過年好! 【心焉に在らず】 中国の春節前 社員は上の空 どうする?

大連・森茂ビル前の道路のイルミネーション(2017年5月)

中国では普段の休日とさほども変わらない元旦三連休が終われば、会社は新年度がスタート。さあ、今年も頑張るぞ~と、とみんな張り切っていると思いきや…

 

上の空の社員達

 総経理(社長)が、「新年度のスタートダッシュを!」とばかりに声を大にして気合を入れようとしても、何とも鈍い反応。中国古典の「大学」には「心不在焉」とあります。心ここに在らず、と。普段はまじめに努力している社員もまるで上の空。

 それもそのはず、夜になると道路にはイルミネーションがきらめき、スーパーには新年用の飾り物売り場が特設され、否が応でも新年に向かっての雰囲気が盛り上がってきています。日本では薄くなったお正月の雰囲気ですが、中国の春節は今も脈々と且つ盛大に受け継がれている超ビッグイベント。待ちに待った春節が間近ということで、社員達の腰が浮いてくるのも理解できます。

 

躍り上がる社員達

 国全体がそうなのですから、総経理がいくら頑張ったって社内の浮ついた雰囲気はコントロールしきれません。この時期特有のその問題を目の当たりにして総経理はどう対応するのか少々頭の痛いことです。

 遠くの実家に帰るために、一足早く休暇の申請をしてくる社員も出てきます。普段は都会で仕事をしている人も一年一度、実家に家族が集まり楽しいひと時を過ごすということですから、その申請は認めざるを得ませんよね。却下でもしようものなら、故郷のない都会っ子の社員からも無慈悲な総経理だと思われ、以後の仕事に影響が出るのは必至です。

 「回老家呀」(故郷に帰るんだね!)と声をかけ、「手舞足踏」と喜びいっぱいの社員を、笑顔で送り出してやることがいいですね。旧正月の習慣があまりない日本人ですら、春節前の盛り上がっていくその雰囲気の中にいると、実は自分の気持ちも何とはなく浮いてくるのです。

 

会社は閑古鳥

 旧正月で動く中国では春節が基準となりその前後に日本と同じように顧客への訪問を行います。春節前の一年の御礼訪問の際には「过年好!」という挨拶で締めくくり、春節明けの年始にも「「过年好!」と、挨拶言葉はどちらも同じ。

 春節前の「过年好!」は「よいお年を!」で、春節明けのそれは「新年おめでとう!」の意味で、便利と言えば便利な言葉です。会社を経営する日本人総経理にとって考えておかなければならないのが、春節前後の結構長く続く「社員が浮ついている」期間の業績です。尤もこちらが頑張ろうとしても顧客側でも同じことで、結局は仕事にならない状態が続くということですが。

 「門外 雀羅(らじゃく)を設(もう)くべし」と閑古鳥が鳴く…と言えば多少オーバーかもしれませんが、業績はとても期待できそうにありません。

 

共に春節を祝う

 現地に駐在している日本人や日系企業の間では、年末にはよいお年をお迎えくださいと、元旦明けには新年おめでとうございますとお決まりのあいさつがあります。そこから少し遅れて旧正月が来ます。すると、中国顧客の方には、「过年好」とあいさつをしなければなりません。ということは結局12月末ごろから、その年によっては2月中旬の春節が明けるまで、ずっと何らかの新年のあいさつをしていることになるのです。

 とはいうものの、何千年もの歴史をもつ春節。一年の中で最も大事なイベントです。この時期は会社内も街中でも、さらに言えば国中が「過年」に向かって動いているのです。さすがにこれには抗うことなど到底不可能です。

 であるならば、日本人であってもその中に身を置いて、共に春節をお祝いした方がよさそうです。中国の古典には「福有らば同じく享け、難有らば同じく当る」とあるではありませんか。総経理として日頃から苦楽を共にする社員達と、この春節も楽しむことが理にかなっていると考えます。

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成功のヒント 中国のことわざ・格言

心不在焉 / 心 焉(ここ)に在らず

◆中国語:心不在焉   [ xīn bù zài yān ]

◆出典:大学

◆原文:心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味(心 焉に在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず)

◆意味:上の空であったなら、ものを見ても見えず、聞いても聞こえず、食べてもその味がわからない。

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手舞足蹈 / 手の舞 足の踏む

◆中国語:手舞足蹈   [ shǒu wǔ zú dǎo ]

◆出典:诗经

◆意味:うれしくて躍り上がらんばかりの様子。

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门外可设雀罗 / 門外 雀羅(らじゃく)を設(もう)くべし

◆中国語:门外可设雀罗   [ mén wài kě shè què luō ]

◆出典:史記(汲郑列传)

◆意味:雀羅とは雀を捕るための網のこと。訪問者の無い門前には雀が集まってくるので、網を張っておけば捕まえることができる、との意。来訪者も無く寂しいことの例え。閑古鳥が鳴く。

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有福同享,有难同当 / 福有らば同じく享け、難有らば同じく当る

◆中国語:有福同享,有难同当    [ yǒu fú tóng xiǎng ,yǒu nàn tóng dāng ]

◆出典:官场现形记

◆意味:福があればともに享受し、禍があればともに分かち合う、との意。苦楽を共にすること。

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