれる可能性を秘めた組織であるとも言えます。

 他方、部門のマネジメントを任せる事ができる管理者がいないということでもあります。たとえば、試しに社内でサッカーチームを作ったのですが、戦績はまったく奮いませんでした。「一盤散沙(盤に沙を散らす)」とまとまりを欠いた状況でしかなかったのです。巷間言われているように、個人競技は強いが組織だった多人数の競技は苦手だったようです。

 

▮階層別競争

 ならば、ということで営業部門に5~6人のチーム(課)をいくつか作り、それぞれに少し気のきいた社員をリーダーとして配置しました。多人数をマネジメントするのは大変ですが、5~6人くらいの小単位なら少しばかり気の利いたわが社の社員にもできるはずとの思いからです。

 チームの責任者は他のチームの責任者と競争し、各チームの中では個人間の競争をすることにしました。更に、2~3チームで構成する「部」を二つ設け、そこにはそれぞれ部長を配し、部長間でも競争です。これで、社員、課長、部長のそれぞれのレベルで3層の競争の構図を作りました。面子を重視する中国人社員、競争に負けるわけにはいきません。

 もちろん、チームの責任者には少しずつマネジメントやリーダーシップについて、学ぶ機会を作ることも必要です。

 

▮跛鼈千里

 競争というものをあまり経験していない世代である親に育てられた若い社員達。そんな彼らにはガツガツしたガンバリズムは持っていません。しかし、競争原理を社内に導入すれば、中にはコツコツと努力する社員が現れるはずです。

 「跛鼈(はべつ)も千里」という荀子による格言があります。ごく普通の社員でも、コツコツ努力を重ねると、もう一段上の成績を出すことができるのです。努力を続ければ、能力が劣っていても成功することができる。面子を重視する彼らの思想に競争原理に織り込んだ結果、出現したヒーローです。社内に競争意識が定着すれば活力が増大します。会社の拡大発展に直結するのは論を待ちません。

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