【因地制宜】ということわざ 中国で周囲が凍りつく下手な冗談や…

外からではわからないが渋柿は甘柿より糖度が高い

日本開催のラグビーワールドカップで、ニュージーランドやイングランドなどが試合後にサポーターに向かって日本式のお辞儀している光景が印象的でした。しかし、中国では一般的な挨拶は握手です。そこでお辞儀の挨拶を習慣とする日本人が、中国でよく間違うのが…

 

握手と会わない日本習慣

 握手は相手の目を見ながら手を差し出し握手を求めるのがマナーです。一方、お辞儀は、相手に向かって腰を折り曲げ挨拶や感謝、敬意などを表す所作です。日本人はこの習慣が染みついているためか、握手の際に頭を下げてしまうことが多いのです。となるとマナーに反することになります。

 それを近くで見ていると滑稽に見えるらしく、私がまだ中国初心者であった当時、ある中国人から、握手するときに頭を下げないようにとアドバイスをもらったことがありました。

 中国には握手の歴史は古く、5世紀当時の後漢書には「以为既至当握手欢如平生」という文言が書かれています。握手は何も欧米から伝わったものではないようです。

 

中国にもあるお辞儀

 では中国にはお辞儀は無いのかというと実はそうでもありません。

 例えば結婚式の披露宴で、ケーキカットなどと合わせて中国語で「鞠躬」と言われるお辞儀をする場面がよくあります。司会者のリードに合わせて、新郎新婦が両親に感謝のお辞儀、参列者に出席御礼のお辞儀、そしてお互いに相手を尊敬するお辞儀をするという場面です。

 また、お寺参りでは何かの祈願するときもお辞儀をしているのをよく見ました。三国時代の諸葛亮は「鞠躬尽瘁」という言葉を残しています。身をかがめて国事に貢献すると。

 相手を尊敬し、感謝の気持ちを表すお辞儀ですが、日常で挨拶をする際にはお辞儀は用いられず、やはり握手です。日本人としては、中国では相手の目を見ながら握手をするというマナーを理解し実行したいものです。

 

男左女右とは

 中国らしい挨拶の所作に「拱手」があります。右手で拳に握り左手で包んでそれをやや振り、感謝の意を表している姿です。感謝や頼むぞと言ったことを表します。この習慣は一時はすたれてしまったそうですが、80年代の改革開放施策と共に復活したそうで、今では日常的によく見ます。「拱手」を自然にできるようになれば中国通といったところでしょうか。

 ところで、中国には古来「男左女右」といわれるしきたりがあります。この習慣は、たとえば公共トイレでは男性用が左側、女性用は右側となっているようです。また、結婚指輪は新郎は左手、新婦は右手のそれぞれ薬指。結婚写真も同様。その他、正式な儀式などに夫婦で出席する場合は男性が左、女性は右というのが中国での習慣だそうです。

 「拱手」においては男性は右手で拳、左手で包む。右手は攻撃用の手であり、善意を示すために包む必要があるとの意味があるそうです。女性は反対ですが拳は握らず抑えるだけ。これらの「男左女右」を間違うと失笑を買うことになります。

 ことほど左様に、それぞれの国や地方には習慣やしきたりがあるわけで、それに従うのが上手な生き方というもの。それを意味する「地に因りて宜を制す」ということわざが中国にはあるのです。これらを理解しマスターするのも事業成功への一助となるはずです。

 

耳聽為虚、眼見為実

 何事によらず、聞いた話は当てにならないことが多い。実際に中に飛び込んでこそ真実が見えるというものです。中国・前漢代の説苑には「耳で聽くは虚、目で見るは実なり」とい記述があります。日本での習慣を無条件に是とするのではなく、実際に中国で首までどっぷりと浸かって悠久の歴史を感じ、そこから中国での習慣を理解すべきでありましょう。

 古くからの習慣以外にも、中国と日本では異なる基準、肌感覚が少なくありません。中国という土俵に上がる上は中国基準でないと話になりません。

 例えば、現地社員に向かって良かれと思って発した冗談話。その場を和ませようと思ったのに、結果は空気が凍り付いてしまったのでは…

 自分で飛ばした冗談に対して、今のは冗談ですと自分でフォローするのもばつの悪いことです。しかし、それを恐れず、冗談が言い合える関係を築きたいものです。

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成功のヒント 中国のことわざ・格言

因地制宜 / 地に因りて宜を制す

◆中国語:因地制宜   [ yīn dì zhì yí ]

◆出典:漢・赵晔(吴越春秋·阖闾内传)

◆意味:その土地の事情に合わせて適当で相応しい方法を取ること。

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鞠躬尽瘁 / 鞠躬して瘁を尽す

◆中国語:鞠躬尽瘁   [ jū gōng jìn cuì ]

◆出典:諸葛亮(后出师表)

◆意味:注意深く全力で貢献する、との意。

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耳听为虚,眼见为实 / 耳で聽くは虚、目で見るは実なり

◆中国語:耳听为虚,眼见为实   [ ěr tīng wéi xū,yǎn jiàn wéi shí ]

◆日本語表記:耳聽為虚、眼見為実

◆出典:说苑·政理

◆意味:耳で聞いたことは当てにならない、目で見たものこそ真実である、との意。

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