5月の中国・大連と言えば優雅なアカシア 【忙中閑を偸む】の意味とは

 たっぷり4カ月続いた大連の長い冬が終わるとつかの間の春がやってきます。そしてその後は一気に夏が来たかのように暑くなります。5月初旬には龍王塘や労働公園の桜が咲き、木々は芽を吹き新緑が萌え、そして大連のアカシアの花が咲き出します。

 「冬は必ず春となる」と耐え忍んだ寒さから解放され、森羅万象みな息を吹き返したかのように感じるのがちょうどこの季節です。

アカシアで忙中閑を偸む

 アカシアといえば大連、大連と言えばアカシア。日本の歌謡曲やポップスにも歌われ、また小説も刊行されています。

「アカシア」の中国名は「槐花  」。

 5月の中旬から下旬にかけて、大連の街のあちこちで見かけます。白いアカシアの花ことばは「優雅」だそうで、なるほど、大連の街で見かけるアカシアはとても上品で清楚な花です。

 

アカシアの花

大連労働公園に咲くアカシア(2017年5月撮影)

 異国の地にあって、昼も夜も事業の発展のことばかり考える忙しい毎日の中で、オフィスから街に出た時には下を見ないで上を見ては如何でしょうか。ちょっと見上げるとそこには爽やかな風に揺れる白いアカシアの花が目に入ります。

 中国古典には「忙中閑を偸む」との言葉があります。どんなに忙しくても、時には少し立ち止まり上を見上げてアカシアの花に癒されてみる。そんな心の余裕を少しは持ちたいものです。

人も躍動を始める5月

 森羅万象が蘇るこの季節。5月の大連は大連国際マラソンと国際徒歩大会というビッグイベントが続きます。大連ブルーの爽やかな青空の下で、花だけでなく寒い冬を耐え越えた人々も躍動する季節です。

 いずれも政府主導のイベントですが、わが社では団結心醸成の一助とするために、マラソン大会の駅伝の部にエントリーすることにしました。

 もとより陸上競技経験者などは誰もいない我が社ですが、参加することに意義を持たせたのです。前年の秋ごろから社内予選を行い、その中で選ばれた社員によってチームを構成。

 普段は営業や財務、現場の業務系社員など、マラソンなどには縁のないまったくの素人ばかりです。でも、目標タイムを自主設定し、冬場には毎週のように練習を重ねてきました。

 挑戦することに意義を見い出す大会です。当日は一般社員もリレーポイントで応援を行い、社員の団結という当初の目的は十分に果たすことができました。

 出場した社員達にはレース終了後、昼食をともにするご苦労さん会を設け、選手(社員)たちとの貴重な交流機会としても役に立ちました。

オフサイトミーティングのよう

 大連国際徒歩大会(ウオーキング)は、参加者が20万人にもなる大規模大会です。あまりにも規模が大きいので、わが社ではその一週間前くらいに同じコースを歩く独自のウオーキング大会を開催しました。

 社内で希望者はだれでも参加できるようにとの設定で約10キロを皆で歩きます。コースの途中には黄海を望む滨海路というドライブウエイがあり、その両側にはアカシアの花がちょうど満開になる、一年の中でも最もすがすがしい季節です。

 私も社員達と一緒に歩くこと約3時間。ウオーキングといっても社員の仲間たちと語らいながらゴールを目指します。お昼ごろにはゴール地点に到着し、近くのレストランで参加したすべての社員と昼食を取ります。普段の仕事現場では難しい直接のコミュニケーションですが、オフサイトでは結構楽しいものです。

善く恩を用うる者は妄りに施さず

 社内リクレーションにお金をかけるのは如何なものかと、日本本社から言われそうですが、そんなことは気にしない。

 中国の呻吟語には「善く恩を用うる者は妄りに施さず」とあります。社員に対してちびちびと何回もお金を使うよりも、どうせならケチケチせずに大々的にやる方がよいと。

 意気に感じた社員達は喜びをもって仕事に励み、掛けたお金はちゃんと業績になって帰ってくるのですから。

アカシアの花の背景は森ビル(2018年5月撮影)

ビル前の小さな緑地に立つアカシアの碑(2018年5月撮影)

 私の仕事場があった森ビル(森茂大夏)は街のど真ん中にありますが、その周辺にも街路樹としてアカシアが植えられています。

 忙しさにかまけて在任中は気がつきませんでした。リタイア後、付近を散策するとあっちにもこっちにもアカシアが咲いているではありませんか!

 清楚なアカシアの花を愛でる余裕が現役時代にもあればなあ、と反省しました。

アカシアの生ローヤルゼリーを健康のために食べています

「成功を収めるための重要ポイント 現場目線で見たツボ」 はこちら

成功のヒント 中国のことわざ・格言

忙里偷闲 / 忙中閑を偸む

◆中国語:忙里偷闲   [ máng lǐ tōu xián ]

◆日本語表記:忙里偸閑

◆出典:宋·黄庭坚《和答赵令同前韵》

◆意味:忙しい中にも暇を見つける。(忙中閑あり)

»本文に戻る

 

善用恩者不妄施 / 善く恩を用うる者は妄りに施さず

◆中国語:善用恩者不妄施   [ shàn yòng ēn zhě bù wàng shī ]

◆出典:呻吟語

◆意味;恩を善用(悪用の反対)する人はむやみに物を施し与えるようなことはしない。会社でいえば、社内イベントなどの際に、ちまちまとやるのではなく、どうせやるなら思いっきやった方が社員に記憶に残り効果が高い。

»本文に戻る

「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら

 

Follow me!