【風馳電掣】ということわざ 中国・国慶節の休み明けにハッと気がつく…

中国全土を3時速50キロで疾駆する高鉄 電掣の如し(2018年5月)

10月1日は中国の建国の日である国慶節。中国ではこの日から一週間は休暇です。春節と並ぶいわばゴールデンウイーク。中国人はもちろん、中国に駐在する日本人社員にとっても、日頃の仕事や生活のストレスから暫し離れホッとすることができるありがたい休暇なのです。しかし、国慶節休暇が明けるとハッとすることが…

 

稲妻の如き二ヵ月半

 国慶節の休暇に日本など海外旅行や国内旅行などを楽しむ中国人がたいへん多く、中国国内の観光地はどこへ行っても人であふれています。休暇を楽しみにするのは駐在している日本人社員にとっても同じで、どこへ行こうか、何をしようかと思いを巡らすのです。

 そして国慶節休暇が終わり、会社が通常の体勢に戻るのが10月半ば。このころになると休みボケも覚め、後二ヵ月半ほどで年度末がやってくることに気がつき、正気に戻るのです。

 日本では通例として4月~翌年3月が会計年度ですが、中国では1月~12月が会計年度です。国慶節休暇明けからの二ヵ月半はあっという間です。まさに「風馳電掣(風の馳せること電掣の如し)」と、稲妻のような速さで年度末がやってくるのです。

 

話がかみ合わない両者

 この期間に、年度予算に対する達成見通しを窺い12月末までの追い込み策を検討する大事な任務が総経理(社長)に課せられています。もちろん総経理も国慶節の休暇はゆっくり過ごし、リフレッシュすればよいのですが、休み明けには総経理自身も「風馳電掣」の如くに立上らないと、年度内の追い込みが大変なことになりかねません。

 しかし、面倒くさい問題が横たわっています。現地ではあと二ヵ月半で年度末という時期ですが、日本本社では年度末はまだまだ先の話。現地のことには今ひとつピンと来ていないのです。この温度差がイラつかせます。中国古来の「話不投機」ということわざと同じで話がかみ合っていないように感じてしまいます。もちろん書経にある「離心離徳」とのことわざにある「離徳」、反目し合っているわけではありませんが、少なくとも日本と現地の両者の気持ちは揃ってはいません。

 もっとも、日本の年度末は三月ですから、現地感覚はなかなかわからないのも無理はありません。現地会社の責任者としては、結局は自力でやる他はないのです。その方が業績が上がり現地の社員やその家族の幸福のためになるということです。

 

算多きは勝ち、算少なきは勝たず

 現地会社の業績を持ち上げるのが総経理(社長)に与えられたミッションです。また、現地会社の業績の良否は現地にその責任があるということです。

 この時期、日本本社がピンと来ようとこまいと関係なく、現地にいる総経理とその社員達が年度末まで走り抜けることが良い結果をもたらすことは間違いありません。

 但し、やみくもに走るのでは危なくって仕様がありません。孫子は「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」という言葉を残しています。

 現有のリソースやパワーをもって如何に戦えば勝算を見出すことができるのか、不足する所はどこか、どう対策するのか、等々を綿密に分析し勝つべくして勝つ。これが現地会社の総経理(社長)として任に当たる最大の責務であり最高に面白い責任なのだと考えます。上から言われたとおりにやるだけの日本の部門責任者とは全く異なるやりがいではないでしょうか。

 年度末までの二ヵ月半が如何に「風馳電掣」ように速いとはいえ、年度末を目標ラインとしてそこに到るまでの策を冷静に定めなければなりません。総経理は国慶節休みが明けるといち早く立ち上がらねばならない責務を負っているのです。

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成功のヒント 中国のことわざ・格言

风驰电掣 / 風の馳せること電掣の如し

◆中国語:风驰电掣   [ fēng chí diàn chè ]

◆日本語表記:風馳電掣

◆出典:六韬·龙韬·王翼

◆意味:電掣はイナズマ。非常に速いさま。あっという間。

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离心离德 / 離心離徳(りしんりとく)

◆中国語:离心离德   [ lí xīn lí dé ]

◆出典:書経

◆意味:気持が揃わず不和反目すること。君主と国民の心が合わず、行いに釣り合いがとれないこと。国民の心を惹き付けることができなくなり、徳に背いてゆくことをいう。

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话不投机 / 話 投機せず

◆中国語:话不投机   [ huà bù tóu jī ]

◆日本語表記:話不投機

◆出典:元・王子一(误入桃源)

◆意味:話がかみ合わないこと。「投机」とは」意見が一致すること。

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多算胜,少算不胜 / 算多きは勝ち、算少なきは勝たず

◆中国語:多算胜,少算不胜   [ Duō suàn shèng, shǎo suàn bùshèng ]

◆日本語表記:多算勝、少算不勝

◆出典:孫子

◆意味:勝算の多い方が勝ち、少ない方が負ける。日本人は大して勝算が無くても「特攻精神」でそれいけとばかりに突っ走ることが間々あります。それでは将の後に続く兵はたまったものではありません。

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